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ばば のぼる

馬場のぼる

ばば のぼる

1927.10.18(昭和2)〜 2001.4.7(平成13)

昭和・平成期の漫画家、絵本作家、
「11ぴきのねこ」

埋葬場所: 20区 1種 22側 24番

 青森県出身。本名は馬場登。海軍予科練14期生として海軍航空隊に入隊し、特攻隊員として出撃を待つ間に終戦を迎えた。戦後は実家に戻り、職を転々とするが、絵勉強を始め、映画館などのポスターや看板を描くようになりました。
 漫画家を目指すようになり、児童文学者の白木茂と出会い、大阪の出版社を紹介され、1948(S23)赤本漫画『怪盗カッポレ団』を出版。上京して、小学館の「小学一年生」のイラストを担当。'50から集英社の「おもしろブック」で野球漫画『ポストくん』を連載し、児童漫画家として人気を得る。'54年からの連載『ブウタン』で第1回小学館漫画賞を受賞。
  その後、漫画から絵本にシフトし、'64『きつね森の山男』で産経児童出版文化賞を受賞して、絵本作家として活路を見出す。'67代表作となる、とらねこ大将と10ぴきの仲間の愉快な冒険物語『11ぴきのねこ』をこぐま社より刊行し、手塚治虫、福井英一とともに「児童漫画界の三羽ガラス」と称される人気作家となった。「11ぴきのねこ」シリーズ全6巻は250万部を超すロングセラーとなる。外国語にも翻訳され、'85「11ぴきのねこマラソン大会」がボローニャ国際児童図書展エルバ大賞を受賞するなど国際的にも評価を得た。他の主な作品に、'70から14年に渡り日本経済新聞に4コマ漫画『バクさん』を連載。'83群馬県での“あかぎ国体”で、動物マスコット「ぐんまちゃん」(初代)を制作。ほかに『おおかみがんばれ』『アリババと40人の盗賊』『ブドウ畑のアオさん』など多数。'95(H7)紫綬褒章を受章。日本漫画家協会賞文部大臣賞など受賞。 漫画家の絵本の会などに所属。胃癌のため逝去。享年73歳。没翌月、勲4等旭日小綬章追贈。

<20世紀日本人名事典>
<著者略歴など>


11ぴきのねこ 碑面
墓所

*墓所入口に「走尾家墓所」の標柱が建つ。走尾(はしお)は馬場のぼるの妻の馬場歌子の清家の墓所。墓所入口右に「11ぴきのねこ」の碑が建つ。裏面に馬場のぼるの直筆サインとともに「馬場のぼる偲ぶ碑」と刻む。「平成七年十一月 紫綬褒章受賞 平成十三年四月 勲四等旭日小綬章受賞 故人 偲ぶ人たちの想いを集めて 平成十四年四月吉日 妻 馬場歌子 建之」と刻む。墓所正面は宝篋印塔「走尾家先祖代々菩提」とあり、その左右と左側計三基の墓石が建つ。右側に墓誌が建ち、馬場のぼるから刻みが始まる。本名の馬場登と刻み、戒名は登龍院徹心法性禅居士。他は走尾家の方々が刻む。

*馬場のぼると歌子は、1951結婚。この墓所は妻の清家の墓所であるが、馬場家の代々墓所は青森県三戸郡の法泉寺にあり、そちらにも分骨されている。

*2023.4.28(R5)馬場のぼる生誕の地である青森県三戸町の町長が、2027年に馬場のぼる生誕100年に合わせ、記念館の建設を検討する旨を発表した。


【『11ぴきのねこ』誕生秘話】
 『11ぴきのねこ』はこぐま社の社長の佐藤英和と二人三脚でつくられた。馬場は「お腹を空かせた猫が魚を食べるために頑張る話を描きたい」という想いから創作をはじめる。「魚は大きい方がいい!」「ネコは1匹よりも、何匹かいたほうがいい。でも何匹にするか?」二人の話しは膨らむ。「1匹は大将、あとの10匹が兵隊だ」「なぜ11ぴき?」「じゅう・いっ・ぴき!」という発音が元気が良くて気に入った。このような感じで決定していったそうだ。
 『11ぴきのねこ』はストーリー内容に懸念もあった。まず、主人公が名前のない野良猫であること。そして、普通であれば、退治される魚はなにか悪さをして人々を困らせているという理由があるものだが、野良猫が狙っている大きな魚は、何も悪さをしているわけではないこと。残酷ではないかと思われる可能性があるのではないかとの懸念だった。しかし、馬場は自身の戦争経験や終戦直後を経験してきている身。「子どもたちはお腹を空かしているし、お腹いっぱいになりたいと願っている。世の中に残酷と言われても、子どもたちが喜んでくれれば良い」と思い出版を強行。結果は予想に反して大人気となり、2回目の産経児童出版文化賞を受賞した。もちろん、作品には集団心理や団結効果、リーダーシップ等の描写と意外なストーリー展開が特徴で、かわいいキャラクターが人気を博した背景もある。『11ぴきのねこ(と)〜』の題名で以降6作にわたって出版され、数々の賞を得た。



第27回 「11ぴきのねこ」誕生秘話 馬場のぼる お墓ツアー ※再UP


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