今岡純一郎

　岸和田藩士今岡〇(こざとへん＋齊)の長男として大阪府岸和田に生れる。
　1898(M31)東京帝国大学造船科卒。直ちに逓信省船舶司検官補に任ぜられ、まもなく抜擢されて逓信技師兼務となり、さらに海事官に転じた。 1903外国造船技術研究のため英独両国に三年間留学した。'07海事局技師兼帝国鉄道庁技師を兼任、その後管船局船舶課長に進んだ。 '14(T3)勅任官となり、翌年には工学博士を授けられ、船舶界における名声は確乎不動のものとなったが、'16深く決するところあって官界を辞し、浦賀船渠の専務取締役に就任、社業の刷新更生に努め、'17年8月に自ら社長となり、卓抜な経営を行った。 その間、帝国軍艦駆逐艦等の建造に当り、横浜船渠の経営も引き受け、その他石川島造船所顧問、尼崎築港、浦賀瓦斯の取締役、日本冶金取締役会長、山下汽船相談役を兼ね、さらに造船協会、帝国海事協会、その他の評議員、理事、幹事等の地位にあって、造船界一般のために献身を惜しまなかった。贈正四位。

＜平凡社『日本人名大事典』＞
＜MATSU様より情報提供＞