東京大田出身。江波戸三郎、きよ(共に同墓)の二男として生まれる。
旧制都立高等学校、東京都立大学を経て、1955(S30)東京大学理学部地理学科卒業。'60 同大学院博士課程修了。論文「蚕糸業地域の地理学的研究」で理学博士。'58 武蔵高等学校・中学校講師、学習院大学経済学部講師、東京都立大学助手、'65 明治大学商学部専任講師、助教授を経て、'72 明治大学教授となる。2002.3(H14)停年退官、名誉教授。
専攻は経済地理学。農業、蚕糸業地域の研究や、東京大都市圏の研究、生活史で業績をあげた。農村地域・都市地域・国民経済のすぐれた経済地理学的分析であるとともに、経済史学との境界領域の研究を深めたという意味でも重要な意味を持った。日本地理学会名誉会員、経済地理学会名誉会員(2011)に選任された。
他に世界の民族音楽についての研究でも知られた。1970-2000 NHK-FM「世界の民族音楽」を担当した。切手収集家としても著名で切手地理学など幅広い分野で多くの研究成果をあげた。
主な著書に『日本農業の地域分析』(1965)、『蚕糸業地域の経済地理学的研究』(1969)、『世界の民謡をたずねて』(1972)、『切手にみる世界の民族楽器』(1979)、『民衆のいる音楽 太鼓と合唱』(1981)、『切手に見る世界の楽器』『世界楽器切手総図鑑』『東京の地域研究』『民族音楽・出会いの旅』(1987)、『世界の音民族の音』(1992)、『世界の民謡めぐり』『地域構造の史的分析』(1992)、『続・東京の地域研究』(1997)、『200CD 民族音楽 世界の音を聴く』(1998)、『戦時生活と隣組回覧板』(2001)、『世界の民族音楽 切手でみる楽器のすべて』(2006)などがある。その他、歌、地図、切手などのテーマの共編著も多数ある。
2001(H13)日本自費出版文化賞特別賞、第20回風土研究賞、2002 日本自費出版文化賞第5回地域文化部門賞、2003 日本地理学会賞第1回優秀賞を受賞。大学退官後、明治大学リバティーアカデミーや浜松市楽器博物館の講座の講師を亡くなる直前までつとめ、「合唱団とちの実」の団員としても活躍した。
2011.1(H23)食道あたりに異常を感じ診察、同.2 胃がんと診断され、その後、抗がん剤治療。同.7 開腹手術で胃を全摘。同.8 退院。自宅療養後、同.10 仕事を再開したが、同.11 体重が急減、食欲不振に陥り、翌.2 点滴等栄養補給を持続的にしていたが、夏の酷暑で体力がかなり消耗し元に戻ることなく逝去。享年80歳。