USS Olympia アメリカ海軍防護巡洋艦 オリンピア パイロ 1/240…くらい 1891年6月17日カリフォルニア州サンフランシスコにて起工1892年11月5日就役した。 就役後オリンピアはアジア戦隊の旗艦任務に就く。米西戦争ではマニラ湾海戦を含む数々の戦闘に参加し、1899年9月に本国に帰還した。 本艦上で艦隊の指揮を執ったジョージ・デューイ代将は「きみの準備ができたら撃っていいぞ、グリッドレイ艦長」という有名な命令を発し、パトリコ・モントージョ将軍率いるスペイン艦隊を撃退した。 デューイ提督が命令を発したとき立っていたと考えられる場所は現在艦上に記され展示されている。 第一次世界大戦から終戦直後にかけて大西洋、北極海および地中海で活動した。 1957年9月11日にオリンピアは巡洋艦オリンピア協会(Cruiser Olympia Association)に 移管され、現存する唯一の米西戦争を経験した艦として公開されている。海軍予備役訓練部隊の学生はオリンピアを定期的にメンテナンスしている。 このキット、発売が1962年と言うから、もうかれこれゆうに半世紀を経たプラモです。 最初の発売はパイロでその後リンドバーグ、ライフ-ライクへと金型が移って販売をされていたようです。 今回のはパイロ製でボックスアートで調べてみたら、どうやら初回発売に近いもののようで、やっと半世紀後に陽の目を見たキットです。 こちらはいつものシュガー長官からの頂き物ですが、1980年以前は青森のご老公が所持しておりました。 で、先だってご老公に聞いたところ更にその前は東京の有名模型サークルの某氏から頂いたとのこと。 アメリカから、多人数の方の手を経て渡って来た・・・色々と面白い経歴のキットです。 |
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キットの状態は、煤汚れやらなんやらで真っ黒・・・! とにかくも洗剤で洗いましたら、以外に白くきれいな部品になり一安心。 がっ!さすが半世紀前のキット、もう作りが圧倒的に玩具していて、これをどうするのか暫し呆然といたしました。 取りあえず、ネットや文献で資料を集め全体のディティールを頭に叩き込み、細かい所は作りながら手を加えていくということで製作スタートです。 大昔のキットにありがちな、種々の部品、造作がすべてにわたってモールド表現で施されています。 アンカーなんかは船体から飛び出すアクロバチックな表現に驚愕! なので位置がわからなくなる前に舷窓をピンバイスで穴を開け、船体についている諸処のモールドをナイフと彫刻刀で削り落とし、ペーパーがけの開始。 するとですね・・・・削った水が濃い茶色になるんですね。どこかで保管されていた46年分の煤やほこり何でしょうけどね・・・。 |
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あちこち削り取るときに付いた傷にパテを充填。 いつものタミヤパテをと思っていましたが、今回はタミヤの光パテを使ってみました。 これ、光に充てると本当にすぐ固まりました。すげー! 削りはちと硬かったですが、割とスムースに削れましたね。ただ・・・匂いがなんだか…あれ…これって歯医者の臭い?! 続いて中央部の上甲板側壁。ここは上部に壁と一体のモールド手摺が!最初ナイフで削ろうとしましたが、その厚さと硬さに閉口して、リューターの丸鋸刃を使いました。(食い込んだら途中で止まるくらい硬い!) 上甲板側壁の削りは例のボートダビットのほかにも色々ありまして・・・・、計画を立てて削っていかなないと嫌になる部分です。 (いっそ全部まっ平らにした方が潔いのかなと思えてきました) |
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次に甲板の罫書き。 こちらはラインチゼルを使うと溝が太くなりすぎますので、デザインナイフのみを使い、マスキングであたりを付けてフリーハンドで引いていきます。ところで・・・・ちょっとずつ組み上げるにつれ、各部品がとんでもないことがだんだんとわかってまいりました。 何故か・・・司令塔が手すりの付いた開放型に!(ほぼ意味ないですね) 以前作ったレベルのオリンピアで確認したところ、中央の甲板の高さが前後の艦橋の位置と同じなのが判りましたので、それに合わせてプラ角棒でガイドを新設。 艦橋下の高さは、分厚い甲板部品を載せるため、少しだけ高さ調節をしましたが・・・はたして。 煙突基部は、やはり現存艦と違っていましたので、プラ板で四角く囲いました。 ただ、これも前後で高さに違いが有る様に見えましたので、若干高さを変えてあります。 |
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甲板に合わせるのに煙突の組み立てが必要だったのですが、なにかとてつもないディテールでしたので、蒸気捨管等を全て削り落としました。 表面も結構ヒケででこぼこしていたので光パテを埋めて磨きました。 これで煙突基部との合わせはできたのですが・・・・この上甲板についているモールドを改めてみてみますと、実艦のボートは架台があってそこに載せていますが、この模型は甲板上に架台がへばりついてます。 組説を見てもそういう風にボートを載せることになっていましたので、こりゃアカンとこの辺のモールドを全て削り落とし・・・・。 なんかだんだんソリッドモデルを作っているような気になってきました。 |
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ここからは最大の難所!!上甲板の側壁のセット! この部品・・・・反り返るは、水平は取れてないは、捩じれてるはで、どう仮組してもいうことを聞いてくれませんでしたので、つなげた前後甲板にテープで強制固定。 明らかに浮いた部分はやはり240番で削って、なんとか甲板に載せました。で、ここからは力技で、5mm径のプラ棒を調整しながら削って梁として固定。接着剤が硬化した後、机に240番を敷いてそのうえで部品ごと水平を出しました。 上部甲板がようやく形になってきました。一通の甲板のはずなんですが・・・中央・前部・後部と何故か2mmほどの段差が?しかたないので、壁を削ったりかさまししたりしてガイドを取り付け、一通甲板に仕立てました。いっそのこと型取りして一枚物の甲板をプラ板で作ったほうが早かったかなと、今になって思ってます。 |
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難所の一つであった上部のキャットウォークを作成。 形状がゆるい多角形になっていたので、プラ板を4分割して張り合わせ、盛大にパテ盛して削りだし・・・。 ボートダビット。2mm角のプラ棒を切り出し、240番でテーパーがかかるように削った後、三か所に切れ目を入れて曲げ加工。最初沸いたお湯でやってみましたが、プラ棒が脆くなっているようで切れ込みでポキンッと・・・・。で、気を取り直してかみさんにお線香を所望。と・・・・出てきたのが「墓参セット」・・・・。なにか色々と使えそうで笑ってしまいました。ボートダビットは線香のおかげでなんとか上手く行き、難所をまた一つ越えたような気がします。 |
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船体、甲板、構造物等もかなり進んできましたが、取り付ける部品が・・・いや、これまた凄いもんでした。 吸気塔の大きいのは、成型の関係か形が変に角ばっていましたので、一個ずつリューターとナイフ、ペーパーで形を整形。小さいのは穴が殆ど開いてなかったので、これまた掘りなおし。 上部を船体に取り付けました。 かなり慎重にすり合わせていましたので、段差、隙間はほぼ無くぴったり着いたのが幸いでした。 艦首と艦尾の艦橋、フライングデッキに手摺を取り付け。ちょっとオーバー気味の1/200ですが、非常に細くて柔らかく、付けている最中に間違って触ったりして、あちこち曲がってグドグド・・・。 |
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艦載艇の形状はそのあまりの形の酷さに、以前に作ってあったレベルのオリンピアの艦載艇を型取りしてレジンで製作しました。 外側のメス型と内側のオス型を型取りしてメス型にレジンを入れ、少し硬くなってきたところを見計らって、上からそっと乗せる感じで押し込んで硬化を待ちました。 それらしく抜けたのを選んで厚めにサフをかけました。乾燥後軽く削ってからナイフで板目を彫り、再度白で塗装。漕者の腰掛板はエバーグリーンのプラ板で一枚ずつ長さを合わせながら接着。あちこち曲がったりずれたりして・・・・鬱になりますね。 一気にやろうとすると精神が崩壊しますので、毎晩1、2艇を製作。 |
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一番面倒くさかった、大きな灯り取り?の開口部の柵をセット。 真鍮線で枠を組んで、延ばしランナーで柵をセット。基本的に不器用者の為、やってる端からなんか飛び出したり曲がったり・・・・。 あんまり大写しに出来ない部分の完成となりました。 煙突の取り付け。 前後の煙突とも、蒸気捨管が二本後ろに有りますので、本体を少し削って装着。後ろへの微妙な傾斜が付いているため、よく角度をすり合わせての接着です。この段階で煙突を支持する張線(ファンネル・ガイ)を取り付け。 船体、煙突とも糸の支点は鉄道模型の割りピンを使っています。 |
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探照灯です。 架台の枠を別に組み、その上に手摺を付けてから架台に接着します。 この手摺、良いサイズが無かったので真鍮線でと思っていましたら、ジャンクからなにか梯子の様なのが出てきたので利用しました。 |
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各部のラッタルを付け終えてあちこち細かい所の追加等やった後、とうとうマストに着手。いつものFRP棒ですが、一番太いので2mmでもう少し太い方が良い感じでしたが、 竹を削るのも面倒でそのまま進行。この手の艦種のマストは二段継くらいになっているのが普通ですが、この艦は一本もののストレートな作りです。 |
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製作 kudopapa@副長 | ||
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