さぁ 喰いねえ
普段は辺境の美味しいもの?を独断と偏見でご紹介するこのコーナー。
本日はいきなりお江戸は浅草伝統の味、「大黒家」の天丼です。

今回、艦船模型合同展が浅草で行われ、それに参加させていただきましたので、案内役の国親父座郎閣下に、お昼ご飯でちょこっと江戸のお味を所望したところ、こちらを紹介いただきました。
12時前に仲見世にある本店に行ったところ、気温36℃超えカンカン照りの中お店の周りは順番を待つ客で十重二十重の状態!
こんな過酷な状況で待っていたらブラキストン線以北で生まれた北方寒帯動物の自分は確実に倒れること請け合いです。
と、閣下が「ではこちらへと」すぐ傍にある支店へ御誘導~。
こちらはビルの中を使用していて、順番待ちはあるもののエアコンが効いた店内で待つことができました。
待つこと30分、8名で案内された席は新築の蕎麦屋の二階席といった感じ。
(本店はなかなかの風情とのこと)
天丼を頼むのももどかしく、まずは甘露が必要とばかりにまずは全員生ビールで乾杯!
干天の慈雨とはまさにこのことかと・・・・。
創業明治20年、ごま油のみで狐色に揚げ、甘辛く濃厚な秘伝のたれをお楽しみくださいとなっておりますが、さすが世界の観光地!お値段も世界並です。
海老2、かき揚げ1で1,700円はなかなかどうして・・・・付けれる値段では有りませんね。
(店を取り巻く順番待ちを見れば何をかいわんやでそうなるのかと・・・)順番待ちの間、国親父座郎閣下にこの店の私見をお聞きしました。
曰く客に「海老もう一匹行っちゃおう!」「男なら海老4で!」とかとにかく上に吊り上げようとする店員さんが多いとか。
断るとプイッと立ち去るとかも・・・・恐ろしいですね~。
また、思いのほか濃厚で女性客などは海老1、キス1、かき揚げ1でも残す方が多いとか・・・
この日は皆、海老2かき揚げ1のスタンダード注文をしたのですが、店内かなりの込み合い状態だったのか、もう一声!のお江戸情緒(超積極営業)は味わうことはできませんでした。(ホッと胸をなでおろす?・・・)
ややあって、ご本尊の登場です。
丼ものの王道、錦出のどんぶりに蓋つきで到着した天丼は、蓋を取ってみると思いの他黒々とした色合いで、ダップリとした衣にゾブッとした感じで染み込んだたれが良い照りを出しております。
しかし・・・その浮き出た油の光はこれから頂く自分に、「半端な気持ちでお江戸の味を語るんじゃねーぞ、コラッ!」的な威圧感を感じました・・・。
では、まずは一口。
うん・・・たれを纏った衣は適当に弾力があり、中の海老はプリップリで絶妙な火加減です。
味付けは「甘辛い」と言われるほど甘くは無く、かなりの濃い目のたれがこの重量感溢れる天麩羅にぴったりですね。
ご飯へのたれの染み込み具合も絶妙で、思うにたれ自体がかなりの粘性を持っていることが伺えます。
ご飯は炊き立ての熱々でこれもまた、好感度アップではありますが、実際あの客待ち状態では絶えず炊きたてなんでしょうね。
もうひとつの天麩羅のかき揚げは、中にプリップリの芝海老が沢山入った贅沢かき揚げです。
かき揚げはもともとが江戸前で取れる、美味しいが小粒の芝海老や小柱を美味しく頂くために出来たものだそうで、かき揚げといえば牛蒡の野菜天が頭をよぎる自分にはなかなかの贅沢品です。
ジュワワワーっと染み出したごま油をご覧あれ!

食べること暫し・・・・
量的には多くも少なくも無い天丼ですが・・・・次第に箸の行きかう速度が鈍ってきました。
そうです。
最初に聞いていた油当りの症状が徐々に出てきたようです。
美味しいとは思いつつ最後はかっこむ様な感じでご馳走様でした。

う~ん・・・花のお江戸の伝統の天丼!
なかなかにヘビーだったと言っておきましょう。
                                by kudopapa@副長