gomame ごまめのつぶやき・第36号 gomame

ミニコミ誌《ごまめのつぶやき》36号は2003年5月24日に発行しました。
内容は、
統一地方選公開アンケートを終えて−有権者は何を望んだのか?−」
「ものごとの決め方について」
「近現代史学習会報告−『心のノート』講演会」
「家庭菜園日誌:地場産の野菜と都市での自給について(連載)」
「『住基ネットにNO!』−住基ネット市民アンケート」
「スプーンおばさんの ちょっとひとやすみ(連載 No.34)」
「米・英のイラク攻撃と日本の私たち」
「みなとみらい21からみる戦争」
「編集後記」
「インフォメーション」 です。


統一地方選公開アンケートを終えて

−有権者は何を望んだのか?−

4月13日テレビの選挙速報は早々と神奈川県知事選の結果を伝えた。7人もの候補者が「乱立」したといわれた選挙であったが、松沢氏が他の候補に水をあけて当選を決めたのである。東京都知事の石原氏が圧勝を決めて、少しおいてからの速報であった。

県知事選の開票結果
当 1,040,594松沢 成文
676,534宝田 良一
643,583飛鳥田 一朗
496,319田嶋 陽子
197,402吉村 成子
92,879山本 節子
42,398遠藤 賢次郎
投票総数 3,314,630
有効投票 3,190,609
投票率 48.44%
投票率は48.44%で、前回より2.49%ポイント上がったとはいえ、有権者の半数以下なのである。松沢氏の得票率は32.61%、有権者約7人に1人の信任を得たに過ぎない。
松沢氏は、財政再建などの具体的な数値目標や実現時期を明示したマニフェスト(政策綱領)を掲げ、無党派層に政策を評価されたと言われている。若さと男性的な強さ、行動力への魅力もその応援に動いた中田横浜知事の人気と共通していた。実際には自民・公明・保守の推薦した宝田氏に票が集まらなかったことは、現政権への変革の期待を持ちながらも、保守色の強い松沢氏に票が集まったといえる。しかし、その「地方からの改革」を掲げた政策の内容が本当に一般市民の望むものであったのであろうか。
今回の知事選で無党派・革新・平和・環境を掲げる候補、女性候補が乱立し、統一した選挙への取り組みができなかったことも、選挙結果を左右するものとなったとも言える。思いを一つにすることは難しい。
世界中で、日本各地で反戦パレード・「平和」運動が高まっている中で、3月20日からはアメリカのイラク攻撃が始められた。そのような状況の下で、選挙の告示がされ、投票日となった。平和への思いが投票にどのように結びついたのであろうか。
5月14日有事関連法案が衆議院本会議で可決された。松沢知事は、「県民の安全・安心や危機管理の観点から不測の事態への対応があらかじめ決められ、その手続きが明確にされる」と評価するとの見解を示したと報道された。福祉について見ても、中田横浜市長の掲げる福祉は、公立保育園の民営化を進めるものであったが、松沢知事の福祉改革が何を実現するものなのか、環境政策、女性政策についても、不況下で生活に喘ぐ市民に顔を向けたものであるかと、今後も注目していかなければならない。
県議選・市議選では自民が減少し、公明は善戦、自由、無所属は伸びたが、共産・社民は減少するという結果というなった。

港北選挙区の県議選の結果は、現県議が全員当選となり変わらず、市議選の結果は、与那原寛子元市議が落選し、川口珠江さんが当選となる。平和を主張する議員、女性議員が増えるという結果とはならなかった。投票率は、知事選46.86%、県議選46.86%、市議選46.84%といずれも、横浜市内で、都筑区、青葉区に次いで下から3番目という低投票率であった。東京から近く、「東京市民」という傾向が強く、なかなか神奈川・横浜の行政が身近なものと感じられていないことは残念である。

当選者数
党派県議市議
自民44(前 48)31 (前32)
民主22(前 23)19 (前21)
公明11(前 9)16 (前16)
自由2(前 0)2 (前0)
共産4(前 6)6 (前10)
社民1(前 3)0 (前0)
ネット3(前 3)7 (前10)
諸派1(前 1)9 (前0)
無所属19(前 10)2 (前0)
小さなごまめたちにとって、統一地方選の公開アンケートは選挙アンケートの中でも一番大変だった。作業日を3月21日としたため、WORLD PEACE NOWのパレードにも参加せず!!、朝から夕方までに3冊の冊子の印刷・発送作業となってしまった。
知事立候補予定者が7人となった。最後になって立候補を表明した田嶋さん、遠藤さんはお願いをしたが、返事をいただけないままとなったが、それ以外の方からは回答をいただくことができた。県議(港北区)は6名の立候補者があり、回答をいただけた方は4名であった。市議(港北区)候補者13名の内回答をいただけたのは7名である。県議・市議とも自民、公明の方の回答は前回同様にいただけなかったことが気になる。ある自民の県議の方など、電話口でお願いの話しを始めようとするとガチャン!!!と切られてしまったが、小さな市民の声などに耳を傾ける必要は感じていないようである。こうしたアンケートに答えるよりは支持者を固めるなど別の活動に時間を使う方が有効だと判断する候補者があっても不思議はないし、回答しないという「回答」を1票行使の際の参考にすればよいのだと言う意見もある。しかし、私たちの身近な課題への対応策について、自治体の議員に立候補しようという人から回答がもらえないということは非常に残念である。
選挙期間中いたるところで選挙カーにぶつかった。ほとんどの候補者が一様に名前を連呼し、「お願いです」「皆様のために働きます」と叫んでいた。これでどうして投票する人を選ぶことができよう。
ごまめの公開アンケートは、私たちの身近にある諸課題に対して、それぞれの候補者がどう考えているのか、どう対処しようとしているのか、ストレートに問い、その答えを聞いて、1票の行使にあたって参考にしてもらおうというものである。今回の公開アンケートも、候補者によって回答がずいぶん異なり、見ていただけた方には十分参考としていただけるものになったと思う。
しかし、一体どれだけの方に見ていただけたのかということが気にかかる。これまで通りごまめのつぶやきの読者への郵送やご近所やお店に来た方への手渡しもしてきた。新聞での公開アンケートの紹介の報道がなかったためか、ファックスや郵送でのアンケートの請求は残念ながら今までに比べると少なかった。
2001年の公開アンケートからは、紙面によるもののほかにインターネットでも回答を公開し、できるだけ多くの方に見ていただけるよう努力して来た。ホームページは、「らくらく港北」「アリスセンター」などにリンクされ、「草の根援助運動」、「K−NET」、「PARC(アジア太平洋資料センター)」のメーリングリストに紹介が流された。地道に続ける意義を評価しつつ、今後の公開アンケートのあり方・方法をさらに検討していく必要を感じさせられた。
市民のボランティアによって開催された公開討論会の場でも、公開アンケートの案内を配布させていただいた。会場ではボランティアの若い方々が生き生きと活躍していた。候補者の方々が互いの主張をぶつけ合うおもしろさだけでなく、表情や人柄なども知ることができ、参加してよかったと感じさせられるものだった。低投票率の原因の一つは、公開討論会もないような現在の選挙制度自体に原因があるとも言える。短期間の駅前の演説と選挙カーの連呼、選挙公報、選挙ハガキと電話だけではおもしろ味もなく、有権者の側の問題だけではないとも思いませんか。
(文責 大木清子)