おくりびと

 昨年2月、大先輩、同期と葬儀が続き、その後、「おくりびとを見た。

アカデミー賞を取ったわだいさくである。納棺師という、死んだ人の衣装を調え、死化粧をして棺に納めるという職業に着いた若者の軌跡を描いたものであるが、いくつかの葬儀に後であったので、感銘を覚えた。

 そして、自分も良き「おくりびと」になりたいと思ったものである。

大抵の葬儀は義理で行くことが多く、中にはあったことも無い人がいる。それでも、最小限、儀礼だけはきちんとやるようにしようと改めて思ってものである。

同時にその頃、下らんことで争いになった同期がいて、そんなことも関係してか、自分を送ってくれる「おくりびと」は誰だろうかなどと考えたものである。

 それは、地位や身分ではなく、お互いの理解の度合いであろうが。そのことは本人たちでないと分からないだろう。

 そして今、もっとも「おくりびと」になってもらいたかった友が、突然、先に逝ってしまった。

今のこちらの体調では、葬儀に出かけることもできない。彼を偲びつつ、家から見送る。

「おくりびと」と思い許してくれるだろう。