第二の選択

7月初めに、呼吸困難が現れたことを書いたが、この傾向はだんだんとひどくなっている。

散歩も1000歩が困難となり、帰ってきても息が上がり、BiPAPを使用するようになった。

何よりも問題は、仰向けに寝ると呼吸が難しくなってしまったことである。

一方、手足の方は、腕から肩が弱っているが、まだまだ、動ける。

診察とは別に、色々と心配してくれて、自分が休みのときに来てくれるE医師は、痰が絡んで気管閉塞が進み、一寸動くと酸素不足となり、心拍数が上がるといっており、気管切開はどうかという。

これでは動くのも難しくなって来て動かなければ筋力低下の速度がますます上がる。

 一般的なALSの人の症状を見ると、筋力低下が先行し、呼吸筋が劣化して呼吸困難となり、人工呼吸器をつけている。(この段階で付けるか否かの最終選択)

これに対し、球麻痺先行の小生のような場合、のどが詰まって呼吸が困難と言うのが先行している。なまじ筋力が残っているので、動けるから、余計酸素不足で苦しくなる。

このような場合、気管切開という手段がある。これによって、咽喉と気管の間にバイパスを造り、呼吸通路を設ける。呼吸筋が衰えている場合には、補助的な取り外し可能な呼吸器をつけることも出来る。

この手術は比較的簡単だというがやはり体力がある時にやるのが良いともいう。 

 これについて図で示すと次のようになる。球麻痺が進行すれば、A点に至って呼吸停止となる。筋力低下が先行すればB点に至って呼吸停止となる。

この手術は、あくまでも呼吸を楽にするということであって、筋力の低下が進んでくると一般的なALSと同様な段階(B点)に到達する。問題は、気管切開をしたとして、筋力低下と同じようになるC点までの時間である。

 現段階では手足がそこそこ動く間は、なんとかと思っているので、今月中に実施したいと思うようになった。

第一の決断であった「胃ろう」は、現在ではなくてはならないものとなった。今は、球麻痺の進行で嚥下そのものが困難になり、「胃ろう」をやっていなければ、大変だったろう。それに比べると今回はすこし遅いかもしれない。

 この手術は耳鼻咽喉科が行うという。ところが問題は、日立総合病院の耳鼻咽喉科の医師がいなくなるというのである。そうなると県北で何処ができるのか、医師と相談してみる必要がある。

 県北は人口当たりの医師数も少なく、日立総合病院でも、産婦人科、神経内科、耳鼻咽喉科と変動が激しいのは困ったものである。