読書の速度

 速読術などと言う本の広告を良く見かけます。

自分は、色々な本を読んでいて、皆から読むのが早いとよく言われてきました。

自分でも、会社に入った当初は、1時間100円、今では600円で読むと言ってきました。

これをもとにすると、専門書や辞書などを除くと、いわゆるハードカバーと言われる本は大抵、高いものにつきます。

そうは言っても、英語で書かれた新書本などは、当然、不可能です。

どうやって早く読んでいるのか?添えには幾つかの要素があると思います。それらについて自分なりに考えて見ました。

第一は、漢字というものの持つ特徴です。一つ一つの文字に意味がある。これを使った単語は、一つの塊として認識されます。いわゆる熟語です。

本を沢山読むこと、それは、このような熟語のデータベースが頭の中に出来ているということでしょう。

第二は、このようなデータベースとともに仮名混じり文という日本語の特徴をつかんでいるということでしょう。一つの文章を見た瞬間に、その文全体のイメージが頭に入ってきます。

それによって、言わんとしている事が頭に入ってくるのです。

文章の形についてもデータベースが出来ているのかもしれません。

第三は、画像認識力と言うことでしょう。ゴルフ場のホールレイアウトなど、昔は一度行けば殆ど頭に無いりました。囲碁や将棋の上級者は、様々な対局の経緯を全て再現できます。

早く読める場合、本のページも1ページを見たとき、画像的に認識し、特徴となる主な単語や文章の部分をつかむことによって、全体のイメージをつかむことが出来ます。

勿論、難しい本などは、じっくりと繰り返して見ないと、急には理解できませんが、人が一回、読む間に三回、読めるとすれば、これは有利になります。

第四は、かなりの場面について、過去に読んだ本の中身がデータベースとして頭に残っていることでしょう。いわゆる飛ばし読みが出来るのは、これによるところが大きいと思います。

第五は、文章を沢山書くことです。これによって、データベースが活用され、頭が訓練されます。

 会社に居た頃、色々な書類を見せられた時、「もう読んだのですか、良く見てください」などともよく言われたものです。そんな時に、「ここはどうなっているのか?こことここの字が間違っている」などと指摘すると、―――と黙ってしまう場面が良くありました。

大体、会社の書類などは、類型的で、言わんとしている事もすぐに分るわけで、要点さえ抑えてしまえば、すぐに分るものが多いのです。

 沢山読むだけではなく、沢山書くことによって、読書の速度は上がるのではないでしょうか。