数独 なんクロ

 数年前の年の暮れに、名古屋から帰る時、百人一首の記事が掲載されていた「サライ」と言う雑誌を買って新幹線の中で読んでいたら、クロスワードパズルが出ていた。

朝日新聞の土曜版に載っている程度かと思って解き始めたら、とんでもなく難しい。

夢中でやっていて、東京駅に着いたのも気がつかず、掃除のおばさんに降りてくださいと言われる始末である。

常磐線の中でもやって、さらに帰ってから分からない言葉を辞書などで引いて見たが、全く知らない単語も出てきた。日本語のみならず何でもありの出題でこれに出てくる言葉が皆分かる人はいないのではないかと思った。

とはいえ、最近のテレビの漢字のクイズなどの問題の答がすぐに出なくなっていると言うことは、頭も相当に硬化しているのであろう。

 そこで、今度は正月を迎えるにあたり、本屋に行き、パズルのコーナーを見ると子供から大人までを対象にした様々なものを売っている。

まずは「数独」を買ってきた。これは、9行9列を9ブロックとして、各ブロックに1−9までの数値を当てはめ、行、列、ブロックで同じ数字が入らないようにするのが基本形で日本人の発明である。

最初は戸惑った所もあるが、なれると勘違いしない限りできる。しかし、どれ位の時間がかかるかは、その時の頭のさえ具合も結構影響することがわかった。

解き方の基本は限られているから、それをいかに早くやるかということが第一である。

しかし、難しい奴は難しく、1時間やっても解けない。ある種の問題は、まだ、ほとんど升目の埋まっていない段階で、
A,Bどちらを選ぶかといったところに突き当たる。推論ができるはずが思い浮かばない。そうなると面倒なので、そこから先は数字に○をつけて進む。

そして、駄目なら消してやり直し。全部消すと途中までの推論まで消えるので、そこまではボールペンで書いて消えないようにする。

 ある程度やったが、こんなやり方では、時間つぶしになっても、あまり頭の訓練にはなりそうもない。

ただ、本の大きさが小さいので、病院の待ち時間などでの暇つぶしには良い。

 次はナンクロ(漢字パズル)」に挑戦してみる。

jこれには色々な形式があり、昔のクロスワードはヒントを中心に解いていくが、これは半分以上、熟語の連想で解く。

これをやっていると、日本語の複雑さが良く分かる。単に発音をとっても「雨」と言う単語は「ウ」「あめ」と読むし、「梅雨」「五月雨」のような特殊なものもある。

問題は、これは知っていると思っても思い出せな熟語が多いということである。

知らないのならあきらめもつくが忘れたと言うのはいやなことである。雑学の大家を自負していたがこれではまずい。

しかし、幾つかやってみて気がついたのであるが、出題者の語学力も問題であるいうことである。もっと色々な単語や熟語を使った方が面白いと思うが、出題者が同じなのか、同じ言葉がよく出てくる。こうなるとこいつが使うのはこんな単語だなどと連想してしまう。

他方、まず使うこともないような四字熟語などをこれ見よがしに並べた問題もある。

しかし、なんの役に立つの?と言われると困る。答は「ボケ防止」だが、思ったより時間がかかる。

 これのおかげで、本を読まなくなってきた。これは問題だ。