スタンプラリー

 スタンプラリーとは、誰が考え出したのでしょうか?やはり、これは日本人でしょう。

宗教に起源を求めれば、巡礼の旅が発端かもしれません。信者が聖地を回って歩く。

それが信心の証でもあり、修行でもあり、それを成し遂げることで、一段の高みに到達すると言うことでしょうか。

 そうは言っても、回って歩くという為には、回る先が明確であること、道中が険しいがある程度、安全であることが必要でしょう。

旅の途中で、見ぐるみはがれてしまう、殺されてしまう、解体されて肉饅頭にして売られてしまうなどと言うことになると、回って歩くのは困難です。

戦争などがあれば、回ることすら困難です。また、回ったと言う証もほしいところです。

 日本はその点、平和でした。そして、江戸時代には、スタンプラリーが発達したのです。

純粋に信仰心から回る人もいたでしょうが、実際には、信仰というより、観光、慣行といった人が多かったでしょう。

観光のために西国33箇所めぐり、毎年の慣行で近場の七福神めぐりといった具合でしょう。

そして、御朱印と言うスタンプをもらい、満足すると言うわけです。

御朱印をもらうには何がしかのお布施が必要です。それもまた、寺社の重要な収入であったのでしょう。

 現代のスタンプラリーは、スタンプを押すのにお布施は不要です。しかし、何箇所か回って満願の暁には、何かいいことがあるように出来ているものが大半です。

  

スタンプラリー、昔と今

スタンプを集めて、「私はここまで行ったのよ」と自慢するのも、満願成就で「全部回ったら、こんないいことがあったの」と言うのも、なんとなく、昔の霊場めぐりと似ているのは、スタンプラリーがそこから生まれたと言うことによるのでしょう。