パソコン自作の為の基礎知識(その6

                オペレイティングソフト(OS)――Microsoftの戦略

 パソコンは商品です。それを売って利益を出す為、様々なことが行われています。

その筆頭が、マイクロソフトであり、インテルである訳です。しかし、ハード面では、インテルとAMD,MAC,などの競争がありますが、OSは、汎用の世界ではマイクロソフトの独占と言ってよいでしょう。

 ハードが進歩し、色々な新しいことが出来る可能性が生まれたことにより、ソフトもまた進歩し、人々がそれを買い求めると言う幸福な時代がありました。

しかし、今日では、一般の人にとっては、Vistaで色々なことが出来るかもしれないが、Xp十分という段階に到達して来ています。

 そこでマイクロソフトが、ビジネスを続ける為に取っている戦術は次の二つです。

1.ライセンス

 マイクロソフトは、WindowsOSOfficeを販売することがビジネスですから、これを勝手にコピーしたりされると商売が成り立たなくなるので、ライセンス認証とか、使用上の制限とかを厳しく設けるようになってきました。

皆さんのPCにインストールされているこれらのソフトは、どのようなものか知っておく必要があります。

 新しいPCを買うんだけれど、前のPCのWindowsを使いたいとか、自分でPCを作るのでいつでも使い回しをしたいとかいった時に、自分の持っているOSのライセンス条件を知っておく必要があります。Windowsについては次のような種類があります。

1) リテールパッケージ

 量販店などで箱入りで売られている一般的なものです。

一般用」と「アカデミック用(学生対照)」があり、正規版アップグレード版があります。「アカデミック用」の価格は一般用より安いのですが、学生証などを提示しないと売ってくれません。買ってからどうなっているのかの実態は定かではありません。

「一般用」は、貴方の自身のPCならハードが代わっても認証を受ければそのまま使えます。
しかし、価格は非常に高い。アップグレード版」は安くなっていますが、再インストールが必要になった時に面倒などで、あまりお勧め出来ません。

サポートは、マイクロソフトです。

2)DSP(Delivery Survice Partner)

PCベンダー、販売店などが、マイクロソフトと契約し、自分の販売するPCなどにプレインストールして売る場合と、これらの販売店などが、CPU,メモリー、HDDFDD,マザーボードなどとそれと一緒に使うことを前提に販売する場合があります。これも、箱入りで売られ、OSそのものは、リテールパッケージと違いません。

この場合、個人が買うと、買った部品と一緒に使うことが前提なので、そちらが壊れると使えないのが原則です。

私は、価格が安いので専らこれを使っていますが、まず絶対に壊れない(付けても使わない?)と言えるFDD(フロピーディスクドライブ)と一緒に買うことにしています。

サポートは、マイクロソフトではなく、購入した店となるので、細かいことは自分で調べて対応する必要がありますが、マイクロソフトの正規ライセンス認証を取るとかなりの事まで知ることが出来ます。

             
            下のラベルの注意書きで使うのが原則です。
  

3) OEM

PCメーカーとマイクロソフトとの契約で、ユーザーにはプレインストールでの販売です。
リカバリーディスクがついて来ますが、これは、そのPCに固有のもので、他のPCには使えません。PCも携帯と同じと言うのがこの場合です。

DELLなどは正規版使用と謳っている機種も有りますが、内容は事前に確認した方が良いでしょう。
サポートは、PCメーカーです。
マイクロソフトに聞いても無駄です

4)ボリュームライセンス
  
マイクロソフトとPCを使用する企業などが個別に契約するもので、5台以上が対象です。
  契約によっては、他のPCに移して使うことも可能なようです。

  サポートはマイクロソフトです。

 

2.サポートの終了

 まだ、Me/98を使っている人もいますが、Xpが大半で、Vistaも増えてきました。しかし、Me/98のサポートは00/07で切れました。

このように、古いOSのサポートを次々と止めて新しいものに切り換えさせようと言うのがもう一つの戦術ですが、あまりにも多く普及した為、企業などからも苦情が出て、それを修正しています。

 現在、サポートが有るのは2000以降ですが、Xp HomeEditionはあれだけ売っておきながら09/04でサポート中止とはけしからんと言うことでXp Proffesionalと同じ期限まで延長(5年)しました。

 これらの延長期限を書くと次のようになります。しかし、これも、時々に変化します。

 
 OS名            発売日  主要サービス停止  延長サポート停止

 98/Me                98/00                             06/07/12

 2000              00/03/31    05/06/30            10/07/13
 Xp Home            01/12/31      09/04/14            14/04/08
  Xp Proffesional
  01/12/31      09/04/14            14/04/08
  Vista Business  
  07/01/25       12/04/10            17/04/11
  Vista Home
        Ultimat
e  
  07/01/25      12/04/10            対象外

 売り出したばかりのVistaも不完全な部分が多く、修正モジュールも増えたので、SP1発行され、SP2以降、長い間、修正モジュールで対応してきたXpSP3がようやく発行されました。

もはや、OS分野で新しいものを開発するには費用対効果の面で問題があると考えたマイクロソフトは、Yahooを買収して新分野進出を計画していますが、Netscapeの時の様にはうまくいかないでしょう。

もし、皆さんが、eや2000を使っているならVistaに切替えXpが遅いなどと言う時には機能向上ができるかをまず調べ、初期のXpPCならVistaに切り換えるのが良いでしょう。
しかし、はっきり言ってVistaは製品として良い物ではありません。マイクロソフトは次のOSとしてWindows7を開発中です。我慢できるならそこまで待つ?かどうかです。
 とりあえず、ネットやメールなど機能がある程度限定された安価な最近のモバイルPCを買って使い本格的なPCは次のWindows7まで待つというのも選択肢かもしれません。

パソコンのハードをいじくり回さないなら、サービスがしっかりしていて、PC事業から撤退などしないメーカーのものを購入することです。

「PCハードをいじる人」――――OSはDSP版がお勧め。

「PCを携帯と同じに使う人」――サービスの良いメーカー品を買い、
                時々、完全バックアップする。

OSもどうやらWindows以外の世界も開けてきた様です。次はUbuntuなどをいじってみたい気がしてきました。