麻雀(5)――海外偏(東欧)

 

 共産圏時代の東欧諸国は、国によって、ずいぶんと違っていたが商売や技術提携などは勝者が間に灰いてやるのが普通であった。

ポーランドなどは、ホテルで堂々と全裸のストリップが行われ、市内も全く自由と言ってよい。従って、日本人もよりはと言うことになる。



ルーマニアなどでは、駐在員はホテル住まいで、夜の外出なども自由ではなかった。こちらは、各商社の連中が呉越同舟で、やることもないので夜ともなれば麻雀である。

 とは言え、どの国でも商社マンは麻雀をやることには代わりはない。外から訪れた人を引っ張りこんで、外資導入と言う訳である。

 ここでのルールには、二つの特長があった。

一つは、持ち点が17000で、20000返しというもの。親のハネ満を振るとそれで点数が無くなる。点棒が無くなった時点でその回は終わりというハコテンルールである。

もう一つは、変動相場制が多いことである。これは、負けた人が、手を叩くとレートが2倍になるというもの。

1000点50セントくらいから始めて1000点4ドルくらいまではいく。(当時1ドル300円近い)

 このような人達を相手にするのは大変である。出張してきて1000ドル以上も負けて借用証を書いて帰った人を見たこともある。

相手は、毎日やっているから仲間同士の手の内を知っているから、3人トータルで負けるということはまずない。

 こんな連中とやって負けない方法は?と言うと、まず、最初のうちは、勝とうなどと思わず、のんびりとやり相手の手の内を探ることである。

やっていると必ず、負け始める人が出てくる。そこで、レートが倍になる。この段階でも多少は、気をつけて大負けしないようにしておく。

ここまでは、マイナスでも問題ない。夜もふけて、最後のレートになって、後数回で終わるという時に、1回勝てば良い。これで全ては帳消しである。

これで、勝つことはなくても負けることもない。これでいいのだ。

どうせ、勝とうという気もないのである。勝ちたいと最初から飛ばしても、レートの差の方が大きく、最後に2回負けたら、大負けになってしまう。

このような時、ハコテンルールは都合が良い。