雀鬼 私が学生だった昭和30年代の中頃は、日本の経済が上向き、東京オリンピックも、近いうちに行われ、新幹線も建設される時代で あった。 夜の街には華やかにネオンが灯り、バーやクラブ、一杯飲み屋などがサラリーマンや労働者を集めていた。 そんな盛り場には多くの麻雀屋があり、場所によっては、いかがわしい賭け麻雀なども行われていた。 大学の近くの学生街にも多くの麻雀屋があって、暇さえあれば、麻雀をする学生でにぎわっていた。 私も、高校生の頃に麻雀を覚え、大学に入ると友達たちとずいぶん麻雀をやったものである。 当時の麻雀牌は裏が竹で、表は、高級品は象牙だが、こんなものは、使われず、骨牌といって、水牛の角、そのうち、練り牌といって、プラスチックになった。 当然、自動台などというものは無く、場が終われば、自分たちでかき回して、手で2段17列を積むのである。 学生とは言え、金をかけてやるのが当たり前であるから、自分が何をどこに積んだか位は、かなり、覚えるし、都合の良いように積む ことも出来るようになる。
この中で、誰かに変わりにやらせると言うギャンブルは、中国においてもっとも種類が多い。それは、コオロギ、鶉、鶏、犬、牛、馬、そ して人間まで様様なものがある。
さて、現役を退くと、時間は十分にある。(しかし、持ち時間は限られている) 毎週、ブックエースに行き、本を調べる。面白い本は、時間原単位(700¥/Hr以上)に適合するものは買う。合わねば、立ち読みを する。新書などほとんどはこれで十分である。立派な本は、図書館で借り、必要な所は、スキャナーで取り込む。(個人用なので勘弁 ね) さらに、DVDの映画を借りることも多くなった。何しろ、旧作は、100¥/本で借りられる。 ビデオ時代は、「飛ばし読」ならぬ「飛ばし見」は時間がかかったが、デジタルのうれしさ、「飛ばし見」が出来る。 片っ端から借りてきても、本を買うより安く、下らないものでも、「飛ばし見」ができるから、時間単価は安い。 ということで、借りてい ると、「雀鬼」と言う映画のシリーズに出くわした。 阿佐田哲也の「麻雀放浪記」主人公の舞台が上野なら、こちらは、新宿歌舞伎町である。 時代は、昭和30年代後半から、50年代初めまでで、麻雀全盛の頃のことであった。 この時代、仕事にも、遊びにも、皆が全力を投 入し、日本が成長してきた。 「麻雀」も雀鬼と言われるような男達も出た時代である。 しかし、それも、時代が咲かせた仇花であり、デジタルに制御された自動卓の出現で昔のこととなってしまった。 |