「業」

 この字をどう読む?

「気」「理」などと同じく、非常に広い意味で使われる言葉の一つでしょう。

 

=ごう」   梵語のkarmaの訳だそうです。身、口、意が行う善悪の行為悪業

          業を煮やす、業が深いなど

=わざ」   行い、仕事、技術

          巧みな業など

=ぎよう」  学問、芸術、仕事

 一般的には、産業(農、工、商など)を表しているが、卒業、修業などは、どちらかといえば学問、芸術でしょう。

 

なぜ、こんなことを書いたかと言うと、最近の日本は、「業」というものがなくなってきたと感じるからです。

それは、修業というものが軽んじられ、その環境が無くなったと言うことでしょう。

江戸時代まで、ほとんどの職業(生業)は世襲でしたが、修業しなければ、職業を身に着けられない厳しい世界でした。

明治以後も、一派の職業ではそれが残り、新しくできた産業や、軍隊でも修業と言うことが重要な要素であったのです。

良く、年功序列と言いますが、給料が上がるのも修業の成果でもありました。

そして、修業の期間は、少なくともそれが出来るように、職住が考えられていたのです。貧しくとも、生きていくだけのものはあって、その中で修業し成長していくというのが当たり前でした。

士農工商全てで、修業があったのです。とつくものは全て修業がついていました。

 

しかし今は、それが薄れています。

その典型が、派遣業と言う言葉です。なぜ、このようなものにという言葉が使われるのでしょう?

派遣する仕事が派遣業と言うことなのでしょうが、派遣される人には、は要りません。これでは、業を知っている人達が支えている間は良いが、その人達が少なくなり、お互いの連携が無くなってくると、日本という国が滅んでいくでしょう。

そして、そこには、殆ど何も学業などをしなくても卒業できる学校もあるのです。