電話サービス

 プリンターがおかしくなった。紙を入れると引っかかってしまう。

色々とやって見たが、うまくいかない。どうすべきか、大体、プリンターと言う奴は本体を安く売って、トナーで儲ける仕組みである。買ったばかりで、使っていないトナーのストックが4000円以上もある。しかも、今の機種のトナーは、新機種には使えない。

ばらして見ようとして一部解体したが、メカにかかわるところをばらさねばならぬようなので仕方がないので、メーカーの電話サービスに聞いてみた。

かくかくしかじかと言うと、説明書に紙詰まりの時は、こうして見てくださいなどと丁寧に説明してくれる。

それも駄目というと、修理するしかないでしょうね、修理代は9350円、その他送料が1000円強かかります、最大、一週間位でお返しできますとのたまった。

新機種を買って、トナーを買えば、余分に金がかかるので、「もったいない」と言う精神で修理に出した。

 約一週間で戻ってきた。修理内容「回転部に画鋲が詰まっていました」と書いてある。そして、取り扱いに関する小冊子も着いてきた。「使わない時は、紙を取ってカバーを

閉じておいてください。異物が入って給紙部分を傷めます。たとえば節分の豆」などと書いてある。画鋲は、窓にブラインドを付けたときに長押から落ちたらしい。

 それから、一週間ほどして、高校の同期が集まる飲み会に出た。

ある男が、パソコンが故障した話になり、「某社のサービスはなかなか良いと評判だ、

よく知らない人が聞いても丁寧に分かるまで説明してくれる。しかし、パソコンを良く知らない人の質問に答えるのは大変だろうな。良くいやにならないでやってるな」と感心している。

そこで、小生のプリンターのことやら、会社でのことやらを思い出した。

 「分からない人が、ごちゃごちゃ聞いてきた時に聞かれた人が頭にくるのは、聞かれた人に知識がない為だろう。大体、パソコンなどは、壊れる場所は機種により大まかに決まっているのだろう。それをよく勉強していれば、聞いてくる人の質問の意味は、大体の想像がつくだろう。

貴方のように、よく知っていてきちんと説明してくれる人ばかりだと、それこそ、息つく暇なく対応し住所を聞いたり、手続きなどする必要がある。しかし、よく分からない人が聞いてくると、丁寧に回答し(おそらく、答えはすでに分かっている)その間、一服できるのだろう」と話をした。

そんな考えもあるのかと彼は言っていたが、なるほどと思ったらしい。

 会社でも、本当に忙しく、それこそ残業に継ぐ残業で大変な時に、海外の納入品で不具合があり、ベテランを出しますといってきた課長が居た。

彼が行けば、問題は早く解決して、すぐに帰れるでしょうという

しかし、私は彼の技術力は認めてはいたが、性格の判断はいささか違っていた。

「彼が行ったら、きっと、別に問題があってそれも直す必要があるので帰国が延びますと必ずや言ってくる。そうなったら帰国が延びてこちらが困るのではないか?」と言うと、「そんなことはありません、大丈夫です」と言うことになったが、案の定、新しい客の要求が出てきて帰れないとの連絡で出張は伸びた。

 国内に居れば、複数の問題、それも技術面だけでなく様々な問題を抱えて仕事をせねばならないが、海外の特定顧客では、一つの問題を解決すればよい。

ベテランにとっては、帰納品の対策は、極めて簡単であり、息抜きにちょうど良いと考える人もいるのである。

管理者としては、こんな時ほど、若い人をよくQ&Aして出してやるべきであろう。

 パソコンの電話サービスも、ベテランに任せているとこんなことになるかもしれない。

客が親切と感じることは良いことだが、効率は悪くなるかもしれない。

しかし、ベテランになる前に、訳の分からぬ質問に頭にきて辞めてしまう人の方が多いかもしれない。