漢詩(その13)  酒(その3)

 今日、中国には地方や民族(自治区)に様々ながあります。

馬乳酒と言ったいわゆるどぶろく的なアルコール分数%のものから、黄酒と言う系列のアルコール分13−20%位までの醸造酒、ぶどう酒などのやはりアルコール分13%位の果実酒、そして白酒と言われるアルコール分44−65%位の蒸留酒まで、様々です。

 家にあった中国酒を調べてみました。紹興酒などは飲んでしまって見当たりませんでしたが、アルコール分の多い白酒などが出てきました。この種の酒は、家で飲むにはアルコール分も多く、日本的な料理には合わないので、古いもので30年位眠っていました。

 飲んでしまった紹興酒のビンも入れて並べてみましょう

 

(1)おなじみ紹興酒(黄酒)です。アルコール分14%位で3年以上寝かせた古酒のビンです。

(2)越橘酒というブルーベリーワインです。東北地方の長白山朝鮮民族自治区辺りの製品です。アルコール分は13%位です。

   置いている間に量が減っていますから、酸化してしまい飲めないでしょう。

(3)おなじみ、貴州茅台酒(白酒)です。1975年に北京の外貨商店で買ったものです。 当時のものは、65度位あると思われます。

(4)山西省の竹葉清酒(白酒)です。竹の葉など様々な薬種を入れており、薬用酒ともいえるでしょう。45度位です。

(5)江蘇省の洋河大曲(白酒)で45度位です。(3)と(5)は白酒八大銘酒に含まれているそうです。

 参考までに(6)はポーランドの酒です。アルコール分95%です。どうやって飲むのか聞いたら「飲めない」との答え。果物(メロンなど)を割ってその中に入れてスプーンで酌って味わうのだとか。

 

 この詩はかなりの屁理屈です。

天の星座に酒星があり、地名に酒泉があるのだから、天地はすでにを愛している。

酒を飲むのに何愧じることがあろうか。この次の句は、昔、禁酒令が出た時、清酒を聖人と言い、濁酒を賢人と言ったことに掛けて、もう、聖人も賢人も十分に知ったので(飲んだので)神仙など求める必要なし。

三杯飲んだら道を知り、一斗(日本の量で一升)飲んだら自然と合体し酔いのなかに趣を感ずるのだ。
醒めた(酔わない、飲まない)奴に言っても無駄だ
と言った意味。

 此処で言う一斗は日本の一升だそうですから、一升酒といえば、白酒(蒸留酒)では毎日は無理でしょう。

  当時は蒸留酒が一般的だったと思われます。