漢詩(その11) 酒(その1)
酒を飲むとすぐ顔に出て、飲みすぎると貧血を起こす、しかし、酒を飲むことが必要な場合が多い。設計や開発と言っても、それを売らねば意味がない。製品を売る、技術を売るなど様々な場合に、相手に信用してもらうこと、相手を知ることには、酒を飲むというものも、色々な勝負事(囲碁、ゴルフ、麻雀など)と共に重要な意味があります。身内のグループでもみなの忌憚ない意見を聞き、戦意を盛り上げるには酒は欠かせません。
ある時、ふと気がついたのは「貧血を起こすのは、血液中の酸素量が少ない為だろう」、それなら深呼吸を繰り返せばよいだろうとーー」、それで以前よりかなり酒が飲めるようになりました。
仕事の仲間から始まり、国内のお客、海外のお客と次第に付き合いも広くなり、それぞれの地方、国の酒を飲む機会もまた増えてきました。
中国との付き合いも、夜の宴席は、重要です。また、宴席以外でも酒を飲むことが必要です。唐の時代に、酒はやはり最大の楽しみであったと思います。
酒と言えば何といっても「酒仙」といわれた李白でしょう。酒に関する様々な詩があります。下記は杜甫が詠んだ8人の酒豪を歌った「飲中八仙歌」の詩の中の李白です。
そして、李白自身が、自分の妻(内)に贈ったという詩があります。このように、自他共に許す酒飲みであったのでしょう。
泥―――水から上がるとぐにゃぐにゃになる生き物
太常――漢の皇帝の先祖を祭る役人で、1年360日で1日以外は斎戒沐浴し女性を近づけなかった
ところで、当時の酒は、どんなものだったのでしょう。
最初の詩は、ぶどう酒、次の詩は、色から言って黄酒(老酒)でしょうか?いわゆる白酒(マオタイ酒など)と言う蒸留酒はまだ無かったとのことです。数度から十数度と言うのが当時の酒だったのでしょう。
夜光杯―祁連(きれん)山脈から切り出された玉を研磨加工して作る杯
透かして見るといろいろな色で透けて見える。
(土産に買ってきたが、あまり上物で無く、見えるのが少ない)
蘭陵――山東省にある酒の名産地
鬱金――西域の香料で酒に香りをつけるもの