日立電鉄線跡地利用と団地内排水路工事(その4)

                 工事の状況

 年も押し詰まった12月26日に、工事計画書が出てきました。年明けから工事開始ということですが、工事期間を短縮するため、2箇所から同時進行で工事を開始するといいます。

実際の工事が始まって見ると、素人には予測できない作業工程があることが分かりました。3ヶ月に及ぶ工事の概要を記録したので簡単に記事にして見ました。

 

工事の看板(3月30までには終らない)

1. 前準備工事

 道路の罫線を引き、埋め込む位置を決めたので、そろそろ始まるのかと思ったのですが、最初の作業は、ガス会社のガス管の移設です。ガス管は何箇所かで道路を横断しており、これを法的な規則なのか、安全上なのか分かりませんが、暗渠の下を通します。従って、2m以上も道路の穴を掘り、パイプを繋ぎ変えています。

ガス会社の人の話では、隣の団地の道路の所は特に深く掘らねばならず大変だったようです。

 

 ガス管の移設(隣の団地側)

この作業でも、道路は車が通れず、小生の家は一番奥なので、毎日、自転車で作業場所を見て通路を確認していました。団地の内外の移動は看板がありますが、中の作業は日によって変わるので確認する必要がありました。

 ほぼ同じ頃、電鉄線路の土手の掘削が始まりました。これが出来て、ここから車で出入りが出来るようにもなったのですが、工事の進行と共に、ふさがっていることが多く、車の通行は困難な時が多かったのですが、自転車や人が通るのには便利となりました。

車が通れるようになると、案の定、外から入ってくる車が出てきます。そして、案の定、工事が始まるまで関心を持っていなかった人の中から、車が通るのは困るなどと言う話も出てきたようです。

 

電鉄線路後の切通し(住民の車はここから通る)

2. 工事の進行

 工事はボックスカルバート工法と言うものです。プリプレスコンクリートの1.2×1mの水路断面の長さ2m、約3.3トンの角型のボックスをコンクリートの下敷きを置いた上に下ろし、これを引き込んで繋いでいきます。接続部はコーキング材で固めていきます。

 この工法は、水路やトンネルなどで様々な形で用いられているようです。

      

ボックスカルバート                     このようにして繋いでいく

      

既存水路との接続側                   既存水路への排水口

 工事の途中でも、大変だったのは、道路をまたぐ架空線のある所です。ここは、ブームの長い大型クレーンでボックスを吊り上げて下ろすなど狭い所で大変だったと思います。

          

  架空線を避けての吊り上げ                   吊り下ろし

水路が大きく曲がる中間部分、最後の入り口部分との接続などは、現場合わせで鉄筋を組み、コンクリートを注入して完成です。

      

 中間点接続部へ                      接続部のコンクリート枠

      

 線路後を越えて取水口の工事へ             既存水路のコンクリート枠へ穿孔

      

切り取ったコンクリート部分の引き出し                    取水口部分

 

接続部の鉄筋取り付け

中学校からの水の始末、道路の側溝からの排水なども計画通りに終りました。後は道路の補修です。連休にかかりましたが、ほぼ、工事は完成しました。

      

 排水口                          道路から側溝へ、そして排水口

 

  中学校からの水の排水

最後に再舗装線路跡の復元ですがそれはこれからです。

3. 今後の作業

 既存水路の堰堤のかさ上げなど09年度の予算に計上されたようです。

公園の水路、245号線のしたの水路などまだ問題は残っていますが、今回の工事で、かなり改善されたでしょう。

一度、今まで以上のゲリラ豪雨が降って実証してみてもらいたいものです。

「電鉄線跡地利用を考える会」のもうひとつの仕事である跡地については、市が市民の意見を纏めて大体の計画が出来たようです。

従って、我々の会も使命が終わりました。しかし、何回か集まり、懇親会などをやって、団地内の問題なども話しをしたりして、皆の結束が固くなったと思います。

メンバーの一人であった次の会長に引継ぎも終わり、会はめでたく解散となりました。

「追記」(6/11)

と言う訳で、工事も順調に進み、最後に切り割った線路の土手を元通りに直して工事が完了しました。5月末ですので、看板に書いた3月末から2ヶ月遅れでまあまあでしょう。

元通りとなった線路後(開いていた方が弁理とも越えもありましたが==)