日立電鉄線跡地利用と団地内排水路工事(その3)
対策案の決定
市の溢水対策案がまとまったので、来て欲しいというので、関係者4人で下水道課まで出かけていきました。
今回は、中々立派な資料を準備して、部長以下関係部署も含め7人で待っていました。かなりの時間をかけて、案を作ったと見えます。
結論として、当初案の排水口の位置では、駄目と言う我々の考えが正しいと言うことで、その他についても、おおむね、こちらの検討や考え方を取り入れた案になっています。
当初計画の暗渠(水が一番集まる所に排水口)と問題点
A―D: 私有地の草の除去(都市整備課)
所有者に申し込む。
B: 道路の亀裂(都市整備課、道路建設課、道路管理課)
実害ないので当面様子を見る
C: 個人所有のブロック部まで増水(下水道課、都市整備課)
防護壁を建てる(次年度以降)所有する個人と別途、打ち合わせる
個人のブロック部分 防護壁
D: 公園の直角コーナー(都市整備課)
都市公園なので面積を減らせない。親水公園風にするか、暗渠を通すかするが かなり金がかかり予算化はすぐには困難。
しかし、やらないと今より多い降雨量になったら、また、冠水?
公園のコーナー部分の水路
E: 丘の上の中学の排水(下水道課、道路管理課、教育委員会)
とりあえず、道路を横断する溝を作り、枡に誘導して排水路の落とす。しかし、正確な水量が不明なので、教育委員会にも諮って検討していく。
学校からの水(排水溝を作る)
F公園から道路の冠水(下水道課)
ほかの対策で冠水量を減らすとともに、側溝から用水路に水抜きを作って流す。 今回の暗渠工事に付帯。
側溝の水抜き
G:245号線下排水路付近の冠水(都市計画課、当該土木事務所)
245号線はこの付近が一番低く、両側がかなり高く、しかも側溝がない。
水は道路からこの部分に流れ込む。新しく作った2445号線下のトンネル部が直角で排水能力が劣る。側溝の設置を土木事務所に要望する。
急な対応は難しい。最後まで問題?
H:上流の異物の廃棄(都市整備課、環境政策課、環境衛生課)
現在は1.2mHの柵があるが、蓋をするのは困難。啓蒙活動、看板設置などを関係部門に要望。
I: 暗渠工事(下水道課)
排水口の位置を50mほど先まで下げ、用水路が広くなった所から落とす。
暗渠の大きさを1.0×1.0mを1.2m×1.0mに拡大。
排水口位置の変更
工事工程他は、別途、決まり次第説明会をする。
J: 工事に伴う電鉄線跡地の切通しの後始末(下水道課、都市計画課)
団地側としては、自転車程度が通るようにしてもよい。市としては、跡地利用の問題もあり、現状復帰もありうる。
今回、こちらからは、基本的なコンセプトとしては、異常な降雨でのある程度の冠水はやむをえないが、人が歩けないとか、車が入れないなどというレベルにならないようにして欲しい。
また、説明会では、計画の時間軸をある程度明確にして説明して欲しい。
と言っておきました。
このような工事でもこれだけの部門が関係するのには驚きました。しかし、逆に、これだけの部門が関係するので権益と権限が集中せず、不正などが起こりにくくなっているのかも知れません。
事業を早く進めるには、このようなことを理解して、住民側からも、明確かつ合理的な要望を出し、具体化の協力していく必要があると思いました。
それによって、無駄な出費も減ることでしょう。
そして、10月15日に2回目の説明会が開かれました。
こちらの要望以外に、線路の向こうの団地側の排水路取り付け位置なども変えて流れやすくして有ります。
また暗渠(ボックスカルバート)の大きさも1×1mから1.2×1mに拡大してありました。
今回工事の基本案
取水口側の構造 今後の改修工事(予定)
これで、相互が了解して、入札に入り、工事開始は09年の初めからと言う事になりました。
「谷地の水田化」
弥生時代に谷地を水田化した所は、全国に有ります。そこには、渇水と大雨に備えて必ず池が作られています。全部、田にすれば耕地面積も増えるのに、あえて池を作っているのです。
我々の団地の上流側も沼地がありそこが遊水地でした。それを宅地開発で埋め立て、団地にしてしまったのです。したがって、短時間に増水し、下流が屈曲している為、水が溢れるという結果を生んでいます。このような団地には、公園の代わりに遊水地が欲しい所ですが、子供が落ちるなどと言うことで、作られません。
最近のように、大人ですら急な増水で流されて命を失っているのは、水を使う智慧が日本人から失われてしまったということでしょうか。