パソコンと周辺機器の接続
最近は、パソコンを一人で複数台使ったり、家族がそれぞれに持っていて使ったりする家が多いと思います。この場合、プリンターなど複数のパソコンから使ったり、逆に一台のパソコンで、色々な周辺機器を使うことも増えてきました。
このような場合、幾つかの方法があります。
1. サーバーを置いてこれに管理させる方法
2. LANで繋いで管理する方法
3. 分配器や切換器を使う方法
などがありますが、私は、3.の方法を良く使います。実際に使っているこれらの例について纏めてみました。
A.パソコン本体から出ている各種の接続端子
色々なものがあります。USB端子など、もっと数がほしい場合も出てくるでしょう。
そして、この数は、パソコン(マザーボード)の世代と種類などによっても変わってきます。
A−1.標準的にソケットが出ているもの(1個、複数個)
どんな端子があるかは、パソコンの世代によって代わってきます。
この図の端子は、2世代ほど前の標準的なもので、CPUがPentium4、そのソケットがSocket478の時代です。プリンター用端子、信号用端子などの他、LANやUSB端子が標準的に付くようになりました。
サウンド端子も、ステレオ端子と入出力端子のみです。
CPUソケット478時代の代表的接続端子
ディスプレイ用端子は、VGAカードから出ています。
比較的新しいVGAカードの例を示しました。このカードでは、アナログとデジタルの二つの端子があり、その一個をディスプレイの端子に応じて繋ぐことが可能です。
ディスプレイの端子はブラウン管時代、初期のPDF時代はアナログ端子でしたが、今はデジタル端子となっています。そのため、アナログ端子のない新しいVGAカードやパソコンの場合は、D―A変換ソケットで中継する必要があります。
新しいパソコンに、以前から使っていたディスプレイを使おうとする時には注意が必要ですが変換用ソケットは、普通に売られています。(変換用端子を図に示しました)
ディスプレイへの出力端子
この図のソケットは、最近のものです。CPUがCore2duoなどの新しいもので、そのソケットがLGA775の時代です。
プリンターや通信ポートなどが無くなり、LAN,USBの他、SATA,IEEE1394aなどの新しい端子が付いています。
サウンドも立体音にするための端子が増えています。アナログのマウスの端子も無くなってしまいました。
CPUSocketLGA775時代の新しい接続端子
ディスプレイへのVGAカードの代表的な構造は、次のようになってきて、アナログ出力は無くなっています。2台のディスプレイに接続して使うことが出来ます。
ふたつのデジタル出力端子を持つVGAカード
A−2.マザーボード上にピンがあるが、ソケットが接続されていないもの(1個、複数個)
このようにマザーボードには、様々な端子が装備されていますが、それ以外にも、マザーボード上には色々な端子があり、ピンソケットとして取り付けられています。
これらのピンに合うソケットをつけると、その機能を使うことが出来ます。
最近では、古いマザーボードでも、2つ位のUSB端子はあるでしょう。
新しいものでは、SATA機器が増え、HDD(ハードデスク)を複数使うRaidなどの為にSATAの端子も複数取り付けられています。
これらの端子を活用すると色々なことができます。
図はマザーボードに付属品としてついてきたUSB端子で、これを使うとUSBの端子数が増え、USBをタコ足配線しなくて済むわけです。
マザーボード上のピンへ繋ぐUSB配線コード 取り付け例
A−3.今ある端子にハブ(複数の端子)をつけて端子数を増やす。
いわゆるタコ足配線に相当するもので、USB機器が複数使われるようになり、この種のハブは、色々な形のものが売られています。
ここで注意しなければならない点が二つあります。
第一は、マザーボードそのものが、USB2.1に対応していないとUSBの伝送速度は遅いということですが、今ではよほど古いパソコン出でもない限り、こんなことはないでしょう。
第二は、USBの許容電流値です。DVD−Rや、薄型のハードデスクなどでUSB接続のものでバスパワー駆動と言うのがあります。これは、モーターの駆動もマザーボード側の電流で行うというものです。(別電源を使わない)
その機器だけを一つの端子に繋いで使う場合は殆ど問題が起きないのですが、タコ足配線で複数のUSB機器を一つの端子から稼動していると、電流値がオーバーし問題を起こします。別電源を使わないハードデスクなどを使う時は、タコ足で他の機器を使わず、別のUSB端子を使うのが良いでしょう。
すなわち、パソコン本体の複数の端子にうまく分けて使う必要があります。
USBタコ足配線ソケット
A−4.マザーボードのカードをつけて端子を増やす。
更に、USBのポートそのものが少ない古いマザーボードやUSBがUSB1.0といった伝送速度の遅いパソコンなどでは、マザーボードのPCIスロットに取り付けるUSBカードも販売されています。
このようなUSBカードの中には、大電流が取れるタイプも売られているので、これを使えば、バスパワーを使うハードデスクなどでもタコ足配線で安心して使うことが出来ます。
最近では、外付けのSATA機器も増えてきたので、これに対応するカードも売られています。
この場合、端子がeSATAと言う違ったものになるので、注意が必要です。
USB2.0端子増設カード SATA増設カードの取り付け例
A−5.ハードデスクやCD−Rに変換器をつけて、USB接続として、外付けとして使う。
古いIDE接続やSATA1接続のハードデスクが余ることがあるでしょう。
パソコンを、リサイクルで廃棄する時、CPU、メモリー、ハードデスク或いはCD・DVDなどは、外して保管して置きましょう。
特に、ハードデスクは、USBに変換する変換器が数千円で買えるので、データを保存しておくのに役に立ちます。このハードデスクは、保管専用なら常時駆動する必要も無く、スピードが遅くとも問題なく、動かさないハードデスクは壊れることもないのです。(USBメモリーと同じです)
また、クローンを作成しておくことも出来ます。OSを含め全部をコピーしておけば、少なくとも
その時点までの環境はすぐに回復できるのです。
(右)SATAからUSB (左)IDEからUSB への変換器
私の場合、パソコンには筐体が無く裸で置かれている為、どんなことでも出来ます。
皆さんも、やる気があれば、接続ケーブルを買ってきて、パソコンの筐体に穴を開け、ケーブルを引き出して機器と繋ぐことも出来るでしょう。
B.複数のパソコンで一台の周辺機器を使う時
複数のパソコン上から、一つの周辺機器を共用したい場合には、サーバーまで使ってやる
高度なものから、LANでプリンターを共用するなどと言うレベルまで幾つかありますが、ここでは、簡単な切換器を使って、2台のパソコンから一つの周辺機器を動かすやり方を書きます。
B−1.ディスプレイの共用(キーボード、マウスの共用)
デスクトップパソコンが2台あって、それぞれにキーボードやマウス、ディスプレイを付けたら場所を食う。一組のもので済ませたい。この需要は昔からあり、アナログ出力の時代からデジタルの今日まで、色々なものがあります。
それぞれのパソコンのVGAカードからアナログ端子を引き出し、切換器に繋ぐ方式は、最初の頃は、機械式の接点でやるものなどもありましたが、電子式になり、キーボードやマウスも同じやり方で共用するような切換器が出てきました。
アナログディスプレイ切換器
(左の端子からディスプレイに、残る二つをパソコンに、下は電源端子)
最も新しいものは、キーボードとマウスがUSB接続で、ディスプレイがデジタルのものを一体で切り換えるものです。
これには、初期のものをかったので、いささか問題がありました。
使っているUSB機器との相性が悪かったのです。私の場合、キーボードが壊れて、新しいのを買ったのですが、その後にこの切換器を買った所、そのキーボードは使えないと書かれていて、失敗したことがあります。
これは、Vista対応の色々なキーのあるキーボードで、一台のパソコンがXPであったことによるものです。
ディプレイ、キーボード、マウス切換器
B−2.プリンターの共用
これは簡単で、各パソコンのUSB端子を切換器に繋いで、そこからプリンターに繋ぐだけです。
ここがプリンターへ
USBの切換(手前が各パソコンへ)
B−3.LANの共用
一般には、モデムのLAN端子は一つでこれをパソコンに繋いでいるでしょう。我が家では、ノートパソコンなどは無線LANでどこででも使えるようにしており、4つあるLANポートも各部屋に張りまわしたので、ポートが足りなくなりました。ハブを買ってきて繋げば、2つのパソコンが同時接続になるのですが、高いし省エネにもならないと言うことで、簡単な切換器にしました。どうせ、モニターも一つですからこれで十分です。
ここがルーターへ
LAN切換器(手前が各パソコンへ)
このように、色々なことを考える人が世の中にいると見えて、大抵の分配器や切換器は売られています。しかし、今欲しいのは、複数のCFカードやSDカードが繋げるものです。
複数のUSB機器を繋げるものは市販されていますが、CFカードなどのものはありません。
あるのは、どんなカードでも読み取れますという、カードスロットが沢山ある読取器です
カードの読取器(何でも読めるが同じものを複数枚挿せない)
古いカメラで使っていたCFカードなどを複数差せる読取器があると、記憶装置として使えるので便利なのですがーー
64MBから512MB、更に4GB,更に大容量と、各カード毎にそれにあった資料を保管しておくと、後から見つけやすいし、廃物?利用にもなるのですがーー
大容量の外付けハードデスクのみが便利とは限らないのです。
考えてみると、こんな馬鹿なことをやらなくても、あまり不自由はないと思うのですが、パソコンを作るのが趣味のハード屋は面白そうなものがあると何でもやってみたくなるのは困ったものです