漢詩(その3)

 年を取ってくると、昔の詩人達が詠んだ詩の中で、年をとったことを歌っている詩が気になってくる。李白や杜甫など有名な詩人の他にも様々な詩人達の詩がある。

ここに載せた詩は、岩波新書の【新唐詩選】にあったものである。この本を引っ張り出して、発行年を見ると昭和28年第12刷と有った。してみると買ったのが、高校の終わりか、大学時代だったのであろう。

それから、ほぼ50年が経過した。それぞれの詩は、それぞれに違った意味を持っているが、鏡を見て己を振り返ると言うことが主題となっている。

 最近、朝起きて鏡を見ると、我ながら年をとった容貌になったと感じさせられる。

しかし、それよりも、裸になって鏡の前に立つと、もっと愕然とする。

もし、唐の時代、全身をはっきり見えるような鏡が有ったら、どんな詩が詠まれたのであろうか。

 




先日、阿修羅展で十大弟子の像を見たが、若い弟子、年寄りの弟子、色々と有ったが、正にその中の年をとった弟子の像が、わが身と似ているのには驚いた。

彼らと形は似ても、中身は至らないのは残念である。