徴兵制度

 軍隊も色々あり、一般の市民が戦争に参加するようになったのは、ナポレオン以来といわれている。そして兵隊も消耗品になった。しかし、戦争をあれだけ繰り返してもなかなか負けなかったナポレオン軍は、自発的に参加してくる若者で革命軍を作ることができたからであろう。

 その後、徴兵制度と言うものができ、国民皆兵といわれ、富国強兵、生めよ増やせよといわれて、帝国主義的膨張政策の結果、戦に破れ、今日に至っている。

明治以来、教育や諸外国との関係から愛国心で喜んで兵隊になったというのは半分は本当で、半分はうそであろう。

田舎では、子供は労働力であり、環境が良くなって人口が増えると飯も食えず、軍隊に行って初めて白い米の飯を食ったと言う若者も多かったのである。

 今日のタリバーンの兵士なども、同じように食えないからと言う若者がたくさんいるはずである。

 明治の初めは北海道、その後、中南米、朝鮮、台湾、満州と国内で食えない人達が移民して行ったのが戦前の歴史である。

 日清戦争、日露戦争時代までは、軍隊と軍隊の戦いであった。それは、勝敗が明確である。なぜ明確化といえば、陸軍、海軍とも軍同士の戦いであったからであろう。

太平洋戦争でも、海軍の戦いは最後まで軍同士の戦いであった。

 しかし、満州事変頃から、陸軍の戦いは地元の民衆を巻き込んだ戦いとなった。まさに、ゲリラ戦、相手は真の意味での国民皆兵である。

クラウゼウイッツの言うように、軍隊と戦うより、戦意のある民衆との戦いの方が大変なのである。領土の争いは、そこに人がほとんど住んでいなければ占拠した方が勝ちであるが、人が住んでいる限り、仮に戦いに勝っても争いは絶えない。

結局、侵略戦争という汚名をかぶっただけで終わってしまった。

 いま、日本は北朝鮮の核武装などでゆれている。防衛庁は防衛省に昇格した。日本も核武装の議論をしたほうが良いなどという意見も出てきた。

このような意見が出ることは、60年周期の時代の変わり目が今であると言うことを感じさせる。言っている本人達の大半は、自分の時代にはそんなことは起こらないと思っているのではないだろうか。

 戦争は結局、若者が戦わされてきたのである。そこで、大田光総理に提案する。

「今後は、男女を問わず、60歳徴兵制度とする」と言う法律である。

徴兵検査で、健康状態を調べ、健康の程度に応じて、色々なことを義務付ける。どんな地位や職業にも関係なし。みな二等兵とする。

そして、2年間、国のために何らかの仕事をする。再教育や訓練でも良い。その後の生活は国が保障する。若い時に国民年金を払わなかった人は、更に1−2年期間を延ばす。

何が起こるか?若者の立場、老人の立場から考えて見るのも面白いだろう。