パソコン自作の為の基礎知識(その3)

              マザーボードーーインテル、AMDの戦い

 マザーボードは別名をメインボードとも言い、パソコンの最も重要な部品です。

マザーボードはパソコンのCPU,メモリー、HDD、グラフィックカード、USB機器など、様々な部品や機器とのインターフェイスを司っています。

それをコントロールしているのが、マザーボードに直接取り付けられているチップセットというLSIです。

                    

 これは、二つのチップセットで構成されるのが一般的です。
  主としてメモリーCPUに関係するノースブリッジといわれる回路のチップセット
  外部とのインターフェイスなどに関係するサウスブリッジと言われる回路のチップセット
  この二つのチップから構成されています。

最近では、これらを統合した統合型チップセットも開発されています。

 グラフィックスや音楽などを司るカードもこの中に統合されてきました。音楽は、殆どがチップセット内蔵で十分で、グラフィックも3Dゲームなどをやらない限り、一般的には十分に間に合うだけのものが出来、メーカー製のPCでは、別置きのグラフィックカードを使わず、チップセットにグラフィックの機能が内蔵されたマザーボードを使うことが増えています。

 チップセットは、マザーボードに直接、取り付けられており、これが問題を起こすと、そのPCはもはや使えませんCPUメモリーHDDと言ったスロットやソケット、端子で繋がれている部品は交換出来るので、より高性能のものが出来てくれば交換することでPCの性能もアップできる場合も有ります。
しかし、それにはチップセットが対応できることが条件であり、何処まで性能アップができるかは、マザーボード次第という訳です。

 インテルとAMDは、CPUで激しい攻防戦をやっていますが、その後ろで、チップセットでもまた激しく戦っているのです。

 最近では、チデジや動画などを駆動するグラフィック、すなわちVGA部分(GPU)がますます、重要になっており、これを独立したVGAカードとして、取り付けられるディスクトップPCなどは別として、小型化と低価格化の為、GPUをチップセットと一体化する技術の高度化が求められています。
AMDは、ATIと言うこの分野のメーカーを買収し、チップセットのサードパーティとしてNVIDIAも台湾メーカーを買収してチップセットを作るなど、CPU以上に激しい競争が行われています。

 図に示したような、PCの部品が使えるか否かは、チップセットで決まり、それで決まる性能で、ソフトもまたそのPCで使えるかどうかが決まります。

 自作の良い所は、2世代先位の進歩を予測してPCの基本をつくり、部品を変えたりしながら対応できるのに対し、メーカー製ではそれが出来ない機種が殆どであると言う事です。

        

        3世代前(ペンティアムU時代)と1世代(ペンティアムW時代)のMB

 

(追記)

 光の速さは、299,792km/secで一般には30万km/と言われます。

1秒に1個の信号を送ると、30万km先に1秒で到達すると言うことです。1秒間に1000個の信号を送ると、その信号の間隔は300kmとなり、この周波数が1kHzということになります。

しからば、1MHzならば、信号の間隔は、300m、1GHzなら、30cm、1THzなら3mmと言うことになります。

並行する幾つかの回路で信号を処理しようとすると、信号線のわずかな長さの差で、到達時間がずれてしまい、問題が起こります。

特に、複数のチップが組み合わされるメモリーや、そのメモリーを複数個取り付けるメモリーのスロットからCPUへの回路などが問題となります。したがって、小型化と言うのが至上命令になるのです。
マザーボード上などで、これを防ぐためには、もうひとつの手段として、回路の長さが同じとなるように回路を曲がりくねらせたりもします。
更に高周波での減衰などを防ぐ為に、プリント基板に共通のアース回路を設けます。高級な基盤では、多層基盤を用いて回路の構成に工夫をしています。

 周波数が高いと電解コンデンサーも熱的に強く高級な日本製を使うのをセールスポイントにしている基板メーカーもあります。