光速の限界

 光の速さは、一秒間に約30万kmである。一秒間に一回点滅するのは1Hzである。

1秒間に一回信号を送れば、30000km先で1秒後に読み取ることが出来るのである。

1kHZの信号は、一回の点滅から次の点滅まで1000分の1秒であるから、一番目の信号と次の信号の間は、300kmである。

1MHZならば、300m1GHZならば30cm、1THzなら0.3mmと言うことになる。

 このため、情報を高速でかつ大量に処理しようとすれば、信号の周波数を上げていくことになるが、そのためには、小型化して伝送路を短くすることが必要になる。

さらに、情報を早く処理するために並列処理をしようとすると、並列回路間の伝送遅れをなくすために伝送路の工夫が必要になる。

 パソコンのマザーボード(基板)を見ると分かるように、回路の配線はうねっているが、これは、線の長さを出来るだけそろえようとしているのである。

同時に、アース線とアース板を配置して、それぞれの回路のインピ−ダンスを小さくしてノイズを減らす工夫をしているのである。

そして、今日では、パソコンでもインターネットから情報をダウンロードしながら、複数のウインドウを開いて資料を作成し、モニターの一部にテレビの画面を出すなどという並列処理が出来るようになった。

このように、情報を大量、高速、正確に伝送し処理するためには、ハードでは様々な工夫がされている。

しかし、会社などの組織体はどうであろうか?

一時、フラットな組織などと言っていたが、その後はどうか?

良く管理者が管理できる人数の限界は、40人位と言われる。

社長(補佐役が数人)の下に、部長が40人とすると、課長が1600人、主任が64000人、担当者が2560000人と言うことになる。この辺が、フラットな組織と言われるものの限界であろう。(それでも階層は5段階である)

こんなことはありえないと言うであろう。しかし、仮に5人しか管理しないとしても、部長5人、課長25人、主任125人、担当者625人と言うことになる。

結論として、この程度の人数の組織では、階層が多すぎるのである。

担当者または主任級が640人としたら、部長級、または主任級が40人、社長1人でよいことになる。

このためには、業務の並列処理情報の伝達速度が重要になるし一人の管理者の業務範囲を増やし、マトリックス化する必要があろう。マトリックス化することで、仮にある管理者が休んでも業務は成り立つ。

そのような組織では管理者は自ら、情報を積極的に集めねばならないだろう。

 大型コンピュターをそのまま小型化しようとしても、伝送路が長すぎて、性能は上がらないのと同じで組織の大きさによって階層を減らさねばならない。

 しかし、日本の組織は、そのようなものからかけ離れている遅いCPUとメモリーの単機能コンピュータを並べて仕事しているようなものである。

新しく出てきた「ほりえもん」などの組織体は、性能の良いパソコンのようなものである。もっとも、このようなパソコンは、CPUがいかれるとすべてがパーということになるのだがーーー