群馬ー長野方面(その3)

                       日本ロマンチック街道

 安曇野からの帰りに通った長野―小布施―湯田中―志賀高原―草津への道は、一度、通って見たいと思っていました。しかし、折角の機会も雨の中の旅行でした。

草津から渋川までの県道55号線などの一帯は日本ロマンチック街道といわれ、1987年に周辺の市町村がこれを設定しました。全体は上田―宇都宮間、約350kmです。

草津などの温泉と縁の深いベルツ博士がドイツ出身であることもこのようなことを考え出した一因でしょう。
ドイツロマンチック街道とは姉妹街道となっているとの事です。

 昨年、この街道筋を旅行したので、蓼科―安曇野―白馬―鬼無里―長野-草津と抜けた旅の続きとして紹介しようと思います。

この旅行は、女房がジパングクラブの宣伝に出ている法師温泉に行って見たいということから、計画したものです。どうせ行くなら、奥日光―草津まで行き、途中の赤城、榛名にも行こうということで計画しました。娘も行くというので、行程は2泊3日ですが運転はかなり無理が利きます。

また、04年5月に金精峠を越えて丸沼までは、高校の同期とも行ったのでその時の写真も紹介しましょう。

 

                       日本ロマンチック街道の旅

        

今回の記事は、本文中の写真は最小にして、CANON IMAGE GATEWAY のアルバムを中心にしてみました。

アルバムは文中のURLをクリックすると開くことが出来ます。その中のスライドショーを選べば、順番に写真が現れます。簡単な説明をつけたので、本文の記事とあわせてみてください。

写真が多いので、アルバムは分割してあります。それぞれのURLを開いてください。

(第一日 9/22 金)

日立―日光―片品村―沼田―猿ヶ京―法師温泉

 日立を6時半過ぎに出発。293号線を馬頭―喜連川―氏家と進み119号に入り、日光の杉並木を通ります。今市に向かう119号のこの辺がロマンチック街道の起点です。

今市ICから、日光高速道を使い清滝ICに出て、いろは坂を登りますが、いろは坂は上りは2車線でまあまあ運転しやすいと言えます。

日光といえば華厳の滝ですが、今は放水も無いし、皆言ったこともあるので省略し日光の町も通り抜けました。

             

              華厳の滝(04/05に友人と行った時)

戦場ヶ原から湯の湖に向かい、ここで日帰り温泉と思って立ち寄ったのですが、まだ早くてやっていません。ここの泉質は硫黄泉で好きなのに残念。
しかし、天気は良くなってきたので、金精峠に向かって進み、丸沼に行きました。ここは、菅沼。丸沼、大尻沼と続く沼のひとつで湖畔の環湖館という旅館の所有地らしく、他の建物もなく環境が良い所です。

すこし休んで日光白根山ロープウエイに向います。このロープウエイはいくつもあるスキー場のゲレンデを繋ぐもので、これで頂上駅(2000m)まで登ることができます。

ここには、天空の足湯などと言う設備も整備され、白根山が良く見えました。不動岩というのがあって,見晴らしが良いと言うので行こうとしたが道を間違え、大分遠くまで行ってしまいました。

            

         日光白根山

 ここで1時過ぎになってしまい、何処かで飯を食おうとロマンチック街道(120号線)を進み、ロードマップルに薬師の湯の露天風呂がすばらしいというのでここで昼食を食べ、入湯です。
確かに高めの温度の良い湯でした。

ここに一時間ほどいて沼田に向かい、ここから17号に出て赤谷湖を過ぎ、猿ヶ京温泉から脇道に入ると法師温泉に着きます。この温泉への道は三国峠への旧道であったらしい。

法師温泉長寿館は明治の初めに作られ、当時の文人も泊ったりしているが、何と言っても、フルムーンの宣伝に使われて有名になり、いつも客も多い所です。

今回も、土曜は満員、金曜も高い部屋しか空いていませんでした。法師の湯は混浴(但し、8時―10時は女性専用)で、川原から湧く湯の場所に上屋を設けたものです。

お湯は、すこしぬるめで長湯にちょうど良い。露天のある玉城の湯、女性専用の長寿の湯というのもある。
食事は、まあこんなものか。わざわざ部屋まで持ってくる昔風のやり方です。

               

              法師温泉長寿館

(この日 258km)

(アルバムその1)

 日光から法師温泉まで  次のURLをクリックしてください

    http://www.imagegateway.net/a?i=wkplMJxnTo


(第二日 9/23 土)

法師温泉(永井宿経由)―猿ヶ京―中の条―郷原―榛名湖―榛名神社―伊香保―郷原―長野原―草津―渋峠―草津

 さて、女房が草津に行くんだから草津白根山湯釜まで行きたいと言い出しました。地図を見ると、その先の渋峠国道で日本一高い峠だとある。予定変更しまず榛名湖に向かい出発です。

 曇りであるが、さほど、天気は悪くない。途中、旧道の途中の永井宿に立ち寄り、17号を進んで県道36号から国道145号(これもロマンチック街道の一部)に出ました。
丁度、稲穂が黄色く色づき、所々に蕎麦の花が咲き、桑の木も多い。養蚕農家で二階家の大きな家が多い。背景の山もきれいで、もう少し遅ければ、紅葉が素晴しい所と思います。

中之条町を過ぎ、郷原というところから裏榛名街道といわれる県道33号で榛名湖に向かいます。
この道は道幅もあり快適なドライブが楽しめます。
途中、雨がぱらついたが、湖に着いた頃は晴れ間も見えるようになり、湖畔を一周し、榛名神社に進みます。

榛名神社は、延喜式の上野12社の一つであり、古い神社であったが、戦国時代には衰退し、江戸時代には天海僧正が復興し、寛永寺の支配下にあったが、明治の神仏分離で仏教色がなくされたといわれます。
しかし、江戸時代には「榛名講」という形で庶民の信仰が広がった(広げた?)との事。今でも七福神像などが置かれ、庶民信仰の名残が見られます。

初詣をすれば、七福神詣でも出来てしまう仕組みです。(アルバムを見てください

御姿岩という人型の岩の前に建てられた拝殿も立派なもので、それ以外にも重要文化財の建物が沢山あります。

                

                     榛名山神社の御姿岩

 榛名湖に戻り、ロープウエイとも考えましたが、この天気なら渋峠まで行こうと、乗るのは止めて、伊香保に向かいます。

伊香保は古い温泉町の例に漏れず、狭い道をぐるぐると廻らされ、やっと一番奥の町営伊香保露天風呂にたどり着きました。
ここの湯は茶褐色、風呂の他に設備有りません。外には、ベルツ博士の銅像、研究の説明、泉源が見えるように1mくらいの球面のガラスで覆ったものなどがあります。
ベルツの研究は草津のみではなかったということを知りました。

 伊香保から県道155号を下り、国道353号と並行して走る県道35号を中之条に向か。中之条で県道58号に出て、朝来た郷原から国道145号に戻りました。

この一帯は、吾妻川に沿った道で、深い渓谷と並行して走っていて遊歩道なども作られていますが、車を止めることが出来ません。
何処でも同じですが、渓谷沿いの道は、狭い崖道を広げたため、駐車スペースなどとれず、車での観光には不向きです。さらに進み、国道292号に出て草津に向かいます。

途中、道の駅「草津運動茶屋公園」があり、ここで休憩。着いたのが、1:30過ぎ、気温は10度前後と寒く、雲が段々とかかってきました。
道の反対側にベルツ記念館があり、ベルツ博士研究も日本で結婚したはな夫人の内助の功も大きかったが、直接の子孫は、ドイツ帝国の崩壊、ヒットラーナチスの時代に、皆死んでしまったそうです。

 ここから292号を登る。すでにななかまどが紅葉し、熊笹との対比が綺麗である。草津白根山の湯釜の近くまで日光白根山と同じタイプのロープウエイがあります。
途中、硫化水素を含む水蒸気を噴出しているところなどもあり、面白い道でした。

 渋峠は、国道で日本最高点とかで、その碑も立っています。
残念ながら、霧で遠くは見えず、さらに進むと渋峠ヒュッテがあり、日本最高地点のパン屋と称してパンを焼いています。

ここでコーヒーなど飲み一休み。親子の夫婦と小学校前の孫とシベリアンハスキーがいたが、就学したら大変だろうと思う。小沢正爾と撮った写真などもあった。

ここは昭和30年代に出来たらしく、当時は馬で峠を越したといいます。草津ー湯田中ー小布施―長野などのルートもロマンチック街道であっても良いと思いました。

               

                     日本国道最高地点の碑

 戻って、湯釜に行くも湯釜の水も霧で見えません。この一帯は、昭和になっても噴火があり、溶岩が露出した斜面も多い。途中、高山植物も幾つかあったが、オヤマリンドウが咲き始めていました。戻って、道路の反対側の弓池に行くと、霧が風で払われてはまたかかると言う幻想的な風景でした。

 草津の宿は、ネットで予約した山本館という旅館。来て見たら湯畑のすぐ前の江戸時代からの古い旅館である。

                

                     草津温泉(正面が山本館)

挨拶に来た仲居さんは、茨城の大宮の出身で、水戸の高校を出て、結婚したが仲居がやりたくてここに来たと言う。自分の方が単身赴任だと笑っている。
ここの温泉は白根の源泉から直接引いた掛け流しで最も薬効があると宣伝する。町営の湯では何処が良いかと聞くと、最近出来た地蔵の湯が良いと言う。

晩飯は、何時もの旅館の料理。和室を改造して椅子席とした部屋で、白布温泉の西屋などと同じやり方です。最近は、このような所が増えてきました。

 夜、娘と地蔵の湯まで行って見る。入り組んだ町で道路に標識が埋め込んであるが、名前の由来の地蔵尊の道路を工事中で通行禁止の札がかかったロープが張ってあり、これを乗り越えて地蔵さんにお参りをして入湯。

ここは大きな建物で、半分以上が時間湯と言い、湯治の設備となっています。我々が入る方は、細長い10人位しか入れない板の間の浴室である。那須の鹿の湯の湯船を一つ持ってきた感じでした。

何し負うPH2.5の酸性硫黄泉で、しかも温度は43度位あります。

 帰りに道を間違え、あちこちと歩き回わったが、夜の湯畑は風情があります。帰ってそのまま寝て、3時近くに旅館の風呂に入ったが、ここのお湯も中々良い湯でした。

(この日 194km)

(アルバムその2)

 法師温泉から草津温泉まで 次のURLをクリックしてください

    http://www.imagegateway.net/a?i=JmJhfXV3r4


(第三日 9/24日)

草津―白根山―赤城山―帰宅

 朝、5時ごろ起きて、また温泉に入るとなんとなく胸焼け。湯当りという奴か?8時が朝飯と言うので散歩に出ると天気は昨日と打って変わって快晴です。

湯畑を囲む石の柵の石柱にここを訪れたという有名人の名が刻んであり、日本武尊から始まり、源義家、前田利家、佐久間象山、藤田東湖もいる。明治の文人も多い。

ここもまた、もう一度来て見たい温泉です。

 飯を食って、これなら、もう一度、湯釜に行こうということになった。雲ひとつない292号線を上る。もう少し遅ければ、紅葉がすばらしいだろうが、車も増えて混雑するだろう。
この道路が開通して、年間250万台の車が通ると言う。険しい山を切り開いて作った道であり、修復にも金がかかるでしょう。これこそ、通行料をとっても良い様な道でした。

湯釜の大きな駐車場は、すでに来るまでかなり埋まっている。登る道は行列をなしている。釜の水は、青みがかった白で黄緑色の硫黄らしいものが筋をなして浮いている。
たぶん硫黄らしいが近くにいた案内人の青年に聞いて見ようと寄って行くと、周辺の山などの説明もしてくれた。

                

                        草津白根山湯釜

今日はつきに一度歩かないかの好天で、アルプスから反対の赤城、日光連山まで見える。前方溶岩の向こうは切り立った崖で草津の町まで良く見える素晴しい眺望ですよと言う。

しからば行かずばなるまいと片道1kmほどの溶岩の中を行くと、かなり、風化も進んでもみやななかまども生えてきており、オヤマリンドウなども沢山ある。途中の小さな池には鳩などもいた。
小さな祠があり、その先は草津の町が良く見える。

 10時過ぎに、ここを出て、旧292号線から県道55号に入り、六合村に入りすこし行くと暮坂峠があり、山牧水の碑がある。彼は、この街道筋を草津に抜けました。

さらに、国道353号線(長野街道)を進み、利根川を越え、赤城山の麓で353号より山側を走るからっかぜ街道を山腹を廻るように進み、県道4号線から、大沼に向かいます。

353号を抜けた辺りから、ガソリン切れのランプがついたが、50kmは走るだろうと進んで言ったところ、4号線ののぼりが渋滞で、沼まであと少しのエネルギー資料館に着き、ガソリンスタンドの在り処を聞くと、大沼周辺には無いと言う返事です。

やばいので、10数km引き返し、給油して飯を食っていたら2時過ぎになってしまった。しかし、折角来たのだからと、上って大沼に着き、赤城山神社を参拝した。大沼には、鯉やウグイが沢山泳いでいる。帰りは県道16号を降りてきたが、これがまた狭い道です。

ようやく、353号に出て、赤城の電力中央研究所の前を通り、50号に出て、水戸まで進み、水戸から高速で帰った。結局、8時過ぎになってしまいました。

(この日 330km)総行程782km

(アルバムその3)

 草津から赤城まで 次のURLを見てください。

     http://www.imagegateway.net/a?i=p7JnMJxnTo


旅行記について

 今回の3回の旅行記は、茨城から奥日光に友人と行った旅蓼科から安曇野、長野、草津と行った旅、そして、日光から法師温泉、榛名、草津、赤城と家族で行った旅をつないで見たものです。

残念なのは、292号の湯田中から志賀高原、渋峠、草津のルートが雨であったことです。

名古屋在住時に、日立に帰るのに、糸魚川経由や新潟経由、中央道など色々な道を通り、上田、小諸、軽井沢なども行きましたが やはり、ルートと目的を決め、一人で旅行するのが旅としては一番ですね。