ゴルフの賭けアラカルト                  

 

 ゴルフと言う競技が日本に来てから、100年以上の月日がたち、その間、日本人が考案した賭けは、あらゆる形態がある。小生が、実際にやったもの、聞いたものを述べて、諸兄の参考としたい。

狭義の競技のゴルフは、プロの競技、クラブコンペなど技を競うものでしょう。我々のゴルフは、狭義の競技ではなく、協議の競技といった場合が多いのです。

何を協議するのか?勿論、ゴルフ!!と言う人もいるでしょうが、ハンデキャップでもあり、賭けのルールでもあります。

 以下に書いた賭けは、適正なハンデキャップを協議で決めて行うものです。一応、或るハンデキャップのもとで行われることが前提です。競技はこの段階から始まっているのです。

1. 勝ち負け

単に18ホールの総合計での勝ち負け

2. タテ、ヨコ、郵政省

タテとは、ネットのスコア、ヨコとは、各ホールの勝ち負けの合計をかけるのですがですが、郵政省とは、マークにちなみ、タテは1枚、ヨコは2枚賭ける事。(郵政省もなくなりましたがーー)

3. ナッソー、ショートコーナー、ロングコーナー

ナッソーとは、例えば、ハーフ毎に10枚、合計で10枚と賭ける

ショートコーナーとは3ホール毎に5枚賭けるというやり方

ロングコーナーとは6ホール毎に5枚と言う風に賭ける

ナッソーでは、前半10枚、後半20枚、合計10枚と言うやり方もある。これだと、前半ぼろ負けしても、後半で、勝てば、トータルチャラとなる。

4. 焼き鳥、すっ飛び、また上げ

焼き鳥とは、一回もオナーを取らないこと、すっ飛びとは、パーを取らないこと。全員がいずれかをやれば、また上げで、そこから、再度、スタートする。(元は、麻雀の賭けです)

5. スネーク、エイズ

スネークは、3パットを足していき、ハーフの最後にやった人が、3パットの合計分を払う。

エイズは、3パット、OB,池、バンカーなどを足して、3ホール毎に最後にやった人が払う。

6. オナーフェアウエイキープ、星の王子、どら息子、金玉、割れ目

オナーがフェアウエイをキープしないと払う。

一人だけキープすればもらう。

一人だけはずすと払う。

4人のティーショットで両サイドに打った人が、内側の二人に払う。

3人でやる時は、割れ目と称し、両サイドが真ん中に払う。

7. 芋ずる、ドンドンパッパ、丸A,一コロ

3456と言う風になったとき、6は3に3枚、5に2枚、4に1枚、払い、5は6から1枚もらい、4に1枚、3に2枚払う、したがって、3は6枚もらい、4は2枚もらい、5は2枚払い、6は6枚払う。(いもづる)

4455などとなった時は、5は4に払う、即ち、4は2枚もらう。(どんどんぱっぱ)

3444などでは、3が各人から1枚ずつもらう。(丸A)

4445となったら、5が各人に一枚ずつ払う。(一コロ)

8. ピンポンパン

先のせ(ピン)、先いれ(ポン)、勝ち負け(パン

9. ベスト、パーベスト

そのホールでの最も良いスコアの人がもらう。(ベスト

パー以上でないと、ベストとしないのがパーベスト

当然、強い人が勝つので、ハンディキャップをつけること。

10.湾岸戦争

2番目(場合によっては3番目)にティーショットをする人が、サダムフセインとなり、残りの三人の平均と勝負する。付加ルールとして、国連決議(3人で組んだ方が、このパットが入ると勝つと言う時、遠くてもOKを出す)海部首相(一人でダブルスコアー以上叩いて負けた時、その人が海部首相となり、戦争の費用を一人で負担する)などがある。(湾岸戦争の後ではやった)

11.その他のお遊び

   混浴(同じバンカーに入ったとき後から入れた人が前の人に払う。3人目は倍払う)  

ムツゴロウ(バンカーからバンカーに飛び跳ねる)

きつつき(木に当った音の数だけ払う)

後家殺し(ホールの周りを球がかすって入らなかった時)

ノンズロ(エッジから直接入れる)

お釜(人の玉に当てる)

12.臍天

グリーンに乗った時にボールマークが上を向いていると、もらえる。

下手な代議士などとやる時、代議士よりも先にグリーンサイドに行っていて、「先生、臍天です」と言って、賄賂を払うのだそうだ。

13.茶店前

茶店の前のホールで最後にホールアウトした人が茶店の費用を持つ。

   付加ルールとして、払う人が、相手の希望とは別の一品を強制的に飲ませる事もある。

14.ドラコン、ニアピン、バーディー、イーグル、ホールインワン

   決めておいた方が良い。(決めていて、ホールインワンが出たこともある)

15.烏賊、蛸、蜻蛉

   要するにダブルスコア以上叩いたら、ペナルティー。足が一本増えるごとに枚数を増や

   す事もある。

16.オリンピック

   おなじみのダイヤモンド、金、銀、銅、鉄の基本ルールのほかに、下記がある。

   グランドスラム(チップイン、金、銀、銅、鉄)、スラム(金、銀、銅、鉄) ジョーカー入りスラム

   (チップインをジョーカーとして使ってよい)  

   淡谷のり子――カラーに止まった(とめたと見なされる)時、1枚はらう。(鉄でチャラ)

   住友商事―――銅で3パットした時、2枚ずつペナルティーを払う。(昔、住商は銅の先物で損した)

   くず鉄――――オリンピックには鉄はないというやり方もある。

   4カード、5カードーーー同じものを4枚で2倍、5枚で3倍(ポーカーから)

      この支払い方法として、4カード(例えば鉄)が出来た次のホールで、相手3人の

      パット数の合計と自分のパット数の差を払うというやり方もある。銅ならば続く2ホー

      ルでやる。ホール数が不足なら、2倍払う。

フルハウスーーー同じものを3枚と2枚で2倍

逆オリンピックーー金で3パットなら1枚、銀なら2枚、銅なら3枚、鉄なら4枚払う。
               (これは、非常に大きくなる)     

17.OBデリバティブ

   OBばっかりやる人を反省させ、勇気付けるルール。例えば、5OB以上なら、1OBに付

   き10枚もらい、以下なら、少なかった1OBに付き10枚払ってやる。

   付加ルールーーもし、こちらがOBすれば、相手のOBと相殺する。

   シングルとは、パーの数で、へぼとは、トリプル以上の数でやったら面白いかも知れない

18・お友達、

   
打順、あるいは、左右で組んで勝ち負けを決める。

   ハーフに一回、自分が打つ前にリーチをかけることが出来る。これで2倍となる。

   ホールのパーの数(ぱー4は4枚など)、或いは一人から2枚ずつもらうなどのルールもある

19サンタモニカ、モンテカルローーーラスベガスの手前と言うことらしい。お友達と同じ系統

   様々な付加ルールがあり、よく確認した方が良い。

  組み合わせーー一般には、打順の1−4、2−3、左右と言うのもある、また、ビリが選択できると言うのもある。これをハーフの3ホール毎に変えてやるというのもある。

   リーチーーーハーフに一回、自分の打つ前にかけられる。これで倍になる

   勝敗―――一般には二人の足し算だが、掛け算と言うのもある。

           バーディを出して勝てば、2倍、負ければ2倍(あるいはチャラ)もある。

           二人パーなら、二倍ということもある。

   ハンデーーー腕に差があるとき、ハンデを与えることもある。

   同点は持ち越すが、組み合わせは変わらない。君はこれを数学的に証明できるかな?

   最近のルールとして、全てのホールを4枚とし、2枚は、ベストを取った組、2枚は、合計

   で勝った組とするというのもある。これだと、比較的平均化して差ができない。

20.ラスベガス

1−4,2−3で組み、二人のスコアを小さい方を頭にして二桁の数字とし、差額を払う。二桁も叩いた時は、9とするのが一般的。バーディなら、相手の数字を逆にする。

付加ルールにも色々ある。

リーチーーーサンタモニカと同じ

持ち越しーー一翻(2倍)となる。

二人ともパなら一翻(2倍)、バーディ、パーなら、ひっくり返して2倍、二人バーディなら二翻(4倍)

(たとえば、2ホール持ち越し、パー5に来て、二人リーチ、この組が45、相手が75であるとしたら、(75−45)*4*4=320枚となる。)

へぼが入ってこのルールでやると、うまい人がへぼにハンデをつけるからやろうといっても甘言に乗らぬこと。(組むのは、へぼとうまい人であり、へぼでもパーを出す(すなわちバーディ)事もあるのだ)

ラスベガスで名人を勝たせない方法。パートナーがダブルスコア以上を叩いたらそれがすべてに優先すると言うルールを付加することである。(パー5で、名人4、へぼ11、こちら66とするとへぼが優先ゆえ、バーディも消えて相手は、114となり、こちらは66で大きく勝つ、ただし、へぼが自分と組むこともあることを忘れないで!)

ラスベガスをやる時は、レートを0.3−0.5位とするのが良い。ただし、うまい人は必ず勝つ。

21.オネストジョン

   はじめは、申告値に一番近い人ということだった。(紳士のスポーツである)

   しかし、けちな野郎が、後半で調整するなどがあったため、隠しホールがつくられるようになった。
   現在では、ハーフに隠しホール二つ、アンダーは資格なしというのが標準で
ある。

   今までは、隠しホールは、阿弥陀で決めていたが、最近は、10面体のさいころで
各人別に決めたりもする。
  (ゼロが出ると、本人が好きなホールとするか、別の人が決め
るかする)

   しかし、このようにしても、上位のハンデの人が有利である〔調整しやすい〕。このような調整をする人は、
   大体、けちであるから、オーバー1打2枚、アンダー1打10枚位とす
ると、アンダーがいやさに正確な数値を
   申告するであろう。

22.一発逆転――プッシュ

   最終ホールで負けが目に見えた時、相手とそのホールで勝負する。勝てばちゃら、負ければ、2倍。

23.ひも

   ハンデに応じた長さの紐を各自が持つ。(たとえば、H10=1m、H36=3.6m)
   この長さ
だけ、ボールを移動できる。
   ただし、移動した長さだけ無効となっていき、次のホールは
残った分から、必要な分を使える。
   (
H36の人がOBラインから50cmの玉を、無罰で戻せば,残りは、3.1mとなる)ハンデをもらって、
   ラスベガスなどやっていると、パーオ
ンして権利を使うとイーグルとなってしまい、ボロ勝ちすることも可能。

24.竿一

    旗ざおより遠くのパットを、竿一と宣言し、1パットで入れれば、もらい、3パットすると払うのであるが、
    最近のルールとして、ハーフで二回竿一と宣言せねばならないというルールがある。

    竿一といって、1パットで入ればもらい、3パットすれば払う。

    もし、残りホールが無くなって竿一の宣言ができなくなったら、ペナルティを払うというもの。

25.ショートホールは日本語のみ。

   ショートホールについてから全員がホールアウトするまで、一切の英語は使ってはいけない。
   使ったら、一言毎に1枚ペナルティーを払う。

26.さいころ、あみだ 
    へぼの救済。集計が終って最後にへぼにさいころを振らせ、1なら一枚100円、2なら20円、3なら30円と
    言う風に決める。(丁は100円、半は50円もある)要は、負けを納得させる儀式。あみだでもよい。

   勝った方は、収入は減るがより優越感を味わえる。

その他、まだまだ色々とあると思います。あったら教えてください。

 

 賭け事は、長期的には、「胴元」、「うまい人(強い人)」が必ず勝つ。「胴元」のある賭け事は、時々、遊びでやる以外は、やらない方が良い。

したがって、一般の賭け事で勝つ基本は、「下手な人(弱い人)」とやることであるが、これでは、嫌われる。

然し、そもそも、うまい(強い)と言うことは、それまでに何らかの投資をしているのである。

うまくなり、強くなるためには、「相手の実力と心理を早く的確に読み取る」「ここが勝負と言う勝機を掴み物にする」為の力を養うことである。

「負けるからやらない」「勝てない相手とはやらない」のいずれも面白くない。

ゴルフは性格が出ると言う。いわんや賭けが絡むと余計に良く分かる。気をつけてください。