パソコン自作の為の基礎知識(2)

                   箱の中には何がある?

 

 私達が使う情報機器で、モニターを使うものは、携帯電話、パソコン、テレビの3つです。
携帯電話もテレビも本体とモニターは一体で、外部機器との接続端子も限定されています。

しかし、パソコンの場合、形状も様々な上に接続される機器と、接続端子が色々有ります。
しかも、わずか10数年で、ハード、ソフトともに、急激な進化?を遂げてきたので、今、貴方が所有しているパソコンで何が出来、何が繋げるかを知っておく必要があります。
メーカー製のパソコンなら、型式と製作年が分かっていれば、専門店に聞けば、殆どのことは教えてもらえるでしょう。

問題は、何をどう聞くかと言うことです。的確な質問をしないと的確な回答は返って来ません。

 パソコンは、ブラックボックスでは有りません。たまには箱を開けて中を掃除しないと塵だらけになっているかもしれません。

                                         
            PCの側面                       PCの内部

 これは、居間で使っているPCの側面です。CPUを過負荷にして使ったりするので、放熱の為、側面に穴を開けFANを付けています。

箱を開けると電源をばらして、引っ張り出した100Vのソケットなどもあります。HDDや読み取り装置は2台ずつ入っています。一般にはこんな必要はありませんが、これが遊びと言うものです。

1. 電源

 ノートパソコンでは、家庭用電源からの入力は、別置の電源です。そして、問題は持ち歩く時のバッテリーです。中古のPCを買う時、これが劣化していると充電機能が落ちていて、途中でバッテリー切れとなります。これは、店に聞いても分からない場合が多いのです。

 デスクトップパソコンで、電源は他の部品が小型化されていく中で、唯一、小型化が難しい部品です。
それは、演算速度を上げるため、周波数が高くなり、中央演算装置(CPU)、ハードディスク(HDD)、ビデオカード(VGA)など電力の消費量が増えたためです。

パソコンを自作や、内蔵HDDを増設したりする場合、電源容量を確認する必要があります。容量がぎりぎりの場合、起動時の突入電流で、起動が不安定になることもあり、注意が必要です。

                                        
         
10年ほど前の電源(100W級)と今の電源(500W級)

2. メディア読取、書込装置(CD/DVD−Rなど)

 最近のPCでは、フロッピーディスク(FDD)は殆ど付いていません。USBなどのメモリー置き換えられてしまいました。

CD/DVD−Rなどは、巾が統一されており、厚さが薄いスリム型が多く用いられるようになってきました。この分野は、大容量化と高速化が技術の基本で、大容量化には、メディアの進歩(CD−DVD−ブルーレイ)、高速化はそれぞれのメディアの読み取り、書き込み技術です。

 速度が速くなってくると、PC本体との伝送速度が問題となってきます。

最近では、従来の読み取り規格IDE(ATA)からSATAという高速のものに代わりつつあり、両者のソケットが違うので注意が必要です。

            

                   DVD−Rとフロッピーディスドライブ(FDD)       

3. ハードディスク(HDD)

 磁気記憶装置で、一枚のフラッター(円板)上にどれだけ高い密度で記録できるか、また、どれだけ速い速度で読込、書込が出来るかが技術の基本です。
これもまた、サイズが、3.5インチと、2.5インチに統一されており、ノート型には2.5インチが使われています。

HDDも伝送速度が問題となり、IDEからSATAに変わってきており、ソケットの違いに注意が必要です。

          

             古いHDD(IDE)と新しいHDD(SATA) 手前の端子が違う

4. マザーボード(MB)

 幾つかのサイズの規格がありますが、ディスクトップPCではインテルが提唱したATXと言う約300×250mmの物が主流です。
この上に、CPU,メモリー、チップセット、VGAカードなどが配置され、計算機能をつかさどります。
高速化、多機能化に伴い、時とともに変化し、MBに取り付けられる部品もまた変化してきました。

自分のPCのMBの仕様を知ることが、そのPCの機能の限界を知ることと言ってよいでしょう

                   

                 マザーボードの例

ここでは、MBのことまで詳しく触れませんでしたが、パソコンは基本的に以上の4つの部分で箱の中は成り立っています。(MB上の部品は、別途、お話ししましょう)

 

(追記) CD−RやHDDの厳しい商売

 これらの機器は、寸法が統一され、回転数も決まっています。したがって、メディアやフラッターが進歩し、それを読み書きする技術、速度が製品の価値を決めることになります。
しかし、同じ事をやっていたのでは、中々、勝てません。HDDの場合は、大容量化と信頼性が問題で、CD/DVDなどは、新しいメディアでの新製品が問題です。

したがって、開発速度と先行性が重要です。これらの製品の価格は、モデル的に書くと、次のように急速に変化してきました。数年で次のサイクルの製品に変化していくのです。
これを見ると、先行性と量産が商売の基本でしょう。

次々と新製品を開発して、販売していかないと、現在の会社の規模すら維持できないと言うことになります。

                       

             パソコン部品のライフサイクルの例

HDDの1TB(テラバイト)、読み書き装置のブルーレイの後は何が来るか、これで進歩が終わりかは大きな問題ですね。