パソコンを早くする?(その4)

 パソコンの中が良く整理整頓されています。それでももっと早くしたいというのであれば、パソコンがどのような仕組みで動いているかの概要を理解して、早くする為の作業を行う必要があります。
ここでは、その概要を素人なりにやってきた経験から書いてみます。

これらの操作は、パソコンの購入直後でも可能です。と言うことは、買った時にやれば、その状態よりも早くなるとも言えるのです。
しかし、パソコンの中に手を突っ込むことになるので、自己責任でやると言うことになります。

1.BIOSの設定

 パソコンのスイッチを入れます。BIOSが起動し、HDD内のデータをOSに従って駆動します。まず、ここまでの中に早くできることはないかと言うことです。

1)  BIOSHDDのデータを読みに行きますが、それが一番最初になっているでしょうか?

今では殆ど使うことのないFDD(フロッピー)などを覗いて、CD-なども見て、それからようやくHDDを読みに行っていないでしょうか?

最初に読むのはHDDと言う設定にしましょう。

    

          バイオス設定(First Boot はHDD)

今では、FDDなど使わないので、外してしまうことも可能です。(小生の場合、DSP版のWinXPをFDDと一緒に買ったのでつけていますがーー)

また、可能なら、CD−Rなども、パソコンにeSATAの変換ボードをPCIスロットにつけ、SATA接続にするか、USB接続にして外付けCD/DVDなどにしてしまうことも可能です。
(ここまでやる必要も普通はないのですがね)

2)  これはメーカー製のPCでは、出来ないと思いますが、自作やBTOの場合のMB(マザーボード)にはCPUのオーバークロック機能があるものがあります。

ここで、CPUを5%ほど、オーバークロックしてみましょう。この程度であれば、大抵は可能です。

         

   オーバークロック(CPU HOST Frequency 200とあるのをアップする)

3)  マザーボードの機能として、メモリーチェックや使わないRaidやPortなども起動しますがこれらを起動しない設定にします。

これらの操作では間違いもあるでしょう。BIOSを出荷時の設定に戻せば、大抵は元の状態が復旧できます。出来なくなったらどうするか?

マザーボード上のジャンパーピンをショートしてクリアーできるのですが、メーカー製ではどうなっているか?
 心配なら、せいぜい2)までに止めて置きましょう。

2.起動直後の高速化

 BIOSの画面が出て、チラッとポートやハードを示す画面が出て、Windowsのロゴと起動待ち受けのバーの中で緑色の四角は移動して、次に暗証番号の場面が出て、暗証番号を入れると、「ようこそ」の画面が出て、ようやくデスクトップ画面が出る。

しかし、それが出てマウスをショートカットアイコンの上に動かしクリックしても動かない。

背後でまだ色々なプログラムを準備中でCPUに大きな負荷がかかっているからです

ここまででやれることは、次のようなものです。

1)  Windowsロゴなどは不要、消してしまえ。

 スタート→ファイル名を指定して実行をクリックし出てきた画面に「msconfig」(括弧は不要)と記入して「OK」を押す

             

                ファイル名を指定し実行

開いた画面のBOOT.INIを開き、NOGUIBOOTにチェックを入れてOKを押す。

         

                   □にチェックを入れる

「システムの構成を有効にする為には再起動をする必要があります」と言う画面が開くので再起動」をクリックする。

再起動後に、デスクトップが開くと次の表示が出るので、にチェックを入れて「OK」を押すと有効になります。

             

                  □にチェックを入れOKを押す

2)  暗証番号もこのPCは俺しか使わないのだから不要。これも省略。

 1)と同じく、スタート→ファイル名を指定し実行を開き、「control userpasswords2(括弧不要)と記入し、OKをおすとユーザーアカウントの画面が開きます。

この画面の「ユーザーがこのコンピュータを使うにはユーザー名とパスワードの入力が必要」のところの□のチェックマークを外すと、自動ログオンの画面が出ます。

           

          ユーザーアカウント(□のチェックマークを外す)と自動ログオンの画面

 自動ログオンの画面には、ユーザー名の欄には、実際に使う人(この場合は,y−kashima)を記入し、パスワードなど要らないので記入せず、OKを押すと完了です。

3)  時間が長い。普段使わないのに、勝手に背後で動いているスタートアップやサービスの動作を止める。

 実際にパソコンを使う場合、デスクトップの画面が出たといって、すぐにショートカットアイコンをクリックしても、中々、ソフトが開かないものです。(小生のように、沢山のソフトをインストールしている場合)

これは、完全に起動するまでに、背後で、タスクバーなどにある様々なスタートアップ項目やサービスソフトが勝手に動いている為です。

小生のメインのパソコンでタスクマネージャーからCPU使用率の履歴を見るとデスクトップの画面が開いた直後には、CPUの使用率が極めて高く、この段階では、他のソフトを起動させようとしても安定して開かないのです。

この間、20秒以上もあるでしょうか?

これが長いと、とパソコンを開いても動かない言うことと同じで、本当の起動までの時間が短縮されたことになりません。

       

               画面が開いた直後                  やっと皆終った

これを短縮するには、背後で動いているソフトなどを、シャットダウンしておく必要があるのですが、これが格納されている場所や形態は色々あって、素人の我々には、かなり困難です。

いったい、何処に何があって、どうなっている?これの概要を書いてみましょう

 task bar→後から入れた色々なソフト(勝手に起動する)

 msconfigスタートアップ       ここに登録されている項目

        →サービス          ここに登録されている項目で実行中のもの

 Control panel管理ツールサービスショートカット   ここの登録されているサービス

 更に、Registryの中

基本的には、これらをいじるとかなり危険ですのでやめたほうが良いでしょう。CPUが2GB、メモリーも1−2GBあれば、一旦立ち上がってしまえば、3Dゲームや動画などをやらない限り、使用中の重さはあまり感じないはずです。

もう一つ問題なのが、ウイルスバスターなどのウイルス対策ソフトです。パソコン起動時に、これの起動にかなりの時間とメモリーを食います。毎年、改善はされていますが今一歩の所があります。

 

3.使用中の問題

 バックで大きなプログラムなどが動いていない限り、大抵の場合、あまり問題はないはずです。

3Dゲーム、動画、ワンセグ、などを楽しくむと言うなら、それにあったパソコンが必要ですから、ここに書いても仕方がありません。

問題は、二つあります。

1)  ADSLの送受信の速度が遅い。何とかならないか?

  私の家などは、NTT局から4kmも離れた通信線の末端です。どんなADSLでも減衰が大きく、送受信の速度は大差ありません。

一方、NTT東が送り出す、通信の単位(MTU=maximum transfer unit)は1454バイトです。これを受けるパソコン側の受け皿の大きさ(RWIN=recieve window size)は設定で決まっています。(MTUの10〜200倍??)

この大きさまで、受けると「受けました」と言う返事を返し、次の通信を受け取る訳です。送ってくる速度が遅ければ、これが大きすぎるのも問題です。

こちらの大きさが、送受信の最適化に影響してきます。果たして、効果があるかは疑問ですが、次のソフトを使ってみています。

      Doctor TCP

           http://www.dslreports.com/front/drtcp.html  (DSL Report Com)

              

                 Dr.TCPの操作画面(とりあえずrwinとMTUのみ指定)

ADSLでは、時々、不安定になったり遅くなったりしますが、モデムの電源を切って、10秒ほど待って、入れると
大抵は元に復帰します。面倒なので、モデムとルーターの電源はスイッチつきのコンセントに別につなぎ、入り切り
出来るようにしました。

 貴方の家が、NTTの基地局に近いとか、光を入れているんだと言う時は、あまり問題にならないと思いますが、たとえ光であってもrwinなどの設定を見直すことで、速度はもっと上がるかもしれません。

2)  幾つかのソフトが同時に動くと速度が遅い(不安定)

  これは、CPUメモリーが十分ならあまり問題にならないでしょう。しかし、これらが不十分な時、OSウイルス対策ソフトがバックで自動的にアップデートなど始まると、問題が起こるかも知れません。

これは基本的にはパソコンのハードに関係しますから、作業をもっと快適にと思うようになったら、買い替えの時期かも知れません。現在、一世代前のDDRメモリーは供給量が少なく、価格は、主流のDDR2の2倍以上します。
から、増設については、検討が必要でしょう。Dual Channelという、2枚のメモリーを分割して使い、速度を上げる方式のマザーボードの場合、安物のメモリーでは相性の問題で上手く動かないかもしれません。

 

以上幾つかの問題点で経験したことを書きました。

これ以外に、以下を整理整頓すれば軽くなるソフトなどは次の中にあるかもしれません。(起動しない限り動かないので早くとは行かないでしょうが)

 Control panelプログラムの追加と削除

 スタート全てのプログラム各プログラムの削除情報(プログラムによっては、こちらから削除する必要がある)

 ローカルディスク→さまざまな個別ソフト/フォルダーとProgram FilesやProgramsの中のフォルダーほか

 マイドキュメント→ダウンロードしたり保存した様々なデータ、ソフト、圧縮ファイルなどなど

最後は、データは別のメディアに入れる、余計なソフトは消すと言う整理整頓が大切と言うことになります。
これらを整理するフリーソフト(例えば、デーモンバスター)もあるので、自己責任でやってみることも可能です

 今の小生のメインマシーンは起動スイッチを入れると、チラッとマザーボードに関する画面がでて、後は黒い画面で沈黙。一寸してデスクトップ画面が開きますが、果たして動いているのと?と心配になります。
ロゴくらいは出ていたほうが良いかも知れませんね。

 (追記)
 最近、新しいフリーソフトで、Comfortable PC v2.5.1があります。これですと、レジストリの変更まで含めて高速化を試すことが出来るようです。ADSLのMTUやRWINも測定します。今まで、他のプログラムでやったことが
かなりこれ一つで出来ますが、ダブってしまうので、まだ、使っていません。ネットで見ると、かなり頻繁にヴァージョンアップしているので、使用される頻度も高いのでしょう。

        PC Comfortable V2.5.1 
        http://pc-zero.jp/        (PC ZERO)

このようなソフトを使う時に注意すべきは、設定項目を良く見て、たとえ、msconfigなどですでに設定してある項目でもチェックを入れておかないと元に戻してしまうかもしれないと言うことです。