「子」

      くだらないことですが調べてみました

 その昔、女の子の名に、とつくのは、建礼門院徳子とか北条政子などの如く高貴な身分の女性であった。

江戸時代まで、ほとんどの女性の名は、千代とか伝とかで上に「」をつけて、お千代とかお伝とか言われてきたものである。

 明治になって、庶民も上昇志向になり、都会では、とつけるようになったらしい。

田舎では、昭和まで必ずしもとつけるのは一般的ではなかった。

親父の兄弟姉妹は大勢いたが、叔母は上から「いち」「ふく」「みよ」「よね」と来て、さすがにこれで打ち止めということで最後の叔母は「せつ」となったのであるが、さらに最後の叔父が生まれると、本当に打ち止めということで「」と言う名をつけた。

お袋の方は、東京であり、皆「*子」とついている。

 このように、都会では比較的早くがついたのであるが、田舎では昔からの名と混在してきたようである。
戦後は、田舎でも「」がつく名が増えている。中学の同級生の名を調べてみたら、がつくのが22名、つかないのが12名であった。

ただし、とついても、その上は、「てる」「はな」「さち」など単に昔の名の下にをつけたというものが多かった。

これらは、昭和10年代につけられたものであるが、その後、変化があるのだろうか?

 一般的な日本女性の名は、どう変化してきたかと言うことで、平均的日本人なら誰でも聞いたり、歌ったりしたことのある女性演歌歌手の名を調べてみた。

まずは、美空ひばり、島倉千代子と昭和30年代の歌手から始まるが、ヤフーにある歌手の名前を並べてみると、がつくほうが若干少ないようである。

      がつかない             「がつく

      石川さゆり                 大月みやこ(?)

      川中美幸                  大沢桃子

      金田たつえ                 五代夏子

      河野夏美                  小林幸子

      香西かおり                 小桜舞子

      坂本冬美                  島倉千代子

      笹みどり                  水前寺清子

      白鳥みづえ                 竹川美子

      ちあきなおみ                多岐川舞子

      天童よしみ                 橘麻衣子

      長保有紀                  中村悦子

      中田真理亜                 長山洋子

       畠山みどり                 藤あや子

      日野美歌                  松山恵子

      都はるみ                  森昌子

      美空ひばり

      水田かおり

      八代亜紀

 

演歌の世界は、若者が対象でないからかもしれない。 現実の世界では、今20代以下の名で、「子」がついているのは少ないのであろう。

最近では、「」「」「亜衣」などの活躍が目立つ。名前に使える漢字の数も増やされてきた。読みにくい名前をつけるのも考え物だと思っていたが、最近、そうでもないような気がしてきた。

 ところで、苗字のほうはどうなのでしょうか?明治になって、勝手につけたのでしょうか?

子供の頃、田舎では、「水車」「瓦屋」「鍛冶屋」など職業で呼ぶことも多かったのですが、常陸の国では
1843年に次のようなお達しが出ています。

 

 「位牌、石碑に限り、苗字認め候儀、御免相成候。孝道へも拘り候ゆえ」