国家の存亡           

                   昔、考えた

 歴史的に、国家が生き残り、成長するには色々な戦略がある。

会社もまた同じで、これには近世の欧州各国の帝国時代に至る過程の歴史が教訓になる。

1.オーストリア、ハプスブルグ家の婚姻政策

 娘を沢山作り、有力な領主と婚姻関係を結ぶ。これによってドイツの小国であったハプスブルグ家は
 欧州最大のオーストリア・ハンガリー帝国となった。

2.ドイツ、プロイセン家の富国強兵政策

富国強兵政策で、軍備を拡張、周辺の国家を蚕食し、強力な参謀本部を作り、ナポレオンを、そしてオーストリア帝国を撃破した。

3.大英帝国のフロンティア(海洋)政策

 強国との直接の武力抗争は避け、競争の少ない新天地に進出、海軍力を強化し スペインを破り、海外 の権益を手に入れ、産業革命で大帝国を築く。

4.ナポレオンの天才的政策

 天才ナポレオンとフランス革命の民衆の活力が一致し、競争相手を撃破する。

これを会社の経営で考えると、急成長した会社には、ナポレオン的要素が大きい。

しかし、持続的発展の為には、1−3の政策もまた重要である。

は平和的であるが、結束力が弱く、分裂崩壊する危険性がある。

は闘争的で絶えざる膨張が求められ、時に破滅的な膨張に踏み出し破滅する。

はフロンティアがある間は着実に成長していくが、フロンティアがなくなると 無理をして破滅に至る。

は天才と民衆が離れてしまった時、破滅に至る。

これらのどれをとるにしろ、同じような政策を取る他者との間で優位な面がないと勝てない。

いかに婚姻政策を採ろうとしても娘がブスでもらってもらうのに莫大な持参金が必要では逆効果である。

周辺と絶えず争っていく為には強力な軍事力と優秀な参謀本部が必要である。

海洋国家も風任せではうまく行かない。産業革命のような新しい技術が必要である。

ナポレオンが勝ったのは、天才であることもさることながら、民衆が熱狂的について行き、兵力を一般人から幾らでも供給できた為でもある。

 

 歴史の中で、中国の春秋戦国時代、三国志の時代、元や明の国家統一、大和朝廷、日本の戦国時代、明治以降の日本、ローマ帝国、近世の欧州など様々な興亡があった。

製品や会社の興亡もまた同じようなものだと言えるだろう。

何の為にやっているかを皆が理解し、優れた何かがあり、優秀な参謀本部があって、絶えず新しい事に挑戦し、長期的展望で物事を進めねばならないと言う事であろう。 

そして、勝利したとしても、次は内部からの崩壊にどのように対処するかと言うことが待っている。戦後の日本はある意味で勝利者であったが、今は、内部崩壊の危機である。

60年ごとに繰り返される変動に耐えることが出来るだろうか。