強い、弱い」と「上手、下手

 会話をしていると、前後の関係からその人の言わんとしていることは分かるのだが、文章にすると一字の違いで違う意味になる言葉が多い。

「酒が強い」「酒に強い」とは言うが「料理が強い」とは言わず「料理に強い」とは時には使うこともある。「料理がうまい」というと二つの意味があるので。時には「上手い」と書く。

 勝負事の世界でも「強い」と「上手」の違いは微妙である。

上手強い」から「下手弱い」まで4種類の人間がいる。

囲碁や将棋の世界では、「上手」と「強い」はほぼ同じ意味だが、それでも「勝負強い」などと言う表現もある。

これが。麻雀やゴルフになると「強い」と「上手」の差は違った意味になる。この辺は、2人でやるか、4人でやるかの違いもあるのだろう。

3人でやるゲームが少ないのは、何となく2:1と言うのを人は嫌うのかもしれない。

2人でやれば優劣ははっきりする。技術面を精神面で補える部分が少なくなって、「上手」=「強い」に近くなる。

 しかし、4人でのゲームとなると技術面と精神面が微妙な絡み合いをもって勝負が展開していく。

これは、同じ位のレベルの人たちが戦っても、4種類の人間がいて、その中で微妙な違いがあるからであろう。

 ゴルフのように、「上手」が圧倒的に有利なゲームでは、ハンデキャップが設けられるから、下手でもそれなりに戦える。

麻雀では、「上手」「下手」もあるが、短時間の勝負では運が大きな要因となるから、結果は分からない。

しかし、麻雀では時間がたつにつれ、4人の間で、「強い」には「上手」が対抗し、一人が圧倒的に強い場面では、他の3人が対抗するなどという場面が出てくる。

ここに下手が入ると、場面も考えず自分勝手にやるので強い人が勝ってしまう。

本当に面白い麻雀というのは4人がそれぞれの場面で、組んだり離れたり、足を引張ったり、後押しをしたりして、終わってみたらほとんど差が出ず、儲かるのは麻雀屋のおばさんのみという勝負であると思う。

4人でやるゲームはたいてい賭をするので、別名を勝負事というのであろう。

上手」「下手」と「強い」「弱い」の違いは、簡単に言うと「ゴルフ」スポーツやゲームと感じるか勝負事と感じるかの違いであろう。

 ゴルフも健全なスポーツであるなどと言うが、最近ではほとんどのゴルフ場はカートにの乗って、玉の所まで行って(まっすぐ行く人は!)打つのみであるから、今のホールは、何枚勝ったと言う勝負事に変わって来た。スポーツなら、一人でやるべし