| 09年9月5日 | 死蔵切手がプレミア化！？ 大変動！ 切手相場最前線 | ||||||||||||
| ゲスト：なぎら健壱、みうらじゅん、鴻上尚史、勝田和宏（進行）、千葉晋一（解説） | |||||||||||||
| ある世代の大人なら、子どもの頃一度は呑まれたであろう切手ブーム。見返り美人などの有名切手にプレミアがついたものだが、当時四天王と呼ばれた切手も、物価の変化を考慮するとほとんど変わっていないという。見返り美人が18,000円、月に雁が25,000円。ビードロを吹く娘と市川雷蔵に至ってはそれぞれ2,800円、2,400円。最近の切手相場はこうしたものよりも他の種類が好まれているようで、今回はそんな最近の切手事情を調査する。 現在どんなものに価値が見出されているかというと、実は記念切手より普通切手らしい。一回刷って終わりの記念切手より、長い間刷られる中で変化が出てくるのが好まれるとのことだ。例えば銘版。1シートに1ヶ所だけ表示される切手の製造元を表すものだが、同じ図柄でもこの違いで大きく価値が異なるのだとか。たとえば、400円切手「天燈鬼」の銘版、大蔵省印刷のものと財務省印刷のものがあるが、財務省は3年間しか刷られなかった（現在は国立印刷局）ため、7,000円（大蔵省で900円）になるという。2円切手「秋田犬」も大蔵省で40円、財務省で2,000円。銘版と同様に注目されているのが、印刷に使用したインクの色と数を示すカラーマーク。500円切手「伐折羅大将」もカラーマークの違いで100,000円と6,000円（それぞれ10枚綴りのマーク付きでの評価）という開きになるらしい。愛好家の中ではそれぞれ正規版と複合版と呼んでいるそうで、複合版の方が高いらしいが、その具体的な違いは説明されても一同理解できていなかった。 ここで特別企画「切手じゃんけん」を開催。勝田とみうらがお互い価値の高そうな切手を出して、価値を競う。勝田は元切手少年ではないが、彼の父が切手少年だったとのことで、両親のアルバムを引っ張り出しての参戦だ。1回戦は勝田が「第20回国体記念」シート、みうらが「西周」。みうらは消印が押されていることが不利かと思われたが、局名や年月日が読めるとそれがかえってよいそうで、100円対2,000〜3,000円でみうらの勝利。2回戦は勝田が「三十六歌仙絵巻 伊勢」のシート、みうらが「乃木希典」で4,000円対2,000円で勝田の勝利。3回戦は勝田が「U小判切手 2銭 紅」、みうらが「昭和大札記念 大嘗宮」。先の戦いを受けて消印が綺麗なものを出してきたみうらが、100〜200円対1,500〜2,000円で勝利した。 じゃんけんでわかるように、最近は消印のある使用済み切手が注目されているらしい。例として示された「オリンピック東京大会募金 小型シート」もすべて消印が押されていて、かつシートが一枚欠損しているにもかかわらず、未使用6,300円に対して50,000円の価値があるようだ。「普賢菩薩」の使用済みも30,000円以上（未使用で400〜500円）。消印が真ん中に押されてはっきり残っていることに価値が見出されているとのことだ。もちろん消印は当時のものであることが必要なのだが、当時は当時で真ん中に押されるものは価値がなかったわけで、歳月を経て価値が逆転した、と言えそう。超高額のお宝切手も見る。「旧小判 30銭 明るい赤紫」は、図柄が同じでも目打ちが一つ違うだけで価格差が発生。10個でも22,000円だが、11個になると1,500,000円（現存数20枚程度）になるとのこと。「手彫切手 6銭 だいだい」も、図柄中の在庫管理の文字で価格差があり、「ナ」で5,000円、「ラ」で350,000円、「ヨ」で30,000,000円（現存確認枚数6枚）ということになるらしい。 最後に見るのが定常変種という印刷のかすれ、傷。新しいものなので高くて5,000円程度のようだが、いずれもニックネームがついており、千葉はその情緒に感心しているようだ。ただ、非常に細かいものであるため、ずっと見ていれば気が変になるのでは、となぎらが常人の感想を漏らしていた。 切手の世界は面白いなあ。集める気にはならないが、ちょっとした違いで価値が違うことや、昔は歯牙にもかけられなかったものが現在高価値というのはコレクター魂をくすぐるのだろうと想像され、その気持ち自体はわからんでもない。出演者の世代が一度は切手を通過しているせいか、過去の流行を念頭に置いた上で現在の事情に驚くさまがよかった。みうらがいるし、鴻上が「自分が呼ばれたということはエッチな切手だ」と冒頭述べたようにそちらの方向へ行くかと思いきや至って真面目に進んだのも意外でよかったと思う。細かい違いが老眼で見づらいというみうらのコメントが泣けた。千葉がもう少し声を張って聞こえやすく話してくれればなおよかったと思うが、小学生の頃からの筋金入りの切手好き、切手好きをこじらせていまの職場に居るような感じなのでしかたないか（偏見）。B。 安斎も元切手少年。お年玉で見返り美人を買ったらしい。
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