今回はクリスマススペシャルとのことで約90分の長丁場。パートも全部で3つと豪華な内容になっている。
まずはタモリの持ち込み企画「新幹線各駅停車うどんつゆの旅」。彼はうどんが好きらしいが、東京の濃口よりも地元・博多の薄口のほうがお好みの様子。そこで、東海道新幹線で少しずつ西へ向かいながら各駅のうどんを食してだしをとり、どこを境界にして薄口になるのかを検証する。
手始めに東京で食してからプリンプリンの待っていた新横浜へ。当然のごとく大きな変化はなく、次の小田原でももちろん変化はなし。しびれを切らした山崎の提案で一気に豊橋へ移動し、途中の駅はスタッフに任せることにする。しかしなおも変化せずにむしろ濃くなっている有様。変化のないままBパートへ(Aパート後半へ直接行くにはこちら)。
スペシャルBパートはこれまでの空耳ネタを一気に振り返り21世紀に残したい空耳を選ぶ「21世紀に残したい空耳大賞」。今回のゲストは安齋の読みによればクリスマスということでクリスペプラーに加えてマックス、ということである。苦しい。さて本編は古いものから年代順に名作を追っていく。オンエアされたのは以下の通り。
- ティアーズ・フォー・フィアーズ「シーズ・オブ・ラブ」
- ジョー・コッカー「ナイト・コールズ」
- セルジュ・ゲンズブール「風変わりな少年」
- クイーン「愛にすべてを」
- フィッシュ・ボーン「スイム」
- ジプシー・キングス「ベン・ベン・マリア」
- ペインキラー「処女のはらわた」
- アース・ウインド&ファイアー「ガッタ・フェイド・アウト」
- メタリカ「ブラッケンド」
- ホット・ブラッド「ソウル・ドラキュラ」
- ナジマ「パープル」
- ホット・ブラッド「ソウル・ドラキュラ」
- メタリカ「スルー・ザ・ネバー」
- クイーン「マイ・メランコリー・ブルース」
- プリンス「バット・ダンス」
- ルイ・アームストロング「ポルトガルの4月」
- アース・ウインド&ファイアー「サタデイ・ナイト」
- マイケル・ジャクソン「スムース・クリミナル」
- ガンズ&ローゼズ「ミスター・ブラウンストーン」
- ジョン・ゾーン「トゥ・ミー」
- ヴァイ「サヴァイヴ」
- ガンズ&ローゼズ「ダウン・オン・ザ・ファーム」
- ザ・プロディジー「ラフ・イン・ザ・ジャングル・ビジネス」
- ヨーロッパ「チェロキー」
- フェイス・ノー・モア「カラーリョ・ヴォワドール」
- 小野リサ「ミーニャ・カーザ」
- 『ジャングル・ブック』サントラ「アイ・ウォナ・ビー・ライク・ユー」
- スコーピオンズ「パッション・ルール・ザ・ゲーム」
- 『ナッティ・プロフェッサー』サントラ「キャント・ゴー・フォー・ザット」
- トム・ウェイツ「トム・トラパーツ・ブルース」
- ボン・ジョヴィ「ディーズ・デイズ」
- レッド・ホット・チリ・ペッパーズ「ウォーク・アバウト」
- ブルース・マグース「恋する青春」
- セパルトゥラ「ウォー」
- スコーピオンズ「ユー・ギヴ・ミー・オール・アイ・ニード」
- ウータン・クラン「チェス・ボクシンの闘い」
- ラムスティン「ヘイレイト・ミッシュ」
- ガンマ・レイ「アルマゲドン」
- ジョアン・ジルベルト「波」
- ザ・トイ・ドールズ「タイン&ウェアのガキ」
- TLC「ウィスパリング・プラヤ」
- スパイス・ガールズ「ワナ・ビー」
- ライオット「イニッシュモア」
- パトリシア・カース「はかない愛だとしても」
- ジョージ・ハリスン「セット・オン・ユー」
- ザ・ビートルズ「ワイルド・ハニー・パイ」
- ベック「ハイ5」
- アイアン・メイデン「ラスチャイルド」
- フィリッパ・ジョルダーノ「清らかな女神」
以上。「50連発」と銘打っているが実際は49本だった。まあ四捨五入で50本。途中、安齋の髪型の変遷も紹介された。
上の中から1本大賞を選ぶということだったが、予備選考でMAXのメンバーがそれぞれ選んだと思われる4本に絞ってそこから選考。『ジャングル・ブック』より「アイ・ウォナ・ビー・ライク・ユー」に決定した。賞品のトロフィーは「ディズニーに送る」とのこと。スペシャルは再びうどんつゆの話に戻る。
空耳スペシャルからの続き(Aパート前半はこちら)。ちなみにここから天山とAKIRAは素顔になった。豊橋まで来ても変化がなくヘコみがちな一行だが、次に向かった三河安城でついに変化が。明らかに薄くなった。揚げはまだ甘くないが薄日が差してきた。プリンプリンが再び待ち構えていた名古屋でも同じくらいの薄さ、岐阜羽島ではなお薄くなってきた。プリンプリンは「次は新大阪で待ってますわ」と台詞を残して新大阪へ先回り。
そして米原でとうとうタモリの求めた薄口だしに。ということでここで終了、本当に先回りしていたプリンプリンは待ちぼうけになってしまった。結論。小田原から豊橋までが一番濃く、三河安城でやや薄くなる。さらに米原で完全な関西風薄口に。「次からはうどんが食べたくなったら米原に来よう」とはタモリの弁。番組はこの後ジブラライブへ。
スペシャルCパートは「ZEEBRA X'MAS LIVE」。クリスマスということで教会で行う。それを耳にした80年代のロリコンチャートを賑わした伝説のラッパー、UNCLE-Tは「覚えていれば」との条件付きだがニューヨーク・ブルックリンからはるばる参戦することを表明した。
基本的にはZEEBRAのライブ、合間にタモリとのトークという流れ。演奏曲は「Neva
Enuff」「結婚の理想と現実 〜Tiny Voice, X'mas-Mix〜」「MR.
DYNAMITE」。トークの内容はラップの由来、著作権の話、クリスマスの話。著作権に関してはなかなか興味深い話が聞けた。
「MR. DYNAMITE」で予告どおりUNCLE-Tが乱入。ZEEBRAとのコラボレーションを繰り広げる。UNCLE-Tは自作の詞でノリノリ。「聴くより演ったほうがいい」と言うとともに、「いい20世紀の終わりです」と。これにてすべて終了である。もちろん、UNCLE-Tが誰かなんていうのは言わずもがな。
Aパート評。タモリが仕事で東京を出るのは年に何回もないからか、ギャラリーの異常な多さが目につく。各地で大盛況だ。ちょうど18時くらいにこの検証は終わった(新大阪の時計を参照)のだが、あまりにうまくまとまったような気がする。やっぱり事前リサーチをしてうまいこと1日で収まるように設定したのだろうか、と思ってしまう。まあどっちでもいいんだけど。企画そのものに関してはしょうもなく、いい意味でタモリらしいものだった。こずえ鈴は、要らんだろ。このパートC。
Bパート評。ネタの選択は概ね順当か。もちろん「あれがない」というのは多いのだけど、1,000本以上の中から各年バランスよく約50本選出となると仕方ない、と思うしかないだろう。個人的には「いなりも食おうね」「間健二」「バス会社」「添乗員を呼べ」「ドラえもんでしょ」「朝起きたらメチャメチャ寒いし」「あと全部分からないけど」あたりがまた見たかった。しかし場違いなMAX。下ネタに「やだー」なんて言うゲストは必要ないんですがね。濱田マリでいいじゃん!まあ、MAXの前でも平気で検証するタモリは立派である。このパートA。
Cパート評。ヒップホップは聴かない人間だが、わりと面白かった。トークがよかったです。喋ってるとジブラも普通の兄ちゃんだし。ジブラのライブだから仕方ないんだろうが、DJにもう少しカメラを向けてくれれば更によかったかも。いまだどうやって音を出してるのかわからない部分も多いから。また、最初のほうで出てきたZEEBRAやUNCLE-Tの支持者は、その台詞のこなれてなさからいってスタッフや空耳出演者だろう。ただ、空耳スペシャルが終わってしまってたから視聴率は低そう。このパートB。
総評。それぞれのパートの良さはあるにせよ、何だか雑多な雰囲気はある。番組自体が長時間見るには適さない、といったところだろうか。もちろん、何年ぶりかわからないくらい久しぶり(わたしは初めてだが過去にもあったはず)のスペシャルということでその意義は大きいが、スペシャルだからといってマックスを呼んだりしなくても。せっかくだから井上陽水を呼んで延々だべってほしかった。いっそ空耳で90分じっくりやったほうが評価は得られたんじゃなかろうかとは思う。実際やってしまうと最大の手抜きだが。また、リアルタイムで放送された時間帯のせいか、CMが長くて閉口。30分がちょうど合ってる尺なのかなあと思った。B。保存版。
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