ひとりごと
秋分の日の9月23日、新幹線に乗って東京へ日帰りで行ってきました。
たぶんお聞きになった皆様は、え〜、日帰りで?って思われるかもしれませんね。
もし車で東京まで移動するとしたら、普通でもノンストップで5時間、それに私は途中で2回はSAで1時間半の合計3時間呼吸器休憩して、2回は食事で2時間、その他にもトイレ休憩で数回、結局10時間以上なので、丸一日かかり体力も行くだけでかなり消費してしまいます。
それに次の日にオフ会に参加すると、帰える時間帯は高速道路のSAのインフォメーションが夕方5時から閉まって休憩室を使わせてもらえないから、結局はもう一泊しなければならなくて、それにホテルに泊まるとバリアフリーとうたわれていても誰にでも使いやすいって訳じゃなく、家のように動き回れなくてかなり疲れてしまいます。
ネットで最近の新幹線は、車椅子車両や多目的室や車椅子用にトイレや車椅子で使える洗面所や駅員さんの個別の対応があることを知りました。
それに新大阪〜東京まで2時間半で行けるので、考えれば考えるほど新幹線を体験したくなりました。
そんな時、去年の安曇野オフ会で知り合った長野のゆかりんの素敵な出会いの掲示板で、東京オフ会のことを知りました。
そのオフ会は東京で2泊されるのですが、2日目の23日のお昼は東京駅構内のレストランでランチオフ会をされるとのことで、駅構内なら日帰りで行っても可能だと思い、はたして私の電動車椅子が多目的室へ入れるかと呼吸器の電源が使えるかを、直接新大阪の駅長室に聞きに行きました。
駅長室では助役の方が対応していただき、車椅子で入れると思うけど、もし入れなかったら中がベットになるから寝ることも出来るとのこと。
電源は多目的室のがあるけど、万が一使えなかったら、5メートルの延長コードを持っていけば洗面所から伸ばせるし、東京駅では障害者待合室があり、そこでは電源が使えるとのことも教えて頂きました。
それを聞いてすっかり行く気になり、1ヶ月前に時刻表で乗る車両を決めて、のぞみ700系の多目的室を予約しました。
当日、私は電動車椅子で後ろにはカバンをかけて、玄ちゃんは呼吸器とバッテリーや付属品を入れたでっかいキャスターつきのリュックサックを背負い、時間の余裕を考えて家を朝6時過ぎに出ました。
王寺駅も大阪駅も新大阪駅でも、駅員さんが電車の乗り降りの際のスロープや駅構内の誘導などを手際よくして頂き、余裕を持って新大阪8時17分発ののぞみ114号に乗車出来ました。
30年ぶりの新幹線はアヒルのような形をした「のぞみ700系」で、実物を見たのも初めてでした。
最近の新幹線はずいぶん早くなったもんで、時速285`だそうです。
東京駅に着いたのが10時53分でした。
予約していた多目的室は思ったより狭かったですが、なんとか車椅子のまま入れて少しリクライニングすることも出来、室内のコンセントは変電することもあるそうで、安全のために持っていったバッテリーを通して使うことにして移動中の2時間はしっかり呼吸器も使うことが出来ました。
ただ私の電動車椅子が大きいため、玄ちゃんの座席がかなり窮屈でしたが、それでも朝早かったので疲れていたのかいびきをかいていました。
東京駅に着いてからも、駅員さんが降りる時からオフ会会場の場所まで誘導していただきました。
ビックリしたのは、東京駅のホームからコンコースへ降りるエレベーターがなくて、案内されたのが業務用エレベーターで、荷物を運搬される業者さんたちの楽屋裏もしっかり拝見しました。
移動中に呼吸器でパワーアップしてたので、すぐオフ会場所の東京カフェグランに行きました。
去年安曇野オフ会で会った、ゆかりん・文吉さん・Jikoちゃん、先日奈良へ遊びに来られた広子さん以外は初めて会う方達です。
年齢も25歳〜60歳くらいまでの幅広い年齢の20人で、主に脳出血の後遺症で片麻痺の後遺症の方達が多く、みんなそれぞれいろんな困難を抱えてるけどいたって明るく前向きな方達ばかりです。
初めて会った感じもまったくしないほど、今回のオフ会も自然に溶け込んじゃいました。
隣に座ってた松下君は、聞くとうちの末っ子と同い年でまたまたビックリ。
主催者のゆかりんは身体の不自由さを感じさせないくらい、声は超でかくてパワフル。
他のみんなもこれまたパワフル!
会場のレストランが混んでたのでまとまって座れなかったので、みんなは杖をついてあっちこっちで交流して、私は車椅子で回れなかったからゆっくりお話しもできない方もいたけど、それでもけっこうおしゃべり出来ました。
そのオフ会の途中にも、私が他のサイトで知り合ったsumieさん夫婦とたまちゃん一家で合わせて6人で来られました。
時間が経つのが早くって、あっという間に3時間半も経っていてオフ会がお開きになりました。
それから皆さんとお別れして、茨城に住む介護サイトで知り合った「満理子の車椅子」で知り合ったさだぼんと満理子さんが障害者待合室に着いたとのことでJikoちゃんに案内してもらい移動しました。
Jikoちゃんたちは、途中から宿泊オフ会の国立へ行かれてましたが、広子さんはその日は東京の親戚の家に泊まられるとのことでずっとお付き合いしていただきました。
満理子さんは10年前にくも膜下出血で全身麻痺の寝たきりになり、さだぼんは介護をしながら仕事をされてたのですが、今は退職されて介護されながら地元のNPO「夢の笛」で福祉にかかわっておられます。
記憶障害もある満理子さんですが、お話ししてるとつっこみで会話に入ってくれて、これが結構笑わせてくれるほどのほんわかしたユーモアのセンスもあり、私は途中から呼吸器もつけたままだったけど、時間の経つのも忘れて帰る時間のギリギリまで5人でおしゃべりしたり笑ったりで楽しい時間があっという間に過ぎました。
これはおまけのお話しですが、いやはや大阪のおばちゃんにはビックリすることがありましたわ。
障害者待合室での出来事ですが、入ってくるなり駅員さんへ連絡するインターホンに向かってえらい剣幕で「なにやっとんねん!なんぼ待たす気や!消防車でもこない待たすとえらいことやんか!いったいどないなっとんねん!・・・・・」
そこにいた全員が固まりましたわ。。。
確かその人が来る前に駅員さんが何回も「新大阪へ行かれる○○さんいらっしゃいませんか?」って言ってた筈なんやけどなあ。
すぐ駅員さんがお迎えに来られましたが、なんかねえ。
東京の方に大阪のイメージがこんなんやと思われてはアカンし、そこに居合わせた方へ聞こえるように「あんなんモラルもなんもあったもんやないやん!関西人がみんなあんなんと勘違いされたら心外やわ。駅員さんにようしてもろたら感謝せななあ・・・」
大阪出身の茨城県人のさだぼんも「そやそや、あんなんがたまにおるから大阪人が馬鹿にされるんや。」
ほんまにそうですわ。
大阪人は人情が厚うてほんま困難もユーモアに変えてしまうほど、ええ人間が多いでっせ〜(笑)
新幹線の時間15分前に駅員さんが待合室までお迎えに来ていただきました。
それにしても東京駅にエレベーターがないってねえ。。。お蔭さまで、陰気臭いVIPロードとやらのレンガの広い地下道を駅員さんの先導で通らせてもらいました。
そこは皇室や有名人などが人目を避けて通られる所だとか。。。
でも、普通のエレベーターで一般の人に混じって移動するほうが私的にはええんやけどなあ。。。
なにわともあれ、こうして無事日帰りで東京駅でのオフ会へ行ってくることが出来ました。
少し前までは、新幹線に乗ることなんか夢のように思ってました。
途中での休息もしっかり出来て、思った以上に身体の負担も少なかったです。
すっかり自信がついたので、「これで新幹線沿いのオフ会の機会が増えそうやなあ・・・」って玄ちゃんに言ったら、行きはすごく便利だと言ってたくせに、帰りごろからなにやら機嫌が悪くって。。。
玄ちゃんは一つすごく不便だったそうですわ。
どこもかしこも最近は駅での喫煙場所がなくなって、それに東京は駅から出ても世田谷区禁止条例で、街中でのくわえタバコは罰金だとか。。。
玄ちゃんは「しんどうてもやっぱり今度から車で高速道路で行くほうがええやん。」やってさあ。。。
だから私、半分脅迫めいて言ってやりましたわ。
「しんどなってオフ会行かれへんなったら、めちゃ暗うなって落ち込んでしまうで〜。それでええの?」
苦笑いの玄ちゃんでしたが、また機会があれば新幹線に乗りたいです。
(2004/9/25)