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町のバリアフリーチェック
 
 以前は車椅子でご近所をお散歩するのに、かなりの心のバリアを感じていて、玄ちゃんが連れて行ってくれると言われても断っていたのですが、玄ちゃんにかなりの散財をさせて車椅子を電動に改造してもらった手前断れなくなって、家の近所のお散歩によく行くようになりました。
一人でのお散歩はやはりかなりの無理があるので、もちろん玄ちゃんと一緒です。
これは余談ですが、お散歩中におばちゃんたちの立ち話の輪に声をかけられて、玄ちゃんったらすっかり輪の中に入っているんですよ。。。
ちょっとおばちゃん化してる玄ちゃん、笑えますね。
でいつも最後に言われるのが、「奥さん、こんないいダンナさんで良かったやん。うちのダンナやったらこんなに献身的にしてくれるやろか。。」
内心は、(私がええ女やから玄ちゃんが尽くしてくれますんや。私が結婚してあげたんやから。私かて、毎日笑顔で尽くしてまんでぇ〜。。。)なんて言いたいんやけど、ここは玄ちゃんに免じて(?)ニッコリ微笑んで我慢我慢。。。

 ちょっと話が脱線しかけたけど本題に戻ります。
そのお散歩中に
行く先々で、いろんなバリアをいっぱい感じます。
「どうかして欲しいなあ」って町会議員をしている友達にふとつぶやいたら、「私も町のバリアがどんなとこにあるか調査したかったので、体調のいい時に一緒に行ってくれないかなあ。」と言っていただき、県会議員の方もご一緒していただき、他の車椅子ユーザーや介護されてる方なども一緒に、町のバリアフリーチェックが行なわれました。

 出来たら町中のバリアフリーチェックをしたいのとのことですが、私たち車椅子ユーザーの体調のこともあり、今回は2時間の予定で行なわれました。
時間的に町中とまでは行かなくて駅周辺のバリアフリーチェックです。

 まずは近鉄の駅の券売機のところでは、自動販売機の料金画面が上向きの傾斜画面で車椅子の高さからは見れませんでした。
それにボタンが高くて手が届かなくて、これでは切符が買えません。
呼び出しボタンも、ほとんどが手の届かない高さにありました。
JRの販売機は障害者割引の数字のボタンがありますが、説明がないし高さも高いのでとてもじゃないけど買えません。
そこでは駅員さんも出てきてくださり、いろいろ話しも聞いてもらえました。

 次は、今大規模の駅前開発で工事しているところで、少し前に一部だけ営業を始めた所へ。
ビルの前の舗装がしてある歩道は、レンガ状のブロックを使ってあり、車椅子ではガタガタしてすごい振動でした。
歩道の点字ブロックは歩道の色と同系色で弱視の方には見分けがつき難いんじゃないかとも思いました。

まずはトイレへ行ってみると、新しく出来たばかりなのに、なんと身障者トイレへ行くのに2箇所もスロープが。。。
トイレのドアも重たい引き戸で、ストッパーがついてなくてドアを支えてないと閉まってしまいます。
それに力が弱い私はとても開けられません。
押しボタン式のドアだったらなあと思いました。
洗面台の鏡も頭の先だけしか見えなくて、下向きの傾斜にしてもらったら鏡も使えます。
トイレはウォシュレットではありません。
ストマ(人工肛門)の方への配慮も欲しいなあと思いました。

 駅前は線路をはさんで高架橋で北と南に行き来できます。
その高架橋は1年前エレベーターとエスカレーターが住民の願いで出来ました。
その北側のエレベーターに乗ってみました。
エレベーターの車椅子用のボタンは、開閉時間が通常より2倍以上あります。
でも、同行していただいた方たちは知らなかったようです。

 高架橋を渡って南側エレベーターを渡って南側駅前に行きました。
南側はたくさんのビルがありバスターミナルもあります。
エレベーターをでた所ではすぐに急な傾斜があり、車椅子操作がしにくく転倒事故も発生してるみたいです。
歩道と横断歩道の接続部も少しの段差があり、私の電動車椅子もタイヤが空回りしてしまいました。

駅前の以前からある5階建てのスーパーは、エレベーターがなくて階段とエスカレーターでした。
もう一つのスーパーはエレベーターはありますが身障者トイレがありませんでした。
駅のそばの町の公園は、車乗り入れの柵で車椅子が入れなくて、せっかくの公園も使われませんでした。
それに歩道も斜めになったてり、凸凹のとこや、急なスロープや歩道の狭さなどなど。。。
ほんとにバリアはいっぱいです。

 駅前バスターミナルでは、駅前に時間待ちで停まってたので、最近導入されてるノンステップバスを快く見せてもらえました。
運転手の方は、バス停がどこも狭くてバスのスロープが渡せられなくていまだに使ったことがないとか。。。
駅前のバスターミナルは広いから、せっかくやし使ってみてはとスロープを広げられたんやけど、運転手さんは操作をはっきり覚えておられなくて。。
周りの運転手さん数人がああでもないこうでもないと言いながらやっと出来、バスの中に乗ってみました。
せっかくの装置も、宝の持ち腐れの感ありでした。
 普通のバスに車椅子マークが表示されてあったので運転手の人に聞くと、「そうなんですわ。会社はこのマークをつけてるけど、この間なんか電動車椅子の方がバスに乗せて欲しいと言われて、乗せてあげたいのは山々ですが、私には不可能なのでお断りしました。なんか嫌な気分でしたが仕方ありませんでした。」と言われました。
折りたたみする車椅子で介助者がいないと、確かに無理です。
やたらと車椅子マークをつけて欲しくないなあと内心思いました。
奈良交通の運転手さんたちには、バスの時間待ちの休憩時間に付き合ってもらえて、その上に「私たちも介助の仕方など、研修もしてもらわないといけないから、会社にいわなくては。。」とも言っておられて、嬉しく思いました。
さすが、鹿のマーク奈良交通さんでした。

 大和川河川敷にも行きました。
河川敷下には広い公園があり、私もたまにお散歩に連れて行ってもらいます。
その公園の入り口は車の進入を防ぐ鎖がかけられています。
わきに道はついてても段になっていて車椅子では通れません。
私の車椅子はリクライニングできるので、いつもリンボーダンスのように背中を倒してもらって、くぐらせてもらっています。
標準の車椅子ではとてもくぐられません。

 それと余談ですが、なんと犬の糞が多い!
それを避けてお散歩するのもけっこう苦労しています。
飼い主のマナーが問われますよねえ。

 今回のバリアフリーチェックはほんの一部分でしたが、同行した人たちにすごく勉強になったって言ってもらえました。
ご一緒していただいた、町会議員さんや県会議員さんや町の方に、知ってもらえてよかったです。
今回のことで改善して欲しいとこは、各機関に要望したり、議会でも取り上げてもらえるそうです。

バリアフリーチェックで実感したことは、障がいを持ってるもの自身が、できるだけ外に出て声をあげないといけないと感じました。
また一つ私に出来ることも発見できたし、疲れたけど満足感いっぱいでした。


(2003/6/27)

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