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私の運転免許証

 私が運転免許証を取得してから、22年になります。
先日、運転免許証更新のお知らせハガキが公安委員会からきました。
末っ子が生まれてちょうどその年に家も引っ越して、保育所が遠くなり交通機関を使ってではどうしても送り迎えに間に合わなくなるのが理由で取りました。

 元来かなりの運動音痴の私は、恥ずかしい話ですが子どもの頃から、いくら練習をしても自転車すら乗れず、玄ちゃんはそんな私を見て、たぶん運転は出来ないだろうから、どうしても不便な時はタクシーを使ったほうがいいのではと言われる始末。
 そう言われては女がすたるとの思いで、急遽運転免許を取ることにしました。

 まず免許を取るためには、自転車が必要でした。
その頃、常勤で勤めていたため仕事が終わってから教習所に行くには足がなく、バスでは間に合わないためでした。
 日中だと恥ずかしいので、子どもを寝かしつけ人気がなくなった道路で、一人で自転車の練習です。
あんなに乗れなかった自転車に、なんと2時間で乗れました。
これも後で分かったことですが、近所の奥様達にしっかり見られてたようです。
自転車で勢いがついた私は、すぐ自動車学校に出向き毎日3キロの道を、仕事を終えてから通いました。その間は玄ちゃんのお父さんに玄ちゃんが帰ってくるまで見てもらうことになりました。だから、少しでも早く免許が必要になりました。

 ここまで書くと、なんだかすごくカッコいいのですが、実は私の自転車乗りは、傍から見るとかなりの無理があるようで、まず横を自動車が通る度よろめき、ちょっとした段差で転んだり、しかしそんなことは言っては面子もあったので、自動車がなるべく通らない路地裏を回り道して行く事にし、国道は押して歩くことにしました。

 自動車学校に行き始めて一ヶ月が経った頃のことです。
夜の9時過ぎの帰り道、大変な目に遭ったのでした。
自転車で夜道を颯爽と走ってた時、後ろから音もなくスーッと誰かが寄ってきて、私の胸に抱きつき行ってしまったんです。
一瞬の出来事で、それも私の自転車技では逃げようもなく、ただ転ばないようにするのが精一杯でした。そんな時って、何故か怖くて声も出ないもんなんですよね。
もう身体がガクガクして、家まで自転車を押して帰って玄ちゃんに言うと、「こんな色気がないのに、よく痴漢にあったもんだ。その痴漢はよっぽど物好きやなあ。」なんて言われてしまいました。

 玄ちゃんは私の初めての痴漢にあった騒ぎでやはり心配したのか、次の日から自動車学校に3人の子どもづれで帰りは迎えに来てくれるようになりました。
 仮免も取り路上運転に出始めた頃、玄ちゃんは今度は私の運転を見たくなったようで、私の路上教習の車の後ろを走るようになりました。まるで子連れストーカーです。
つい目が合ってしまうと、子どもが車から手をふって「お母さ〜〜ん!!」
これには困りました。

 しかし私の慌ててるのが気づかないのか、教習所の先生は「独身?」なんて聞くのです。
私は「子どもが3人いるんですよ。」というのですが、まったく信じてくれず、「けっこうブラックジョーク言うんやなあ。まだ26なんやろ?これ終わったらコーヒー飲みに行かへんか?」何て言いだすんです。
「あの後ろの車の3人の子とダンナが待っているんです。」なんて言えないし、断るのも冷や汗ものでした。

 そうこうして努力したせいか、思ったよりも免許習得はスムーズに日程を終え、働きながら2ヶ月半の短期間で運転免許を習得出来ました。
2ヶ月半の間愛用したママチャリは、その後洗濯干し場の隅でホコリだらけになり錆付いたのは言うまでもありません。

 そして、運転免許証を取ったその日の保育所のお迎えからの運転。
狭い踏切近くの道を大型トラックに遭遇し、行くに行けなくなりかなりの渋滞を起こしてしまい、その大型トラックの強面のお兄さんから「姉ちゃん、ええ度胸しとる!」と言われ、後ろのうるさくクラクションを鳴らしてる人たちに「姉ちゃんが、取立ての若葉マークで頑張ってるんやから、もうちょっと待ったれや。」なんて言われたり。

 それから、毎日の保育所通い、買い物、仕事など、3年前に運転がまったく出来なくなるまで、アクセルブレーキを手動レバーに改造して乗っていました。
しかしです。前回の免許証更新時から、1回も運転してないんです。
玄ちゃんは、諦めも肝心やって言うんですが。。。
 実は、前回の更新の2年前にスピード違反15キロオーバーで違反切符を切られて、それまでゴールドの免許証なのに、今持ってるのはブルーなんです。
そのこともちょっとくやしいんですよね。
その初めてのスピード違反も、30キロの場所で45キロで捕まりました。
もう、みんなからさんざん馬鹿にされてしまいました。

 まだまだ他にも、運転免許にまつわる笑い話はいっぱいありますが、まあこのへんで。。。

 せめてゴールド免許証で終わりたいなあと思っていましたが、人生思うようにならんこともあるという戒めのためと諦めも肝心やということとで、ブルーの免許証で、私の運転免許証は終わりにすることにします。
 幸いにも、私には雨と曇りはご用心の珍ドライバーの玄ちゃん父さんというアッシー君がいますから、これからも口だけ達者なナビゲーターmizumamaは、運転免許証がなくなっても今のところは健在です。

(2002/9/7)

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