長男の小学校入学を思い出して |
今年は桜もすっかり散ってしまい葉桜になってしまいました。
火曜日、いつものようにリハビリに連れて行ってもらう車の中から外を見ると、可愛い新小学1年生がお母さんと手をつなぎ楽しそうに歩いていました。
我が家は、子ども達もみんな社会人で、入学式から遠のいてずいぶんになります。
18年前、長男の入学式の日のことを、ふと思い出しました。
その時私は常勤の看護婦をしていて、職場でその年何人かの入学の人がいたため、勤務の都合がつかず全員休めないので、くじ引きになりました。
運悪く私はくじに外れてしまい、玄ちゃん父さんが年休を取って、長男の入学式に行ってもらいました。
小学校の校区内に、共働きでも行ける保育所がなかったため校区外の保育所に行ってたため、入学する小学校でただ1人知り合いがいない状態でのスタートでした。
仕事をしてても、長男のことが気になってたのですが、家が職場の近くなので、終わったらすぐ会いに行くからとの言葉に、首を長くして待ってると、一向に帰ってきません。
同僚の一人に同じ小学校に入学の方がおられて、その人はすでに帰ってきて挨拶に来られていました。
それから1時間経った頃、玄ちゃん父さんから電話がかかってきました。
「学校の先生がみんなで探しているんだけど、いないんだ。そっちに帰ってないか?」と言うではありませんか。
事情を聞くと、式も学級でのお話しもすでに2時間前に終わって、入り口で一緒に帰ろうと待ってると、いないのに気がついたそうです。
小学校では、校長先生まで総動員で学校中探してるのに見つからないとかで、かなり慌てています。
もう気が気ではありませんが、ひょっとして私の職場に行くかもしれないから、そこで待っているように言われて待っていました。
電話を切って少したったとき、「おかあさん、ただいま!」って長男の声が。。。
そこには、真っ黒になった息子がいるではありませんか。
何が何だかわからず、息子に聞くと、「おかあさん、レンガの家には、子ブタいなかったよ〜。」
これでは、チンブンカンプンです。
取りあえず学校に無事帰ったことを電話して、ちょうどお昼の休憩だったので、ゆっくり息子の話しを聞きました。
息子の話しでは担任の先生が、教室で「これからは、学校へはお母さんとではなく、お友達と行き帰りするのですよ。」と言われ、その日の帰りから友達と帰ると思ったようです。
でも友達いないし、みんな帰ってしまって、しょうがないから一人で帰ろうとすると、以前就学前の身体測定の時見た、レンガの家が気になってたので、見たくなって、開けると中が広いから入ってみたようです。
レンガの家は、もうお分かりと思いますが、焼却炉です。
どうりで真っ黒なはずです。
童話が大好きだった息子は、中に3匹の子ブタがいるんではと思ったようです。
お陰で、入学早々に制服も靴もどろどろです。
怒りたいのは山々ですが、聞いてみると確かに一理あるし、私もその日仕事を休めなかった負い目もあり、焼却炉のことをじっくり話して、あぶないから近寄ったらダメだからとだけ言いました。
そして次の日、入学早々にシミになった制服を着て学校に行きました。
全然知らない子の中にボツンと入ったので、教室が分からなかったのに誰にも聞けずウロウロしてると、今度は通りかかった先生から「早く、教室へ行きなさい。」って怒られたようです。
廊下でショボンとして座り込んでたら、運良く担任の先生に気づいてもらって教室に行けたとか。。。
息子は、身体が人より大きくて3年生くらいに見られたようで、その上に制服もシミだらけで、どうも1年生には見れなかったようです。
このことも、数日後息子から聞いて、先生に電話して分かったことです。
他にも、学校の帰り道に、毛虫が無事に道を横断するのを何時間もじっと見ていて、日が暮れて帰ってきたり、私が調子悪いときに、洗濯物が乾いていないからと、電子レンジで洗濯物を乾かしてみたり、掛け算がなかなか覚えられなかったり、色んなことがありました。
その後も、なかなか友達が出来ず、いじめにあったりしましたが、すごくやさしくて個性的な子になりました。
波乱万丈なスタートだった息子も、今年で26歳です。
老人保健施設で介護福祉士をしています。
かなりシャイなのか、なかなか彼女が出来ませんが、早くいい話し聞かせてもらえないかなあと思う、今日この頃です。
(2002/4/11)