ひとりごと
ベストセラーという本は、だいたい読んでいてさほど面白くない物が多く、暇つぶしにしか読まない。
しかし、一昨日買った「チーズはどこへ消えた」(スペンサー・ジョンソン著)という本は、838円出した甲斐があった。
読んだ方もおられるかも知れないが、私達みんなが持っている単純さと複雑さが、状況の急激な変化にどう対応すべきかを考えさせる本だ。
この話しは、ある迷路で起こった出来事をめぐる物語だ。
登場人物は、2匹のネズミ「スニッフ」と「スカリー」、2人の小人「ヘム」と「ホー」。
一生美味しいチーズがあると思っていた2匹と2人に、ある日その場所に行くとチーズはなくなっていた。
そこで2匹と2人はその変化に違った行動をとった。
スニッフは、いち早くチャンスをかぎつけようとし、スカリーは、すぐさま行動を起こす。
ヘムは、いっそうまずいことになりやしないかと怯え変化を認めず、変化に逆らおうとしない。
ホーは、もっといい事があるかもと変化の波に乗ろうとする。
どんな行動をとろうと、チーズを見つけなければならない。
これは私達みんなに共通してることで、迷路の中で自分の道を見つけ、時代の変化の中で、望みを成熟しなければならないということだと思う。
「チーズ」は、私達が人生で求めるもの、つまり、仕事、家族や恋人、お金、大きな家、自由、健康、人に認められること、心の平安などを象徴している。
「迷路」は、そのチーズを追い求める場所、家庭、会社、地域社会のようだ。
この一見シンプルなお話しは、読んで見ると実に多くを考えさせてくれた。
ちなみに私はホーのタイプで、どうも物事をあれこれ複雑に考え過ぎてややこしくしてしまう時がある。
玄ちゃん父さんは、スニッフタイプで、直感的に動き軌道修正がうまい。
どちらのタイプがどうであるかは、賛否両論があるだろうが、私にとってスニッフタイプは魅力的だ。
玄ちゃん父さんに、「悩むだけ損だよ。なるようにしかなんないよ。」ってよく言われる。こんなに物事を簡潔に考えて柔軟な対応を出来たらいいだろうっていつも思う。
実際この本はアメリカのケン・ブランチャード・カンパニーズ社で社員全員に配って読ませ、読んだ人のほとんどが、悲観的な見方をしそうになっていたのが変わったそうだ。
そして、社会で起こっている変化を新たな目で見られるようになり、「従来のやり方」に固執しない柔軟な社員育成に役立ってるそうだ。
100ページにも満たない薄っぺらな本ですが、普段は気づかない「大事なもの」を気づかせてくれると思う。
「あなたにとっての、新しいチーズは?」ぜひ、読んだ感想をお聞きしたい。
(2001/3/28)