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大河の一滴の中で

 
前向きな人生を生きたい。多くの人はそう望んでいると思う。
私もそう思って今まで頑張ってきたように思います。
でも、いつも前向きでいる事は、大変疲れます。
周囲の方からは、「いつも前向きで、あなたを見ると励みになる」とよく言われるが、はたしてそうなのだろうか・・・・・
そう言われるたびに、後ろめたさも感じます。
今でも堂々と家の近所や、近くの知り合いが多く行ってるスーパーへ車椅子で行けない自分がいて、実際の私はまだまだなんです。

 私は、元気な頃から周囲から頑張り屋さんとして思われていました。
弱音を吐かず、自分の能力の限界以上を背伸びして、やってきたように思います。
そのせいか、今人の助けを受けて生きることに、正直戸惑い続けています。
 何かを人のためにすることは、案外やりやすいことですが、人からやってもらうことは、私の場合受けとめにくいんです。
以前看護婦をしていたせいか、つい聞き役にまわってしまい、自分の本心を言えないことも多々あります。

 この間、五木寛之の「大河の一滴」を読みました。
ついマイナス思考になる私にとって、胸響く箇所がありました。
「いまこそ、人生はあきらめることから始めよう。究極のマイナス思考から、本当のプラス思考が生まれてくる。」
そこを読んで、まだまだ元気だった頃をあきらめきれない自分に気づきました。

 誤解されてはいけませんが、人生を諦めるのではなく、今の現状をしっかり受け止めて、あるがままに生きる。
「あきらめる」という語源は、「あきらかにきわめる」からきています。
物事を明らかにして、出来ないこと、どうしようもないこともあるのだと、理性的に確認するということだそうです。
背伸びしないで時にはあきらめの境地になってみて、大河の一滴の自分であることを感じてみる。
所詮みんな大河の中の一滴にしかならず、その中で生きている。
そう思うと、マイナス思考も考えようによってはプラス思考に変わり、結果的にはいい方向に向いてくるような気がしてきました。

 2ヶ月前から、家事援助のヘルパーさんに来てもらうようになりました。
頑張ったら、まだ自分でもっと家事が出来るのじゃないかとか、つい思いがちになります。
つい無理をしがちで、玄ちゃん父さんを結果的には振りまわしています。
「出来なくてもいいやんか。無理せんときや。」って、いつも言われています。
ほんと、まだまだ修行が足りないようです。

 大河の中の一滴である自分を思いながら、冷蔵庫の残り物で今日の晩御飯の献立を考えています。
掃除機かけやゴミ出しや洗濯物を干したりは出来ないので、玄ちゃん父さんやヘルパーさん任せですが、献立を考えることは、私にとって主婦である喜びを感じる時です。

(2001/10/15)

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