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ひとりごと

ばれてしまった 私の人参嫌い


 
幼い頃より私は大の偏食で、とても手のかかる子でした。
どんな食生活をしていたのか、自分でもあきれるくらいです。
 夕食のとき食べないと席を立ったらいけないと親に言われ、食卓に夜の12時まで座り続け、親が根負けしたことや、毎日給食が食べられず、掃除の時間になっても座り続け、先生を困らせたことなど、今でも思いだします。

 そんな私が親になり、偏食も少しは治まりましたが、今でもお刺身やステーキなどの生っぽい物は皆目食べられません。
野菜では、特に人参の独特の臭いと味が苦手です。
 子供が給食で困っては大変だと思い、意識的に毎日の食卓に人参を登場させて、私とは正反対に、我が家の子供達は人参大好きになりました。
一時期、当時3才だった末っ子の次男だけが、人参あまり食べたがらないので、一緒に『ぼくにんじん だいすき』という絵本まで作りました。
 
 そのお話は、人参嫌いな男の子が、にんじん色の物みんな嫌いなので絶対人参食べないと言ったので、お母さんは「じゃあ大好きな消防自動車のおもちゃもいらないし、お母さんの赤い車にも乗れないね。」って言うと、男の子は「そんなのいや!ぼく人参食べるから、おもちゃもいるし、お母さんの車も乗る。」と泣いて言います。
それからの男の子は人参大好きになったというお話です。

 本当に我が家であったお話です。
これでは、私の人参嫌いがばれては大変です。
さりげなく隠すために、いつも人参を大きく切りました。これは私がよけやすくするためです。食べるときは、「ワー!この人参美味しそう、取られては大変!」って言うと、子供達は決まって、「お母さんの取っちゃえ!」って、次々に取ってくれます。
これって、逆心理作戦ですね。今思い出しても、なんちゅう母親って自分でも笑ってしまいます。

 子供達も成人したので私の人参嫌いを、もう知っていると思っていました。
それがこの間のことです。
子供達と一緒にご飯を食べる時、いつものように人参を玄ちゃん父さんのお皿に入れていたら、娘に「お母さん、なにしてんの。人参移して・・・。」
 私の人参嫌い、子供は知らなかったんです。
それからというもの、今では子供から「人参食べや!」って言われています。
でも、なかなか直せない私です。
(2000/10/8)

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