- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第20章 2回目の惨劇〜下編 作者:ゆう

「ふわ〜い!足下がふわふわして楽しいです〜!」
『ジョセフィーヌ…お前…一応これは土竜の体内なんだぞ?気持ち悪いと思わないか?』
「まったく〜」
ただ、抜けているだけなのか?と思いつつシュバは走りだす。
「待ってくださいよ〜マスター早いです〜!!」
『ったく!こちとら病み上がりだってぇの!!』
シュバはジョセフィーヌを担いで本気で走りだす。風を顔、肩で切りながら全速力で走る。
ふと、昔を思い出す

昔はとても荒れていて…。

今じゃあり得ないことを何度もしていた…

それは何かって?

フォルテを殴ったり、蹴ったりしたんだ…。

正直、心が痛い…。

今でもフォルテの体には生々しい傷後が背中に残っているのだ。

でも、彼女は怒ったりしなかった。

いつも笑って、オレに優しく語りかけるように言っていた

「あたしにはどんな事をしてもいいから…人様は傷つけるなよ…」

と。あのときは意味なんか、わからなかった。

今は、痛いほどわかる。だからこそ、つらい

『くそぉ…フォルテぇぇぇ!!宝石は…宝石はどこにあんだよぉぉぉぉ!!』

 

自分は、一人の女を

助けようとしている

こんな感情を持つのは、きっと初めてだろう。

 

「マスター!あそこ!!」

宝石があった。が、…。
『ぐっゲハッゲハ!!』

腹の傷が開いた。強い衝撃なんか与えていない。でも、…

小さな衝撃が続いて…傷が開いた。

痛い…でも、そんなことはどうでもいい…

『フォルテぇぇぇぇぇぇ!!』

外では、フォルテに入った闇と…光の心を持つ勇者が戦っていて…。

「とどめだぁぁぁ!!」

闇は光を斬りつけて…光は剣を落としてしまって…。

 

闇は闇を斬った。

フォルテが死んだ…誰もがそう思った。

が…

「!?闇の力が抜ける!?何故!?何故だぁぁぁ!!」

オレは痛む手のことを忘れて顔をあげる。

そこには…

土竜の腹を斬って出てきた額から角のはえた男と…魔法使いのような女が…闇に憑かれて
いた女を支えていた…。

オレは、安心してしまって…

気がゆるんで、倒れた。

気がつくと、オレはベッドの上にいた。


第20章 2回目の惨劇〜下編
 2005年6月26日 作者:ゆう