- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第十二章 竜の賢者 作者:ゆう


(リンクさま!うしろ!)

「!!!!」

間一髪リンクは、ヴァルヴァジアの爪の攻撃を逃れられた。

『ニィ…ガァシタ…ツギハァ …殺ス…』

リンクは、剣を落としてしまっていた。
剣を、取り戻さなければヴァルヴァジアを倒せない。
だが、倒す気になれない。ルルの母親だから…その時だった。

『ギイェェェェェェェェェェ!!』
ルルは、自ら母親の額にマスターソードを刺したのだった。

「ルル…おま…」
「いいんですぅ…これでぃ…母さんも、この方が幸せでぃしょう…」

リンクに殺意がみなぎる。
(ダーク…奴を許さない…絶対に倒す!!)

『ル…ル…。あなたは…竜の賢者として…目覚めるのよ…』

眩い光が辺りを照らす。

「こっ…ここは?!」
「リンクさま、ボクはぁハイラルの記憶を守る賢者らしいのでぃす。
 そして、神さまの声によると、リンクさまと一緒に旅をしろ…とぅ…」
「分かった!ついてきな!ルル!」
「はい!」

ルルとリンクは、バンガ・イロウの亡骸を埋めて、旅を始めた。
山の記憶は、ルルの記憶を指している。
登山口を馬に乗り、疾走するリンク達。  だが…

「ぐ……」
『リンク!フォルテの様子が変だ!』

リンク達は、足を止める。

「どうした?フォル…」
リンクは、目を疑う。フォルテが透けている。

「なっ…フォルテ、平気か!?」

『やっぱり、そうなっちまったか…』

「?!『やっぱり』…?いったい何が起こっているんだ!?」

『リンク、今こそ、オレ達の秘密をすべて教えよう…』


リンク達の周りは重い空気に包まれていた。



第12章 竜の賢者
 2005年4月17日 作者:ゆう