- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第十一章 ルルの母親 作者:ゆう


『やっぱり、火口ともなると、アチイな…』
「そうだな…凄まじく暑いな…」
リンクとシュバは、そう言うが、ヴァルヴァジアの子供つまり、
ルルは、平気な顔で、むしろちょうど良いようだった。

『ん…………。』
「なにか居るのか…?」
『かすかだが気配がある…コイツは、フォルテが作った試作品のバンガ・イロウだ!!』
その時だった。

『グウォォォォォォォォォォォ!』
溶岩の中から、ヴァルヴァジアが飛び出してきた。
そのヴァルヴァジアは、硬そうな鎧をまとっている。

『リンク、気をつけろ!コイツにゃ、剣技はキカネェ!』
「!?じゃあ、どうすんだよ!!」
『奴の唯一の弱点…それは…[水の召還獣、アクアウォーター]なんだ!』
「だから、どうすんだ!?フォルテはここには、居ないぞ?!」

すると、シュバは凄い勢いで、自分の下に陣を書いた。

『ここからは、人のお前しか出来ねぇ…なあに、簡単さ、オレに向かってこう叫べ!!
「シャトーシュバルブラン!炎の馬よ、水の魚と融合せよ! 召還![アクア・ブラン]!』
「シャ トーシュバルブラン!炎の馬よ、水の魚と融合せよ!召還![アクア・ブラン]!」

すると、シュバが、光だした。

『リンク、危ねぇから、退いてろぉ!』

凄いリンクは、思っている。
だが…シュバは、力の制御が出来て居ないのか、大量の力が外に出る。
その間、リンクは、ヴァルヴァジアを止めていた。
だが、剣技が効かない。リンクには、打つ手がなかった。
もう、ダメかと思った。
シュバも自分も…その時だった。

「バカ、召還者じゃない物が融合などさせるな!器が壊れる!!」
「!!フォルテ!!」
「しばらく、そこで、奴の注意を引き付けてろ!すぐに、加勢する!」
「分かった!フォルテ、頼む!」

リンクは、召還をしてみて初めて分かった。
召還には、大きな負担がかかる。自分の力を召還獣に、分け与えるからだ。
なのに、いとも簡単に、しかも、正確にかつ素早く、
二匹もの召還獣を一気に召還することが出来るフォルテは、
天才なんて言う言葉だけじゃ、言い表せないぐらい凄い。 と、リンクは、感じた。

「オッケー!融合完了…」
シュバは、いつもとは違う外見になっていた。
鬣は、水で出来ている。体は青く、ヒンヤリとした雰囲気だった。
角は、無くなり、美しい翼が生えている。
この外見から、ペガサスということが分かる。

『よし…行くぞ…』
「リンク様、ボクにもぅ手伝わせてぃ下さい!」
『オレが、鎧を解く。お前らは、それを見計らって、殺れ!』
「よし、連携プレーだ!!」 『そぉらよ!』

シュバは、先制攻撃を仕掛けて鎧を剥がした。

「しゃあ!トドメを刺すぞ!」
「待ってぃ下さい!」
リンクは、止まり、ルルの顔を見る。

「どうしたんだ!?ルル!!」
「そのヴァルヴァジアは…ボクのお母さんでぃす!」

リンクは、耳を疑った。
ルルの母親…そう思うと、リンクは、トドメを刺す気がなくなった。
みんな、呆然とルルの顔を見るだけだった。
だが、この時リンクの背後には、
バンガ・イロウと呼ばれたヴァルヴァジアの鋭い爪が、忍びよっていた…。



第十一章 ルルの母親
 2005年4月9日 作者:ゆう