アミ「バレンタイン〜〜〜!?」
ゼルダはコクコクと頷いた。
ゼルダは今剣の手入れをしているアミのところへ相談に来ている。
今日は2月12日。2日後はバレンタインだ。
アミ「だからってなんで俺なんさー。」
ゼルダ「だ・・・だってインパに相談したら絶対しつこく聞かれそうなんだもの。アミならそんな心配する必要ないじゃない?」
「だからってなぁ・・・」と呟いてアミはちょっと黙り込む。
アミ「(まさか・・・)それってだれにやるの?」
相手はなんとなく予想がついていた。
もし考えがあたっていれば相談に来た理由はたぶん・・・。
ゼルダ「リンクですよ。」
アミ「・・・・・・・・・・・。」
やっぱりと思うと余計断りたいと思ってしまうアミであった。
めんどーな。
アミはそう言いつつも買い物に来ていた。
アミ「だいたいなんでそういう面倒なもん作りたいんだよ。
・・・おっといけね。独り言多すぎておばさんに思われちまう。」
そういうとアミは腕の中にあるものを確認した。
アミ「(小麦粉・・・チョコ・・・ココア・・・・・・・・・。)よし。全部。」
そう言ってアミは代金を支払うと店を出た。
今は一人暮らし。
しかし、アミの自宅ではあまり料理はできない。
実家に帰るつもりである。
実家には祖父と祖母がいる。
アミ「(ちょっと下準備でもしてからこっちに戻って来よう)」
あまかった・・・・・・・・。
確かに待っててくれとは言っていなかったが・・・。
ゼルダ「次はどうすれば?」
祖母「ああ、それはねぇ・・・。」
まさか脱走して来るなんて・・・・!
ゼルダ「?アミ?どうかした?」
アミ「・・・うんまあ、ちょっと・・・ね。」
ゼルダは脱走してきたのである。
が、ゼルダ姫直属の騎士としては今頃城が騒ぎになっていると思うと頭と同時に胃と腹まで痛くなってくる。
アミ「(い・・・インパに殺されるかもしんねー!)なんでリンクにあげんの?別にあげなくてもいいんじゃない?」
ゼルダ「・・・リンクには・・・いろいろ助けられたの。
そのお礼。それに・・・。」
と言ってゼルダは黙りこんでしまった。
アミは気づかれないようにゼルダを覗いた。
アミ「(顔・・・赤いな・・・。)」
その様子をみた瞬間、アミはニヤニヤした。
恋愛の相談に乗るのは好きだ。
おもしろいから。
アミ「そっか!ならがんばって作らにゃな!!」
といって急に笑顔になるアミに多少は驚いたが
「そうですね」と笑顔で答えていた。
アミが自分の想いに気づいて“もっとおもしろくならないか”と思っていると知らずに。
アミ「リンクの場所〜〜〜!?」
ゼルダは廊下でアミを見つけて問いかけると、2日前と同じ反応をされた。
アミ「たしか・・・騎士の練習場に・・・・・・いた。
でも30分以上前だからいるとは限らないからあてにしないでくれ。」
ゼルダ「そうですか・・・。でもその辺りを中心に探せば見つかりますね。」
「ありがとう」とお礼を言ってゼルダは騎士の練習場に向かった。
アミ「いると思うぜ。練習熱心なあいつのことだからな。」
アミはそう言って歩いていった。
ゼルダは練習場の近くの柱に隠れるようにもたれていた。
ゼルダ「(どうしよう・・・このまま行けばリンクに迷惑かけてしまう・・・。
でも・・・・・)」
リンク「ゼルダ・・・?なにやってんの?」
リンクはタオルを首にかけてゼルダを見ていた。
ゼルダ「り・・・・・・リンク!?」
ゼルダは思わず2日前に作ったお菓子の包みを後ろ手に隠した。
まだ心の準備もできてないのに唐突に出てきたリンクにさらに緊張してしまう。
リンク「どうした?道に迷・・・・うわけないよな。
ゼルダは生まれたときからここに住んでるし。」
リンクはゼルダがこんなところに何故きたかを考えていた。
ゼルダ「(こうなったら・・・!)」
ゼルダは後ろ手に持っていたものをリンクに差し出した。
リンク「・・・・・・?俺?」
ゼルダは顔をこれ以上にないくらい真っ赤にして頷いた。
リンクは受けとり、ゴソゴソとあけ始めた。
リンク「!クッキーか!」
リンクの手にはチョコチップを埋め込んだバニラをココアの2種類の味のクッキーである。
ゼルダ「き・・・今日はバレンタインだから・・・渡そうと思って。
アミにも手伝ってもらったんだけど・・・。」
そう言っている間にリンクは1つとって口の中に入れた。
リンク「ん。うまいよ。」
ニコっとリンクは笑う。
ゼルダはその顔を見てうれしそうに笑った。
姫の初めてのバレンタインはこうして幕を閉じた。
―おまけ―
アミ「進歩・・・・あるかないか微妙かよ!
俺があんだけ苦労して“姫脱出騒動”をなんとかしたのに!」
とアミは影からその様子を見ていたことは誰も知らない。
あとがき
桃木です。
番外編第2弾!
今度はパラレルにならないように・・・ならないように・・・・・・
がんばりました。
今回妖精出番ありません。
今回は本編のあとの日常(?)を書きました。
ごめんなさい・・・まだ本編そこまでかけていないんです・・・。
ではこんな作品を読んでくださってありがとうございます。
管理人様にもこのような小説を閲覧できるようにしていただき大変感謝しております。
これからもよろしくお願いします。 |