- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第13話 幻覚の洞窟 II 作者:桃木里枝

いつかを思い出す・・・
この暗闇は・・・まるで俺の心を捕らえるように手を伸ばす・・・・・・


リンク「強行突破〜!?」
「いったいどうやって・・・」と言ったところでリンクの言葉は途切れた。
アミが既に行動に移したからだ。
リンク「マジで・・・。」
アミは敵の間をすり抜けるように移動し、自分の両脇の敵を切っていく。
リンクより長い剣。おそらくハイラル騎士専用のものだろう。
だが、アミの速さはリンクを驚かせた。
リンクより速い。そして、強い。
同じくらいの年。なのに実力の差がこんなにあるのはなぜだろう。
彼女はいったい・・・・何者なのだろうか。
アミ「なにやってる!?急ぐんだ!!」
リンクはハッとした。
そして気づいた。
この数日見ていたアミとは何か違う。
焦っている・・・と言えばそうだ。
だが、アミは今までクールに振舞っていた感じがあった。
元からクールなものだと思ったから大して気にしていなかった。
なのに、こんな状況だからそのクールが失われる・・・・なんてことはありえない。リンクはそう思う。
偽っていた。もしくは焦りっているだけ。
リンクはこの2択なら、間違いなく前者を選ぶだろう。

そう考えながらもリンクはアミのあとを追って走り続ける。

―――嫌な闇だ。
そう思いながら俺はこの洞窟に入った。
この闇はあの時を思い出させる。
過ちを犯したあの時に・・・。
本当はリンク、お前に会うのが嫌だった。
なんと言っていいかわからないから・・・・・・。
今はまだ明かせない。
でもその時が来たら・・・。


ナビィ「!大きな扉!」
ナビィが言う扉の前で4人は止まった。
アミ「多分ここだろう。」
だが、リンクはさっき感じたアミの疑問を問おうか問うまいか悩んでいた。
リンク「・・・・・・あの・・・さ」
アミ「心配しなくても。後々話すさ。」
リンク「あ・・ああ。・・・・・・・・え?」
疑問を浮かべるリンクにアミは微笑んだ。
リンク(心が読める・・・?)
リンクは一瞬そんな考えが浮かんだがすぐに消した。
そして、リンクが前に出て、その大きな扉を押した。


第13話 幻覚の洞窟 II
 2006年3月14日  作者:桃木里枝