森を抜け、村に着いてからの初めての朝だった。
4人は1階に下りる。
キリア「おはよう。もう行くの?」
アミ「ええ。ですのでそこを通していただけないでしょうか?」
アミはキリアに穏やかに言った。
キリアは気にしていないような感じで持っていたほう
きと塵取りで掃除を始めた。
キリア「そう言わずにせめて朝ごはんだけでも」
アミ「そう言って俺らを足止めさせる気?」
ピクッとキリアは反応して動きを止める。
アミ「それか・・・
俺らをここで毒殺すんの?」
キリアはそれを聞いて、再び掃き始める。
キリア「さあ・・・私には何のことか。」
チャット「そうよ!いくらなんでもそんなことありえ
ないじゃない!初対面よ!!」
チャットが反論するとナビィがチャットの前に出た。
チャット「ナビィ?」
ナビィ「チャット、待って。」
そうしていると今まで黙っていたリンクが口を開いた。
リンク「下手くそだな。
そういう時は“どうしてそんなことする必要がある
の?”って言うほうが普通だろ。」
アミ「つまり、アンタは動揺している。
自分が魔物で洞窟にいるやつの手下だから。」
ガチャン
リンク、チャット、ナビィは後ろを振り返った。
アミは振り向くことなくそのまま音を出した人物に話しかけた。
アミ「気がつかなかったのか?
玄関の花壇はちゃんと手入れしたあとがあるのに家の
中の観葉植物は荒れ放題。
枯れているものもある。
お前が水をやっているのはわかったが、手入れはして
いないのがわかったからな。」
キリア「・・・・・・。」
マルシャ「どうして・・・?かーちゃん・・・。」
マルシャの足元には花瓶らしき物の硝子の破片が散らばっている。
立ち聞きしていたようだ。
アミ「朝窓から下見てたらお前が水やってたな。
手馴れてないみたいだったし、花壇に少し雑草が生え
てきたのに気になってない。
なのに、違う花壇はきれいに整っている。」
マルシャ「やめてよ・・・。」
マルシャは震えているようだった。
アミはそのまま続けた。
アミ「1週間前か?キリアさんをお前が喰ったのは。」
キリアはニヤッと笑った。
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