- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第2話 浜辺の少女 作者:桃木里枝


リンクとチャットは宿を確保した。
タルミナのなべかま亭ほどボロくはないが、それなり
に古い店であった。
チャット「なんか騒がしいような静かなような街ね」
リンク「まあ全く静かな街よりはいいんじゃない?」
チャット「だれも悪いとは言ってないわよ。」
宿を出て、二人は街を探索し始める。
チャット「以外に大きな街ね。」
チャットの言葉にリンクは頷く。
?「よう坊主!お遣いか?」
魚屋の男がリンクに声をかける。
リンク「あ・・・いえ・・旅をしてるんです。」
この年でお遣いしに来てるように見えるか。などとリンクが
思っていたことは無論亭主に知られているはずもない。
店屋亭主「坊主もか。」
リンク「も・・・って?」
店屋亭主「実は一昨日ぐらいに来た女の子もそう言ってたよ。」
リンクはその言葉を聞いているとすれ違った水色の服
の少女が頭に浮かぶ。
リンク「その子・・どんな子でした?」
店屋亭主「う〜ん、坊主ぐらいの背だったな。
剣を背負った、ショートヘアで茶髪の・・・ああ!坊
主と同じような服で色は水色だったよ。」
リンクの思った通り先程の少女だ。
店屋亭主「まあ性格はどちらかというと・・・って坊主!?」
店屋の亭主は突然走り出したリンクに驚きの声を上げる。
リンク「おじさんありがとう!」
リンクは一目散に駆け出す。

チャット「ちょっと!どこに向かってんのよ!?」
リンクにもわからなかった。
ただ言えることはリンクの勘とも言えるものが“こっ
ちだ”と言っているのだ。
チャット「返事ぐらいしなさいよー!」
リンク「俺だってよくわかんないけど、こっちにいるような気がするんだ!」
チャット「気がするって・・・だれがいるのよ?」
リンク「さっき俺たちが来た時すれ違った・・・こ・・・。」
リンクは立ち止まる。
チャット「今度はどうし・・・音楽?」
リンク「行ってみよう!」
リンクは音楽をたよりに進んでいく。
着いたさきは・・・浜辺だ。
真っ白い砂の、青い海とよく合う。
チャット「浜辺?」
チャットが誰に聞くわけでもなく言った。
しかし、リンクにその声は聞こえていなかった。
リンクの瞳には自分に背を向け、大きな石の上でオカリナを奏でる、
自分が探していた少女しか映っていなかった。
大きな風が吹く。
運命的な再開。というより出会いと言ったほうが正しいのかもしれない。


第2話 浜辺の少女
 2005年8月16日  作者:桃木里枝