- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
番外編 節分〜幸せであると感じたとき〜 作者:桃木里枝


朝がきた。
2月3日である。
アミ「おいこら!いつまでそうやってこたつでゴロゴ
ロしてるつもりなんだ!?」
リンク「ずーっと〜・・・。」
ナビィ「ずっとって・・・。」
リンク「春が来るまで〜。」

ブチッ

アミはリンクが動かないことにイライラしていたがと
うとうキレて
アミ「しばらく外に出て目を覚まして来ーーい!!」
とリンクをほっぽり出した。
ついでにリンクの手袋とマフラー、そしてコートも一
緒である。
リンク「なんだよ!アミのやつ!」
とリンクも逆ギレ。
手袋とマフラーをつけコートを着ると、家を離れた。

しばらく歩いていると商店街に入った。
そこでスーパーの中が見える。
そこには節分の豆とお面がセットで売られていた。
リンクは家の中のある一角を思い出す。
リンク(そういえば置いてなかったな。)
なんて思うが今ケンカしたのにそんな簡単に帰ってた
まるかと意地を張ってその場をあとにした。

あてもなく歩いていると公園の前に来ていた。その周
りには住宅が多く建っている。
「今日節分だね!」
そんな声を耳にするとリンクの足はふと止まる。
「鬼が来たら僕が豆を撒いて退治するからママは安心
してね!!」
「まあ頼もしいわ。期待してるわよ。」
母と子の会話が耳に入り、リンクは再び足を動かす。
家族がいない自分はこんな普通の家庭がうらやまし
い。
でも今は―――――。
?「リンクじゃないの!」
その声を耳にし、リンクは顔を上げて声の主を見た。
リンク「チャット・・・。」
チャット「家にいたんじゃなかったの?
アンタずっとこたつから出なかったし。」
リンクは思わず苦笑いする。
ふとチャットを見ると買い物袋を持っている。
リンク「なんか買ったのか?」
チャット「え?ああこれ。
節分だから豆と太巻きよ。アミが頼んできたのよ。」
アミの様子が目に浮かぶ。
家族――と言うより親友だと自分は思っている。
今、自分はにぎやかなこの暮らしが幸せだと思ってい
る。
チャット「?何?」
リンクは首を横にふり、
リンク「なんでもない!帰ろう。」
とチャットを促した。

帰るとナビィが声をかけてきた。
ナビィ「どうだった?久々の散歩は。」
唐突の言葉にリンクは返事を返せず、
リンク「え?」
と聞き返した。
ナビィ「え?って・・・。
リンク最近ずっと家にいたじゃない。
だから少しでも運動させようとアミなりに気を使った
んだよ。」
リンク「・・・!」
ナビィ「ちょっと荒かったけどね。」
と言ってナビィは話相手をチャットへと移した。
リンクは台所にいるアミのところへ向かった。
台所に入るとリンクはアミの背中に向かって
リンク「ごめん。」
と誤った。
アミ「さぁ?なんのことで誤っているんでしょう。」
リンク「なっ・・・!」
反論しようとしたらアミは少し嬉しそうだった。
わかってて言っていることに気づき、リンクは台所か
らそっと出て行った。

アミのなにげない優しさが、今の幸せの一部なんだと
実感できた今日この頃―――。



あとがき

桃木里枝です。
初めての番外へん。
節分なんですけど・・・。
日本に住んでいる設定みたいになってしまいました!
チャットも買い物してるし・・・。
すみません;
こんな作者の小説を読んでいただいた方にお礼を申し
上げます。
本編の方もがんばっていきたいと思います!


番外編 節分〜幸せであると感じたとき〜
 2005年1月29日  作者:桃木里枝