- ゼルダの伝説 オリジナル小説 -
第1話 帰ってきたハイラル 作者:桃木里枝


リンクは森にいた。
タルミナでムジュラの仮面を倒し、新たな旅に出たのだ。
リンク「ナビィ・・・」
?「おおーい!待ちなさいよー!」
リンク「へ?」
後ろを向くとつい3日前別れたチャットの姿が。
リンク「チャット!何しに」
チャット「あんたについて来たに決まってんでしょ!」
リンク「なんで!?」
チャット「あんた一人じゃ心もとないでしょ!
    だからついてきたの。わ・か・っ・た?」
これ以上は何を言っても無駄だ。そう思いもうその件
については触れないようにした。


先に進むと不思議なトンネルを発見する。
チャット「なによこれ。不気味なトンネルね。」
確かに不気味だ。
コケが生えてるは、所々崩れてるは今にもなにかモン
スターでも出てきそうだ。
リンク「行くよ。そんなこと言ってたって先に進めないだろ。」
そう言ってリンクはトンネルをくぐる。
暗いが全く視界がないわけではなかった。
リンク(変だな。)
そう思っていると突然変な感覚がリンクを襲う。
リンク「ぐぅ・・頭が・・・。」
が、ふっとその感覚が突然なくなる。
リンク「・・・?なんだったんだ?」
チャット「どうしたのよ?」
チャットは何事もなかったかのように平然としてい
る。見るとエポナも何もないような感じだ。
リンク(どうして俺だけ?)
リンクはボーっとそのことを必死に考えていた。


チャット「何考えてんのよ。森、抜けたわよ。」
チャットの言葉にハッと我に返りまわりを見回す。
森は後ろに、前は街。
今自分のいるのは街道だった。
リンク「街だ・・・!」
チャット「見りゃわかるわよ、それくらい。」
リンク「お前なぁ・・・男のロマンを・・・。」
チャット「どうせあたしは男じゃないわよ〜だ!」
リンクは苦笑いするしかなかった。
街に着くとリンクは入り口近くにいた女性に声をかけた。
リンク「あの、ここってどこですか?」
女性「そんなことも知らずに来るなんてめずらしい!
  ここはハイラルの唯一の港町“サン・テラ”だよ。」
リンク「は・・・ハイラル!?」
女性「え・・えぇ。」
リンクはハイラルに戻っていた。
リンク(ということはさっきのトンネルは次元を超えるための・・・。)
チャット「何考えてんのよ、さっきから。」
リンク「あ・・・いや、別に。」
リンクはそのまま宿を探そうとした。

少女とすれちがう。

茶髪でショートヘアの、リンクの服を水色にしたよう
な服の少女だった。
背中にはリンクと同じように剣を背負っている。
リンク「え・・・。」
なにか懐かしい感じだった。
そのときこの少女が重要な人物になるとはリンクは思っていなかった。


第1章  帰ってきたハイラル
 2005年7月29日  作者:桃木里枝